投稿者: みんなのインディー編集部

  • ダイスとカードが織りなす奇跡のボードゲームRPG『Viractal(ヴィラクタル)』――運と戦略の狭間で生まれる唯一無二の冒険を体験せよ

    ダイスとカードが織りなす奇跡のボードゲームRPG『Viractal(ヴィラクタル)』――運と戦略の狭間で生まれる唯一無二の冒険を体験せよ

    『Viractal(ヴィラクタル)』は、2025年9月のアーリーアクセス開始から約4ヶ月、プレイヤーの声を丁寧に拾い上げながら完成させた本作。ダイスロールとデッキ構築という一見相反する要素を見事に融合させた、まさに”奇跡のハイブリッド作品”だったのだ。

    Steamでの評価は非常に好評(89%)、レビュー数は200件を超え、プレイ時間2〜3時間という手頃さとリプレイ性の高さで多くのプレイヤーを虜にしている。『Dokapon Kingdom』を生み出したStingの新作ということで注目を集めていたが、実際にプレイしてみると、それは単なる”Dokaponの後継”ではなく、『Slay the Spire』的なデッキ構築と協力プレイの楽しさを掛け合わせた、全く新しいゲーム体験だった。

    ダイス運に翻弄されない! DPシステムこそがすべて!

    本作の最大の特徴は「ダイスロールで移動」という一見運任せなシステムを、「DP(ダイスポイント)システム」で戦略的な選択肢に昇華させた点だ。

    ダイスを振って出た目の分だけマップを移動する――これだけ聞くと完全に運ゲーに思えるが、ここが『Viractal』の素晴らしいところ。使わなかった移動ポイントは「DP」として蓄積され、イベントでの選択肢を増やしたり、戦闘で強力なバフをかけたりできるのだ。

    つまり、「6が出たけど1マスしか進みたくない」という状況でも、残りの5ポイントはDPとして保存され、後々の冒険で活きてくる。この仕組みのおかげで、ダイスの出目が悪くてもガッカリすることがない。むしろ「あえて移動せずにDPを溜める」という戦略すら成立するのだ。

    Steamのレビューでも「運要素があるのに運ゲーじゃない絶妙なバランス」と評されており、この設計の巧みさがプレイヤーから高く評価されている理由のひとつだろう。

    プロシージャル生成が生む、毎回違う冒険

    『Viractal』の舞台となる箱庭世界「ヴィラクタリア」は、プレイするたびにマップがランダム生成される。同じステージでも配置が変わるため、毎回異なる戦略が求められるのだ。

    正式版では全4つのステージが用意されており、それぞれ「ドラゴンの庭園」「雲と氷のスカイハーモニア」「溶岩と魔王城」、そして3つのステージを統合した最終章「旅の記憶」という構成になっている。各ステージは約2〜3時間でクリアできるため、仕事や学校で忙しい人でも気軽に1周できる絶妙な長さだ。

    特に「旅の記憶」ステージでは、パーティーメンバーが分かれて別々のクエストに挑み、最終的に3つのボスと連戦するという熱い展開が待っている。まるでTRPGのキャンペーンを体験しているかのような没入感があり、フレンドと協力プレイすれば興奮は倍増する。

    カードバトルは軽量級『Slay the Spire』!? でも奥深い!

    戦闘システムはカードバトル形式で、手札から選んだカードを使って敵を倒していく。『Slay the Spire』のようなヘビーなデッキ構築ゲームと比べるとシンプルだが、それゆえに戦略の幅が広い。

    カードは攻撃、防御、バフ・デバフ、特殊効果など多岐にわたり、冒険中に手に入れたカードをデッキに追加したり、不要なカードを削除したりできる。さらに、キャラクターごとに固有のスキルカードがあり、レベルアップ時に獲得できるアビリティと組み合わせることで、自分だけのビルドを構築できる。

    正式版で追加された新キャラ「ムギ(コボルト)」は、同じカードを連続使用することでボーナスダメージを得られる攻撃的なプレイスタイルが特徴。既存のキャラクターとは一線を画す戦い方ができるため、プレイの幅がさらに広がった。

    また、戦闘中にDPを消費することで強力なバフを発動できるため、「ここぞ」という場面でのリソース管理が勝敗を分ける。このシステムのおかげで、運だけでなくプレイヤーの判断力が試される戦略性の高いバトルが楽しめるのだ。

    協力プレイが生む”友情と裏切り”のドラマ

    『Viractal』は最大3人までのオンライン協力プレイに対応しており、ソロプレイとは全く異なる体験ができる。フレンドと一緒に冒険すれば、難敵も協力して倒せるし、アイテムを融通し合うこともできる。

    しかし、本作には「悪魔のささやき」という特殊なシステムが存在する。これは一部のイベントで発動し、仲間を裏切ることで自分だけが利益を得られるという……まさに友情破壊装置のような仕組みだ。ボイスチャットをしている場合、契約が成立すると声が変化するという演出まであり、プレイヤー同士の駆け引きが熱い。

    Steamのレビューでも「友達と遊んで3時間があっという間に過ぎた」「協力しているつもりが気づいたら騙されていた」といった声が多く、マルチプレイの評価は非常に高い。特に『Dokapon Kingdom』のような対戦要素ではなく、あくまで”協力”がベースになっている点が好評だ。

    アーリーアクセスから正式版へ――開発者の誠実な姿勢

    『Viractal』は2025年9月にアーリーアクセス版としてリリースされ、約4ヶ月間でプレイヤーからのフィードバックを丁寧に反映してきた。初期は「バグが多い」「バランスが悪い」といった厳しい意見もあったが、開発チームは定期的にアップデートを重ね、UIの改善、バトルバランスの調整、新コンテンツの追加を着実に進めてきた。

    特に2025年10月の「スカイハーモニア」アップデート、12月の「魔王城」アップデートでは新ステージと新キャラクターが追加され、プレイヤーからは「開発が本気で作り込んでいる」と高く評価された。そして2026年1月の正式版リリースでは、最終ステージ「旅の記憶」と新キャラ「ムギ」が実装され、ついに完成形となった。

    Steamのレビューを見ると、アーリーアクセス初期の低評価レビューと正式版後の高評価レビューで明確に温度差があり、開発チームの努力がしっかりと実を結んでいることがわかる。「最初は不満もあったが、今では自信を持っておすすめできる」という声も多く、誠実な開発姿勢が信頼を勝ち取った好例と言えるだろう。

    立体音響とボイスチャットが生む没入感

    本作のもうひとつの特徴が、ヤマハの仮想立体音響ソリューション「Sound xR Core」とCRI TeleXusを活用した音響システムだ。

    ヘッドフォンでプレイすると、川のせせらぎや風の音が立体的に聞こえ、戦闘シーンではキャラクターの位置に応じて音が変化する。まるでその場にいるかのような没入感があり、特にマルチプレイ時のボイスチャットでは「悪魔のささやき」イベントで声が変化する演出が非常に面白い。

    技術的な話になるが、CRI TeleXusはゲーム内ボイスチャットを簡単に実装できるミドルウェアで、『Viractal』ではこれを使って特殊な音声エフェクトを実現している。開発チームの技術力の高さが垣間見える部分だ。

    “万人向け”ではないが、ハマる人には刺さりまくる

    正直に言おう。『Viractal』は万人におすすめできる作品ではない。

    1プレイが2〜3時間と長めなこと、ダイスロールという運要素があること、協力プレイ前提のバランスになっている点など、人によっては合わない要素もある。実際、Steamのレビューでも「ソロプレイだとちょっと厳しい」「理不尽な展開が多い」といった意見も見られる。

    しかし、逆に言えば「2〜3時間でひとつの冒険を完結させたい」「運と戦略のバランスが絶妙なゲームが好き」「フレンドとワイワイ遊びたい」という人には最高にマッチする作品だ。特に『Dokapon Kingdom』や『Slay the Spire』、ボードゲームが好きな人なら、間違いなくハマるだろう。

    筆者も最初は「どうせすぐ飽きるだろう」と思っていたが、気づけば50時間以上プレイしていた。毎回違うマップ、毎回違うカード、毎回違う展開――この中毒性は他のゲームではなかなか味わえない。

    基本情報

    開発: Sting
    販売: Sting
    リリース日: 2026年1月25日(正式版)
    価格: 3,960円(税込)
    プラットフォーム: PC(Steam)
    プレイ人数: 1〜3人(オンライン協力プレイ、ローカル協力プレイ、LAN対応)
    言語: 日本語、英語、韓国語、繁体字中国語、簡体字中国語
    ジャンル: ボードゲーム型RPG、デッキ構築、ローグライク、協力プレイ
    Steam評価: 非常に好評(89% – 200件のレビュー)

    購入リンク

    Steam: https://store.steampowered.com/app/2909580/Viractal/

    公式リンク

    公式サイト: https://www.sting.co.jp/
    X (Twitter): https://x.com/sting_pr
    Discord: https://steamcommunity.com/linkfilter/?u=https%3A%2F%2Fdiscord.gg%2FxCPzGEtmbe

  • 「ペーパーマリオの新作、任天堂じゃなくてインディーが出したってマジ?」――『さよならエバーアフター』は、20年待ち続けたファンへの最高の回答だった

    「ペーパーマリオの新作、任天堂じゃなくてインディーが出したってマジ?」――『さよならエバーアフター』は、20年待ち続けたファンへの最高の回答だった

    「またペーパーマリオライクのインディーゲームか……」

    正直、最初はそう思っていた。『Bug Fables』や『Born of Bread』など、ペーパーマリオに影響を受けた作品は数あれど、本家を超えるものには出会えていなかった。しかし『さよならエバーアフター(Escape from Ever After)』は違った。プレイ開始から数時間で、筆者は確信した。

    これは、『ペーパーマリオRPG』の正統続編だ。

    カナダの2人組が6年かけて作り上げた傑作

    『さよならエバーアフター』を開発したのは、カナダ・モントリオールを拠点とするSleepy Castle Studio。驚くべきことに、このスタジオはたった2人で構成されている。Ryan Kitner氏がプログラミング、アニメーション、キャラクターアートを担当し、Daniel Whitworth氏がクリエイティブディレクター、レベルデザイン、脚本、そして音楽まで手掛けた。

    2020年から開発を開始し、Kickstarterで資金調達に成功。そこから6年の歳月をかけて、2026年1月23日にPC、PlayStation 5、Xbox Series X|S、Nintendo Switchで同時リリースを果たした。価格は2,980円という非常にリーズナブルな設定だ。

    そしてその評価は驚異的だ。Steamでは1,010件のレビューで97%が好評という「圧倒的に好評」ステータスを獲得。Metacriticでは平均スコア81点、OpenCriticでも「Strong」評価を得ている。「ペーパーマリオライク」という枠を超え、本家を超えたと評する声さえ上がっているのだ。

    絵本の世界が、企業に乗っ取られた

    物語の主人公は、典型的なおとぎ話のヒーロー・フリント・バックラー。彼は宿敵である竜のティンダーを倒すため、何度目かの挑戦として彼女の城へと乗り込む。しかし城の中で待っていたのは、ティンダーではなく……受付係だった。

    「ようこそ、エバーアフター社へ!」

    城はいつの間にか企業のオフィスに改装され、ティンダーは投獄され、城中にコーヒー片手に報告書を書く社員たちが溢れていた。何が起きたのか?

    現実世界の巨大企業「Ever After Inc.」が、おとぎ話の世界に侵入する技術を開発したのだ。彼らの目的は、絵本の世界を安価な労働力と資源の供給源として搾取すること。ティンダーの城は企業の本社となり、次々とおとぎ話の世界が企業に飲み込まれていく。

    フリントが企業への就職を拒否すると、彼もまた投獄されてしまう。牢屋で再会したのは、かつての宿敵ティンダー。2人は力を合わせて脱獄し、企業に潜入して内部から破壊することを決意する。

    資本主義vs絵本の住人――このユニークすぎる設定が、本作最大の魅力のひとつだ。LinkedInのビジネス用語を皮肉った台詞、意味のない社内メール、無駄な会議……現代の企業文化への風刺が随所に散りばめられており、オフィスワーカーなら思わず苦笑いしてしまうだろう。

    アクションコマンドバトルの進化系

    『ペーパーマリオRPG』を知る人なら、本作のバトルシステムに即座に馴染めるだろう。ターン制バトルにアクションコマンドを組み合わせた仕組みで、攻撃時も防御時もタイミングよくボタンを押すことでダメージが増減する。

    しかし本作は単なる模倣ではない。完璧なタイミングでの防御に成功すれば、敵の攻撃を完全に無効化できる。さらに仲間キャラクターごとに異なるスキルセットがあり、バッジ(本作では「トリンケット」)システムで能力をカスタマイズできる。

    特筆すべきはシナジーシステム。特定のキャラクターの組み合わせで発動する強力な合体技で、戦略の幅が大きく広がる。敵の攻撃パターンを読み、どのキャラクターをパーティに編成するかを考え、バッジで能力を調整する――このパズル的な戦略性が、20時間以上のプレイを飽きさせない。

    レベルアップ時にはHP、MP、トリンケットポイントのいずれかひとつを強化できる仕様も秀逸だ。どのステータスを優先するかでプレイスタイルが変わり、リプレイ性が高まっている。

    難易度調整も柔軟で、アクションコマンドが苦手なプレイヤー向けにオートブロック機能も用意されている。ただし、手動でのタイミング取得にこそ本作の醍醐味があるので、できれば挑戦してほしい。

    ジャンルを超越する絵本の世界

    本作で訪れるステージは、まさにジャンルの大冒険だ。おとぎ話の森から始まり、ラブクラフト的なホラー、SF、ノワール探偵もの、さらには三匹の子豚が悪徳不動産業者になっている世界まで――各ステージが驚くほど異なる雰囲気を持っている。

    これらの世界は、Ever After Inc.が次々と侵略した「絵本の世界」という設定。企業が用意したテレページャー(転送装置)を使って、本の中に飛び込んで行くのだ。

    そして各ステージには探索要素がふんだんに盛り込まれている。隠しエリア、収集アイテム(サンジェムとインクボトル)、サブクエスト、そして各ステージの住人たちとの会話――どれも手抜きなく作り込まれている。

    特に仲間キャラクターの「応援」システムが秀逸だ。バトル中に仲間同士が会話を交わすのだが、これが単なるフレーバーテキストではなく、キャラクターの背景や関係性を深く掘り下げる内容になっている。全キャラクターの組み合わせで異なる会話が用意されているため、パーティ編成を変えるたびに新たな発見がある。

    ビッグバンドジャズが彩る冒険

    Daniel Whitworth氏が手掛けたサウンドトラックは、本作のもうひとつの主役だ。ジャズ、ビッグバンド調の楽曲が中心で、どのステージでも耳に心地よいメロディーが流れる。

    企業オフィスでは皮肉めいたビジネスライクな曲が流れ、海賊船では躍動感あふれる航海曲、ホラーステージでは不穏なサックスが響く――音楽が世界観を完璧に補完している。

    筆者は特にボス戦のBGMが気に入った。緊張感と高揚感が絶妙にブレンドされた楽曲で、何度聴いても飽きない。サウンドトラック単体でも購入できるので、気になる方はぜひチェックしてほしい。

    2人組が成し遂げた「奇跡」

    『さよならエバーアフター』は、開発者の愛情と情熱が隅々まで感じられる作品だ。

    たった2人で、6年かけて、プレイ時間20時間超のRPGを完成させる――これがどれほど狂気じみた偉業かは、ゲーム開発に携わったことがある人なら分かるだろう。プログラミング、アート、音楽、レベルデザイン、脚本、バランス調整、デバッグ……すべてを2人でこなしたのだ。

    そして完成した作品は、『ペーパーマリオRPG』の正統続編と呼ぶに相応しいクオリティを誇る。いや、もはや「超えた」と言っても過言ではないかもしれない。

    一部のレビューでは「防御のタイミングが取りづらい」「プラットフォーム要素が固定カメラのせいで難しい」といった指摘もある。確かに完璧な作品ではない。しかしそれらの欠点を補って余りあるほどの魅力が、本作には詰まっている。

    「本物のペーパーマリオ」がここにある

    『ペーパーマリオRPG』から20年。シリーズは方向性を変え、RPG要素を削ぎ落とし、かつてのファンたちは失望した。しかし諦めなかった2人のカナダ人が、ファンが求めていたものを作り上げた。

    絵本のようなビジュアル、戦略性の高いバトル、個性的なキャラクター、ジャンルを超越する冒険、そして現代社会への風刺――『さよならエバーアフター』は、すべてを兼ね備えている。

    「ペーパーマリオの続編が遊びたい」

    そう願い続けてきたすべてのゲーマーに、本作を強く推奨したい。任天堂が作らなかったゲームを、インディーデベロッパーが作り上げた。そしてそれは、紛れもない傑作だった。


    基本情報

    開発: Sleepy Castle Studio、Wing-It! Creative
    販売: HypeTrain Digital
    リリース日: 2026年1月23日
    価格: 2,800円(税込)
    プラットフォーム: PC(Steam、GOG、Epic Games Store)、PlayStation 5、Xbox Series X|S、Nintendo Switch
    プレイ人数: 1人
    言語: 日本語、英語、ドイツ語、フランス語、スペイン語、ポルトガル語、中国語(簡体字)
    ジャンル: ターン制RPG、アドベンチャー
    Steam評価: 圧倒的に好評(97% – 1,010件のレビュー)

    購入リンク

    Steam: https://store.steampowered.com/app/1996390/Escape_from_Ever_After/
    GOG: https://www.gog.com/game/escape_from_ever_after

    公式リンク

    公式サイト: https://www.sleepycastlestudio.com/
    Discord: https://steamcommunity.com/linkfilter/?u=https%3A%2F%2Fdiscord.com%2Finvite%2FjnTVrZrCyZ

  • ドローンで全てを自動化する『Desynced』正式版リリース!魅力から序盤の壁まで徹底解説

    ドローンで全てを自動化する『Desynced』正式版リリース!魅力から序盤の壁まで徹底解説

    「ベルトコンベアのないファクトリーゲームって、どうやって物資を運ぶの?」『Desynced』は違った。2026年3月5日、約2年半のアーリーアクセス期間を経て正式リリースされた本作は、「ドローン」という革新的なシステムで、オートメーションゲームの常識を覆してくる。

    ベルトなんて要らない。ドローンがすべてを運ぶ!

    本作の最大の特徴は、従来のファクトリーゲームで当たり前だった「ベルトコンベア」が一切存在しないことだ。その代わりに登場するのが、完全にカスタマイズ可能な「ドローン」たち。

    これらのドローンはロジスティクスネットワークに接続されており、自動的に物資の運搬オーダーを受け取って移動する。プレイヤーは採掘場を設置し、工場を建て、電力網を広げていくが、その間をつなぐのはすべてドローンだ。ベルトのレイアウトに頭を悩ませる必要はない——必要なのは、ドローンに何をさせるかを考えることだ。

    プログラミング不要……でも、したくなる

    ドローンは標準的な設定でもちゃんと動いてくれるが、本作の真髄はそこからさらに一歩踏み込んだところにある。ドラッグ&ドロップ式のビヘイビアエディタを使えば、ドローンの行動を細かくプログラムできるのだ。

    「採掘が終わったら自動で次の鉱脈に移動」「特定の資源が不足したら優先的に補充」「敵が近づいたら戦闘態勢に移行」といった複雑な動作も設定可能。プログラミング経験がなくても直感的に操作できるが、深く掘り下げればかなり高度な自動化が実現できる。

    開発者のStage Games Inc.は東京に拠点を置くスタジオで、本作には日本のゲーム開発の丁寧さと、海外インディーシーンの革新性が見事に融合している。

    RTSとオートメーションの融合

    本作は単なるファクトリーゲームではない。ストラテジー要素も色濃く、プレイヤーは未知の惑星で資源を集め、基地を拡張し、時には敵対的な生命体と戦わなければならない。

    戦闘ユニットとしてもドローンは機能し、装備を変更すれば採掘用から戦闘用へと変貌する。この柔軟性こそが『Desynced』の醍醐味だ。状況に応じてユニットの役割を変え、効率的な運用を追求する——それはまるでリアルタイムストラテジーとファクトリーゲームが融合した新ジャンルのようだ。

    ストーリーモードでは、AIのELAINに導かれながら謎めいた惑星を探索していく。プレイヤーの目的は損傷した宇宙船を修理するための設備を建設することだが、その過程で「自我の境界線にいるAI」という本作のテーマが徐々に明らかになっていく。

    学習曲線は急だが、登る価値がある

    正直に言おう。本作は決して「万人向け」ではない。Steamのレビューを見ても、「最初の数時間は何をすればいいのかわからなかった」「ビヘイビアシステムが複雑すぎる」といった声が散見される。

    実際、筆者も最初のプレイでは戸惑った。ドローンに指示を出すために必要な「レジスタ」の概念、ロジスティクスネットワークの仕組み、ビヘイビアコントローラーの使い方——覚えることが多い。

    しかし、一度システムを理解すれば、その面白さは爆発的に広がる。自分で設計したビヘイビアがうまく動いたときの達成感、完璧に自動化された生産ラインを眺める至福の時間。それは他のファクトリーゲームでは味わえない、『Desynced』ならではの体験だ。

    開発陣もこの学習曲線の問題は認識しており、アーリーアクセス期間中に大幅なチュートリアル改善が行われた。それでも「難しい」という評価は残っているが、それは本作の深さの裏返しでもある。

    Steam評価82%の実力

    2023年8月のアーリーアクセス開始から約2年半、本作は着実にアップデートを重ねてきた。その結果、Steamでの評価は全体で82%(Very Positive)、直近30日でも77%(Mostly Positive)と高い水準を維持している。

    レビューでは「Factorioのハイテク版」「RTSとオートメーションの完璧な融合」「プログラミング好きには最高」といった賞賛の声が多い。一方で「UIがわかりにくい」「最適化が不十分」といった指摘もあるが、正式版リリースでこれらの多くは改善されている。

    価格は通常2,980円だが、現在40%オフの1,788円で販売中(セール期間は要確認)。100時間以上遊べるボリュームを考えれば、非常にコストパフォーマンスが高い。

    マルチプレイにも対応しており、友人と協力してコロニーを発展させたり、PvPで競い合うこともできる。Steam Workshopのサポートもあり、コミュニティ制作のMODで遊びの幅がさらに広がる。

    基本情報

    開発: Stage Games Inc.

    販売: Forklift Interactive

    リリース日: 2026年3月5日(正式版)

    価格: 3,400円(通常)

    プラットフォーム: PC(Steam)

    プレイ人数: 1人(シングルプレイ)、オンラインCo-op、PvP対応 言語: 日本語完全対応(インターフェース、字幕)

    ジャンル: ストラテジー、オートメーション、シミュレーション Steam評価: Very Positive(82% – 1,414件のレビュー)

    購入リンク

    Steam: https://store.steampowered.com/app/1450900/Desynced/

    公式リンク

    公式X: https://twitter.com/desyncedgame

    開発元X:https://twitter.com/forkliftgames

  • アニメと弾幕が融合したら、こんなに気持ちいいとは!台湾発の超本格3Dアクション『炎姫』

    アニメと弾幕が融合したら、こんなに気持ちいいとは!台湾発の超本格3Dアクション『炎姫』

    「インディーゲームの3Dアクションって、モーションが微妙だったりするんでしょ?」しかし、台湾のCrimson Duskが送り出した『炎姫』は違った。このゲーム、学生の個人制作から始まったプロジェクトだというのに、大手パブリッシャーのタイトルに引けを取らない完成度なのだ。

    2026年3月4日にSteam版がリリースされ、早くもインディーアクションファンの間で話題沸騰中の本作。アニメ表現を追求した美麗なグラフィックと、ハックアンドスラッシュに3D弾幕を融合させた独自のゲームシステムが最大の特徴だ。

    「妖魔を祓う」という和風ファンタジー設定に、楠木ともりさん(炎姫役)、石見舞菜香さん(安役)ら豪華声優陣のボイスが華を添える。体験版をプレイした海外メディアからは「Metal Gear Rising: Revengeanceとアニメガールと弾幕メカニクスの融合」という評価も飛び出すほど、ジャンルの垣根を超えた魅力を持っている。

    パリィこそがすべて!気持ちよすぎる戦闘システム

    本作の最大の魅力は、なんといってもパリィシステムだ。敵の攻撃が赤く光る瞬間にボタンを押すことで、あらゆる攻撃を完璧に弾き返せる。巨大な骸骨の一撃も、妖魔が放つ光線も、すべてパリィで無効化できるのだ。

    最初は「普通のアクションゲームでしょ?」と軽い気持ちでプレイし始めた筆者だったが、パリィの気持ちよさに気付いた瞬間、完全に虜になった。敵の攻撃をギリギリで弾き、そのまま軽攻撃と重攻撃を織り交ぜたコンボを叩き込む。空中に打ち上げて追撃し、最後は地面に叩きつける——このリズムが実に爽快なのだ。

    ただし、パリィに頼りすぎると危険な場面もある。複数の敵に囲まれた状況や、ボス戦の弾幕フェーズでは回避ダッシュとの使い分けが必須。スタミナの管理も重要で、攻撃にも回避にも消費するため、連打しすぎると動けなくなってしまう。この「攻めと守りのバランス」が絶妙な緊張感を生み出している。

    海外レビューサイトのNoobFeedは「攻撃的で、正確で、柔軟なプレイヤーに報酬を与えるゲーム」と評価。またGameScoutのレビューでは「Sekiroにインスパイアされたパリィシステムで、ほぼすべての攻撃を弾き返せる」と指摘されており、死にゲーファンにも響く手応えが用意されている。

    3D弾幕×ハックアンドスラッシュという異色の融合

    もう一つの特徴が、ボス戦で本格化する3D弾幕要素だ。各ステージの最後には、強い感情を抱いたまま妖魔化した「妖魔少女」たちが待ち構えている。彼女たちは美麗で個性的なデザインながら、戦闘では容赦ない弾幕攻撃を繰り出してくる。

    弾幕シューティングのように画面を埋め尽くす光弾の隙間を縫って接近し、近接コンボを叩き込む。遠距離では安の力を使った「加護射撃」で応戦しつつ、妖魔がまとう瘴気を祓う——この近接と遠距離のシームレスな切り替えが、本作独自の戦闘スタイルを確立している。

    UK Anime Networkのレビュアーは「私の大好きな2つのアーケードジャンル(ハックアンドスラッシュと弾幕シューティング)を融合させており、キャラクターデザインも素晴らしく、プレイ感が美しい。これはゲーム・オブ・ザ・イヤー候補になりうる」と絶賛。また、Game8の英語版レビューでは「ハイブリッドゲームとして、両方のマインドセットで同時に考えることを自然に強制される」と評され、ジャンルの垣根を超えた体験が高く評価されている。

    台湾の学生プロジェクトが世界へ

    開発を手掛けたCrimson Duskは、台湾・台中市に拠点を置く小規模インディースタジオだ。代表のSam氏が個人で開発していた『炎姫』が台湾で大きな注目を集めたことをきっかけに、本格的な開発のためにスタジオを設立。本作が同スタジオのデビュー作となる。

    もともとは学生プロジェクトだったという本作だが、2022年の正式発表以降、日本のアニメ表現へのこだわりと完成度の高さで徐々に話題を集めていった。2025年10月にはSteam Next Festで体験版が公開され、非常に高い評価を獲得。その勢いのまま、2026年3月4日の正式リリースを迎えた。

    現在Steamでの評価は上々で、「想像以上に面白い」「パリィが気持ちいい」「ボス戦のデザインが秀逸」といったレビューが並ぶ。価格は2,480円(リリース後2週間は10%割引)と、この内容でこの価格は正直破格だ。

    妖魔たちの物語に引き込まれる

    本作のストーリーは、人間と妖が共存する世界が舞台。死の間際に強い感情や未練を残した霊魂は妖魔へと変化し、周囲を汚染してしまう。大神官から派遣された最高の妖祓い・炎姫と、補佐官の安は、5人の強大な妖魔少女たちを祓う任務に挑む。

    ファミ通のプレビュー記事では「敵対する妖魔は個性的でかわいいのがズルい。探索中に発見できる資料や会話からバックストーリーが読み取れるので、祓いたくなくなってしまう」と評されている。クールな炎姫と天真爛漫な安のコンビネーションも魅力的で、フィールド探索中の掛け合いが物語に彩りを添える。

    Noisy Pixelのレビューでは「妖魔たちは登場時間は短いが、彼女たちの歴史、目的、後悔について多くのことが読み取れる」と指摘。ストーリーは複雑ではないものの、限られた要素で魅力的な物語を紡いでいるという評価だ。

    プレイスタイルを広げる成長システム

    戦闘の楽しさを支えるのが、充実した成長要素だ。ステージ内の探索で「生命の結晶」「加護の結晶」を集めれば、最大HPと加護射撃の容量が増加。敵を倒して得た通貨で、櫛名田の店から新しいスキルやコンボ、装備「お守り」を購入できる。

    お守りはパッシブ効果を持つ装備で、攻撃力上昇や防御力強化など、さまざまな能力を付与してくれる。スキルツリーでは、強力な一撃を放つ技から範囲攻撃、空中コンボまで、多彩な選択肢が用意されている。自分好みの戦闘スタイルを構築できる自由度の高さが、リプレイ性を高めている。

    ステージデザインも秀逸だ。基本的には一本道の構成だが、隠された宝箱や収集要素、ミニゲームなどが随所に配置されており、探索のモチベーションを保ってくれる。ファミ通のレビューでは「ギミックを使って先に進んだり、バトルと探索のタイミングが両方あり、緩急がついているのもうれしい」と評価されている。

    唯一の弱点は「繰り返し」?

    ただし、本作にも弱点はある。GameScoutのレビューが指摘するように、5つ目のステージをクリアした後は、既存エリアの再訪とボスの再戦が続く構成になっている。新鮮味は薄れるものの、成長したキャラクターでボスを圧倒する爽快感は格別だ。

    また、プラットフォーム要素は戦闘ほど洗練されていない。ジャンプの硬さや、ダブルジャンプがない点など、改善の余地はある。とはいえ、これらは本作の魅力を大きく損なうものではなく、戦闘の気持ちよさが圧倒的にカバーしている。

    Try Hard Guidesのレビューでは「初回プレイなら一気にクリアできる短さ」と指摘されているが、同時に「レベルは何度も遊ぶように設計されており、新しいアビリティ、ステータス、レイアウトやボスパターンの知識を持って挑める」とも評価。短いながらも濃密な体験が詰まっている。

    アニメ表現へのこだわりが光る

    本作のビジュアルは、日本のアニメーションを徹底的に研究して作られている。キャラクターの動き、エフェクトの演出、カメラワークに至るまで、アニメ的な「決め」が随所に散りばめられており、プレイしていて「これ、アニメで見たい!」と思わせる瞬間が何度もある。

    声優陣も豪華だ。炎姫役の楠木ともりさん、安役の石見舞菜香さんに加え、櫛名田役に水野朔さん、小梅役に桜咲千依さんなど、実力派が集結。サウンドトラックも全82曲が収録されており、本編とセットのバンドル版も用意されている。

    ファミ通のプレビュー記事では「アニメらしい迫力が表現されているので、見ても楽しい一本」と評され、UK Anime Networkでは「キャラクターデザインと表現が一流」と絶賛されている。

    Switch 2版も2026年内に発売予定

    本作はSteam版に続き、2026年内にNintendo Switch 2版もリリース予定だ。2026年3月3日の「Indie World 2026.3.3」で正式発表され、モバイル機でもこの本格アクションが楽しめるようになる。

    アクションゲーム好き、弾幕シューティング好き、アニメ好き——どれか一つでも当てはまるなら、本作は間違いなく「買い」だ。2,480円という価格で、10時間以上の濃密な戦闘体験とリプレイ性が得られる。台湾の小さなスタジオが生み出した、大きな衝撃を体験してほしい。

    基本情報

    開発: Crimson Dusk
    販売: PLAYISM(Active Gaming Media Inc.)
    リリース日: 2026年3月4日(Steam)/ 2026年予定(Nintendo Switch 2)
    価格: 2,480円(Steam・リリース後2週間は10%割引)
    プラットフォーム: PC(Steam)、Nintendo Switch 2
    プレイ人数: 1人
    言語: 日本語、英語、中国語(簡体字)、中国語(繁体字)
    ジャンル: 3Dアクション
    Steam評価: 非常に好評(発売直後のため評価件数は少ないが、体験版は高評価)

    購入リンク

    Steam: https://store.steampowered.com/app/1820000/_/

    公式リンク

    公式サイト: https://playism.com/game/homura-hime/
    X (Twitter): https://x.com/CD_HomuraHime
    YouTube: https://www.youtube.com/channel/UCeC3zOK9Kkm9csHz8wFSOQw

  • 「Disco Elysiumの後継者」なんてレベルじゃない。TRPG好きが30年待ち続けた”あの感覚”を完全再現した『Esoteric Ebb』

    「Disco Elysiumの後継者」なんてレベルじゃない。TRPG好きが30年待ち続けた”あの感覚”を完全再現した『Esoteric Ebb』

    「Disco Elysiumみたいなゲーム、また出ないかな……」そう諦めかけていた矢先のことだった。

    2026年3月、PC Gamerはこう断言した。「まだ3月だが、断言しよう。『Esoteric Ebb』は2026年最高のRPGであり、Disco Elysiumの真の後継者だ」と。メタスコア88点、OpenCritic89点、Steam評価96%(295件のレビュー)──数字だけ見ても只者ではない雰囲気が漂う本作だが、実際にプレイしてみると、そこにはただの「模倣作」では片付けられない圧倒的な独自性があった。

    本作を手掛けたのは、スウェーデンの開発者Christoffer Bodegård。なんと2018年から8年間、ほぼソロで開発を続けてきたという狂気のプロジェクトだ。途中からイラストレーターや音楽プロデューサーが加わったものの、プログラミング、デザイン、そして75万語以上(指輪物語三部作を超える分量!)に及ぶダイアログの執筆まで、すべて彼一人の手によるものである。

    D&Dルールで動く会話バトル、これぞ「Disco-like」の真骨頂

    『Esoteric Ebb』の舞台は、アルカネパンク・ファンタジー世界「エソテリック・コースト」。魔法大戦の余波が残るこの世界では、ゴブリンが街角で新聞を売り、イデオロギーが死神の囁きを覆い隠している。そしてあなたは「聖職者(The Cleric)」──政府の下っ端として働く、秘儀的事件の専門家だ。

    ゲームは衝撃的なオープニングから始まる。あなたは死体安置所で目覚める。川底から引き上げられ、腐ったリンゴに囲まれ、いくつかの死体とゾンビ一匹と共に。そう、あなたは一度死んでいたのだ。

    そして任務が下る。5日後に控えた史上初の選挙を前に、街の中心でゴブリンの茶店が爆発した。原因は? 犯人は? 政治的動機があるのか? あなたには5日間という制限時間の中で、この謎を解明しなければならない。

    本作の最大の特徴は、D&D第5版ルールをDisco Elysiumスタイルの会話システムに完全統合したことだ。キャラクター作成では、STR(筋力)、DEX(敏捷)、CON(耐久)、INT(知力)、WIS(判断力)、CHA(魅力)という6つの能力値を配分する。そしてこれらの能力値が、Disco Elysiumの「スキル」のように内なる声として語りかけてくるのだ。

    INTは冷徹で時に残酷だ。野心を煽り、世界にはあなたのような指導者が必要だと囁く。それ自体は「秩序にして悪」であり、非政治的だ。一方でWISは共感的で、他者の痛みを理解しようとする。この能力値たちは互いに議論し、時には味方し、時には驚くような発言をする──まるで本当のTRPGセッションで、GMが各プレイヤーの性格を演じ分けているかのように。

    そして重要な選択や行動の多くはダイスロールで成否が決まる。会話中の説得判定、戦闘、さらには「恥ずかしいことを認める」ような場面でさえダイスが振られる──そして失敗すれば死ぬこともある。装備やD&D呪文(「Enhance Ability」や「Charm Person」など)を使えば判定に有利な修正を得られるが、運命の女神は気まぐれだ。

    この「ダイスの不確実性」こそが、本作にリプレイ性緊張感をもたらしている。筆者は初日、リンゴを大量に食べようとして腹痛で死亡した。ゾンビを説得して自殺させることに成功したかと思えば、次の瞬間には天使への口説きに大失敗して恥をかいた。

    本作は「クレリック」という職業の皮を被った自由奔放なロールプレイング

    さて、あなたは「聖職者」のはずだが、実はこれ、まったくの建前である。

    ゲーム開始直後から、あなたは他人に「実は俺、ローグなんだ(Dick-Ass Rogue)」と言い張ることができる。そして驚くべきことに、ゲームはそれを受け入れる。キャラクターシートまで変更される。「アルカナの聖職者」として魔法使い呪文を習得することもできるし、隠しクラスをアンロックすることも可能だ。

    レビュアーたちは口を揃えて言う。「俺は病弱なローグ聖職者でアイデンティティ危機を抱えたキャラを作った」「俺は常にDick-Ass Rogueだと主張し続けた、笑える結果になった」と。そう、本作は「あなたが何者であるか」すら、あなた自身の選択に委ねているのだ。

    そしてこの自由度は選択肢にも表れている。冒頭で出会う移民の村、ドルイド、ゴブリンの三つ巴状況において、あなたは:

    • ドルイドを助けてゴブリンのキャンプから仲間を救出する
    • 移民たちに警告して防衛準備を整える
    • ゴブリンに協力して村を襲撃する

    すべてが可能だ。そしてどの選択をしても、物語は分岐し、意味を持ち、そして進んでいく。あるプレイヤーは友人と4人マルチプレイし、「移民もドルイドもゴブリンも全員虐殺する」というジェノサイドルートを達成したという。モンクのハーフオークが波動拳でゴブリンをナムアミダブツする光景は、きっと忘れられない思い出になっただろう。

    これはDisc──いや、「Discworld」だ

    あるレビュアーが鋭い指摘をしている。「本作の核心はDiscoではなく、Discだ。Discworld、つまりテリー・プラチェットだ」と。

    確かに、本作はD&Dというシステムをプラチェットのようにユーモアと皮肉を込めて扱っている。「Charm Person」呪文や「Speak with Dead」が社会でどう規制されているか、アライメント(属性)システムが形而上学的にどう機能するのか──こうした設定を、登場人物たちは当たり前のこととして受け入れている。狂っているのは、むしろプレイヤーのほうなのだ。「なぜこんな世界なんだ?」と問いかけるのは、我々だけである。

    ノルヴィク市は「ガーズ!ガーズ!」や「ソウル・ミュージック」を思わせる。暗い階級闘争よりも、不条理を受け入れながら「それでも生きていく」人々の姿がそこにはある。

    そして探索要素も素晴らしい。本作には地下都市(City Below)が広がっており、秘密を発見し、パズルを解き、戦闘に挑むダンジョン探索がTRPG的なドラマチックさで展開される。ある時あなたは巨大化しすぎたゼラチナス・キューブに遭遇し、別の時には法律顧問として働く本物の悪魔と契約書の条項について議論する。

    「クエスティング・ツリー」──クエストログ、スキルツリー、マインドマップが融合した革新的システム

    本作独自のシステム「Questing Tree(クエスティング・ツリー)」も見逃せない。これはクエストログであり、スキルツリーであり、マインドマップでもある。

    クエストを完了すると、それが「根を張り」、あなたの心に定着する。そしてFeat(特技)としてゲームプレイに影響を与える。例えば「異性への判定に有利な修正」を得たり、新しいクラスをアンロックしたりできる。クエストは大小さまざまで、茶店爆発という大事件から、猫探し、許可証の問題解決といった小さなものまで多岐にわたる。

    そして本作は時間制限がある。5日後には選挙が行われ、物語は終わる。会話するたびに時間が進み、キャラクターは特定の時間・場所にしか現れない。すべてをこなすことは不可能だ。だからこそ、「今回は何をするか」「次回のプレイで何を試すか」という選択の重みが生まれる。

    技術的な問題はあるが、それを補って余りある魅力

    公平を期すため、欠点も述べておこう。一部のレビューでは技術的な問題が報告されている。画面が緑色のフィルターで覆われる不具合、影が奇妙に伸びるグラフィックバグ、Steam Deckでのパフォーマンス問題などだ。また、UI(特にインベントリ管理)がSteam Deckのゲームパッドでは扱いにくいという指摘もある。

    序盤の会話がやや「チュングス的」(※訳注:「ちょっと個性的すぎる」ニュアンス)で、トーンが安定しない部分もあるとの声もある。そして音声なしであるため、膨大なテキストを読む覚悟が必要だ(日本語は未対応)。

    だが、それでもなお──本作は傑作だ。

    開発者は「75万語以上(ロード・オブ・ザ・リング全三部作より多い)のテキスト」を用意しており、ローカライズには莫大なコストがかかると述べている。しかし、この文章量こそが本作の魅力の源泉でもある。会話の選択肢には「優しく」「冗談っぽく」といったトーン指定があり、主人公になりきって物語を紡ぐ体験は、まさにTRPGそのものだ。

    「これこそTRPGだ」──30年待ち続けた感覚がここにある

    筆者が最も感銘を受けたのは、本作がTRPGの「あの感覚」を完璧に再現していることだ。

    優秀なGMがいるセッション。プレイヤーが無茶な行動をしても、GMはそれを受け止め、即興で対応し、物語を転がしていく。ダイスの出目に一喜一憂し、予想外の展開に笑い、仲間との掛け合いに心温まる──。

    Baldur’s Gate 3が「D&Dの究極のサンドボックス」なら、『Esoteric Ebb』は「史上最高のDMとのキャンペーン」だ。PC Gamerのレビュアーは「これまでTRPGの魔法をここまでゲームに落とし込んだ作品は見たことがない」と絶賛している。

    そしてもう一つ特筆すべきは、本作にバッドエンドは存在しないということだ。どんな選択をしても、それに応じたエンディングが用意されている。50以上のエンディングパターンがあり、仲間の運命、主人公の選択、政治状況の帰結──すべてが複雑に絡み合う。

    「あのとき別の選択をしていたら?」という問いが、次のプレイスルーへの強烈な動機になる。筆者は現在2周目だが、1周目では見落としていたキャラクター、選ばなかった選択肢、気づかなかった伏線──すべてが新鮮だ。

    人生が足りない。だが、それでも遊ぶ価値がある

    冒頭で『バルダーズ・ゲート3』を引き合いに出したが、『Esoteric Ebb』もまた「人生が足りない」ゲームだ。

    1周クリアに約20~30時間。50以上のエンディング、無数の分岐、膨大な会話の組み合わせ──すべてを見ようと思えば、確実に数百時間は必要だろう。そして開発者が「高INT(知力)プレイヤーだけが読むに値する不必要な設定資料」と称する開発ブログまで読み始めたら、もう抜け出せない。

    だが、それでいいのだ。本作は「効率よくクリア」するゲームではない。あなた自身の物語を紡ぎ、選択の重みを感じ、ダイスの出目に運命を委ね、そして笑い、驚き、時には後悔する──そんな体験こそが、本作の真の価値なのだから。

    PC Gamerは「2026年3月の時点で断言する。『Esoteric Ebb』は今年最高のRPGだ」と言った。GameSpotは「ビデオゲームストーリーテリングの到達点であり、最も魅力的で笑える没入型RPG体験のひとつ」と評した。そしてプレイヤーたちは「Disco Elysiumの後に何を遊べばいいか分からなかった。今ならはっきり言える。『Esoteric Ebb』を遊べ」と声を揃える。

    もしあなたがTRPG好きなら、Disco Elysiumファンなら、あるいは単に「他では味わえない物語体験」を求めているなら──迷わず本作を手に取ってほしい。

    ダイスを振ろう。ゴブリンの茶店が爆発した謎を解こう。そして、あなただけの物語を紡ごう。ノルヴィクの街が、あなたを待っている。


    基本情報

    開発: Christoffer Bodegård
    販売: Raw Fury
    リリース日: 2026年3月3日
    価格: 2,800円(発売記念10%オフで2,520円 3月15日まで)
    プラットフォーム: PC (Steam)
    プレイ人数: シングルプレイヤー
    言語: 英語(日本語未対応)
    ジャンル: CRPG、ストーリーリッチ、選択重視、アイソメトリック、ダンジョンズ&ドラゴンズ
    Steam評価: 圧倒的に好評 (96% – 295件のレビュー)

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    Steam: https://store.steampowered.com/app/2057760/Esoteric_Ebb/

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  • 『Don’t Starve』のKleiが仕掛ける新境地! 『Rotwood』はローグライトとベルトスクロールが見事に融合したハクスラアクションだ

    『Don’t Starve』のKleiが仕掛ける新境地! 『Rotwood』はローグライトとベルトスクロールが見事に融合したハクスラアクションだ

    「Kleiの新作って、いつもジャンルがバラバラじゃない?」サバイバルホラーの『Don’t Starve』、ステルスアクションの『Mark of the Ninja』、そしてカードRPGの『Griftlands』……確かに統一感はないけど、そのどれもがインディーズゲーム界に強烈な爪痕を残してきた名作ばかり。そんなKlei Entertainmentが満を持して送り出したのが、2026年3月3日に正式リリースされた『Rotwood』だ。

    Castle Crashersの正統進化系!? だけど、それ以上のものがある

    本作を初めて見たとき、多くの人が「あれ? Castle Crashersっぽくない?」と思ったはず。実際、筆者もそう感じた。横スクロールのベルトアクション、最大4人協力プレイ、カラフルなビジュアル……確かに表面的には似ている。でも、プレイしてみると驚くほど違う。

    『Rotwood』が他のベルトスクロールアクションと一線を画しているのは、ローグライトとハック&スラッシュの要素を完璧に融合させている点だ。Castle Crashersでは各キャラクターの技がほぼ同じで、長時間プレイするとどうしてもマンネリ化してしまった。しかし『Rotwood』は違う。ハンマー、スピア、キャノン、ボールという4種類の武器はそれぞれまったく異なる戦闘スタイルを提供し、さらにスキルやパワーアップの組み合わせで、毎回新鮮な体験が味わえる。

    特に注目すべきはキャノンだ。通常の回避ボタンがリロードに置き換わり、強攻撃で後方に吹っ飛びながら敵を攻撃する。つまり、移動手段そのものが戦闘アクションになっているのだ。弾数管理、ポジショニング、タイミング……この武器ひとつで、ゲーム全体の戦い方が劇的に変わる。こんな大胆な武器設計、なかなかお目にかかれない。

    スキルこそがすべて! 運より実力が勝敗を分ける設計

    ローグライト系のゲームでよくある不満が「運ゲーすぎる」という点だ。たまたま強力なアイテムを引けたから勝てた、逆に引けなかったから負けた……そんな展開にウンザリした経験がある人も多いだろう。

    しかし『Rotwood』は違う。公式が明言している通り、「真の達成感はスキル、適応力、正確な実行から生まれる」という哲学が貫かれている。確かにパワーアップはランダムで出現するが、それはあくまでスパイスに過ぎない。各武器の攻撃パターンを習得し、敵の行動を理解し、回避のタイミングを完璧に掴む……そうしたプレイヤー自身の成長こそが、攻略の鍵なのだ。

    実際、ハンマーを使えば特定の攻撃中にジャンプしてダメージを回避できるし、スピアは多段ヒットで手数勝負が可能。ボールは投げて跳ね返ってきたところを再度打ち返す、まるでテニスのような戦い方ができる。こうした武器ごとの個性を理解し、使いこなせるようになった瞬間、本作の本当の面白さが開花する。

    ボス戦の緊張感が尋常じゃない

    各エリアの最後には強力なボスが待ち構えている。こいつらがまた、手強い。攻撃パターンが複雑で、弱点を見極めて武器を使い分けないと突破できない。しかも、リスポーンは拠点に戻されるだけで、装備やスキルはそのまま持ち越せるとはいえ、一度死ぬと再びボスまで辿り着くのが面倒だ。

    でも、だからこそ勝てたときの達成感が凄まじい。ボスを倒すと、次のエリアに進むために必要なユニークな素材が手に入る。この「倒さなければ先に進めない」という明確なゴール設定が、緊張感とモチベーションを高めてくれる。

    そして何より、協力プレイでのボス戦がめちゃくちゃ楽しい。4人で役割分担しながら、「お前は遠距離で削ってくれ! 俺が前衛でヘイトを稼ぐ!」なんてやり取りをしながら巨大なボスに立ち向かう興奮は、ソロでは絶対に味わえない。

    拠点建設で冒険を支える温かみ

    戦闘だけでなく、拠点建設要素も本作の大きな魅力だ。ダンジョンで集めた素材を使って、果樹園や農場、工房を建設し、仲間を雇って拡張していく。これが単なるおまけではなく、しっかりとゲームプレイに組み込まれている。

    拠点で作った装備やアイテムは次の冒険に持っていけるし、素材を効率よく集めるために何度も同じダンジョンに潜る……というメタプログレッションのサイクルが心地よい。戦闘で疲れたら拠点に戻って建設を楽しみ、またダンジョンへ……この緩急のバランスが絶妙だ。

    Klei特有のアートスタイルが光る

    Kleiといえば、独特のコミック調アートスタイルだ。『Rotwood』でもその伝統はしっかり受け継がれており、ケモノキャラクターたちが暴れまわる様子は見ているだけで楽しい。

    特に敵デザインが秀逸で、堕落したRotと呼ばれるクリーチャーたちは、可愛さと不気味さが同居している。一見ポップなのに、どこか邪悪な雰囲気が漂う……この絶妙なバランスがKleiらしい。

    早期アクセスから2年、ついに完成した傑作

    本作は2024年4月にSteam早期アクセスとして登場し、約2年の開発期間を経て2026年3月3日に正式リリースされた。その間、Kleiは丁寧にアップデートを重ね、プレイヤーのフィードバックを反映してきた。

    正式リリース版では、新たなエンディング、最終ボス、そして「Super Frenzy」と呼ばれるエンドゲームコンテンツが追加されている。つまり、クリア後もやり込める要素がたっぷり用意されているのだ。

    Steamでの評価は?

    現在のSteam評価は全体で91%が好評(2,069件のレビュー)、直近30日では63%(57件)とやや下がっているが、これは正式リリース直後の混乱期によくある現象だろう。長期的にはポジティブな評価が安定すると予想される。

    ソロでも楽しい、でも協力プレイが真骨頂

    『Rotwood』はソロでも十分楽しめるが、やはり最大4人協力プレイこそが真骨頂だ。ローカル協力プレイとオンライン協力プレイの両方に対応しており、友達と一緒にワイワイ遊ぶも良し、野良マッチで見知らぬプレイヤーと共闘するも良し。

    特に、難易度が4段階用意されており、上位難易度では協力が必須になってくる。「簡単すぎてつまらない」なんてことはまず起きないので安心してほしい。

    結論:ハクスラ×ベルトスクロール好きなら絶対買い

    『Rotwood』は、ベルトスクロールアクションの爽快感、ハック&スラッシュの中毒性、ローグライトのリプレイ性、そして拠点建設の温かみを見事に融合させた傑作だ。

    Klei Entertainmentというブランドに恥じない、圧倒的なクオリティと独自性。『Don’t Starve』や『Mark of the Ninja』が好きだった人はもちろん、『Castle Crashers』や『Hades』のようなゲームを楽しんだ人にも全力でオススメしたい。

    唯一の欠点は……中毒性が高すぎて時間が溶けることくらいだろうか。筆者も「あと1回だけ……」が何度「あと10回」になったか分からない。


    基本情報

    開発: Klei Entertainment
    販売: Klei Entertainment
    リリース日: 2026年3月3日(正式版)
    価格: ¥3,400(税込)
    プラットフォーム: PC (Steam), Nintendo Switch 2
    プレイ人数: 1-4人(ローカル協力 / オンライン協力)
    言語: 日本語対応(フルローカライズ)
    ジャンル: ハック&スラッシュ、ローグライト、ベルトスクロールアクション、ダンジョンクローラー
    Steam評価: 非常に好評(91% – 2,069件のレビュー)


    購入リンク

    Steam: https://store.steampowered.com/app/2015270/Rotwood/


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    公式サイト: https://www.klei.com/games/rotwood
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    Discord: https://discord.gg/klei
    YouTube:https://www.youtube.com/kleient
    Twitch: https://www.twitch.tv/kleientertainment

  • 「マネージャー解雇システム」が最高すぎる。ハム工場が大混乱の協力ゲーム『HAM: The Game』

    「マネージャー解雇システム」が最高すぎる。ハム工場が大混乱の協力ゲーム『HAM: The Game』

    ハムを運ぶだけ……のはずだった

    「ハム工場の経営シミュレーション」と聞いて、筆者が想像したのは、のんびりと生産ラインを眺めながら効率化を楽しむ癒し系ゲームだった。しかし、『HAM: The Game』は違った。このゲーム、終わってる。良い意味で。

    本作は最大4人でプレイできる協力型の工場管理ゲームで、2026年3月3日にLittle Bird Studiosが開発、Cathedral Studiosから正式リリースされた。Steam Next Festでデモ版が話題を呼び、リリース直後からSteam評価100%を記録している注目作だ。

    プレイヤーたちは絶え間なく流れてくる「HAM注文」を処理するため、工場スタッフまたはマネージャーとして協力する。一見シンプルに思えるこのコンセプトが、プレイしてみると想像を遥かに超えるカオスを生み出すのだ。

    物理演算が生み出す美しき混沌

    本作最大の特徴は、徹底した物理演算システムだ。HAMの缶詰は「物体」として存在し、コンベアベルトから転がり落ちれば床に散乱し、プレイヤーが走れば蹴飛ばし、壁にぶつければバウンドする。

    この物理演算が、ゲームプレイに緊張感と笑いをもたらす。筆者がプレイした初日、仲間が慌てて運んでいたHAMの山を誤って蹴り飛ばし、工場中に缶詰が散乱。その光景はまるでピタゴラスイッチの失敗版のようで、全員が「うわあああああ!」と叫びながら拾い集める羽目になった。

    さらに悪夢的なのが「バナナの皮」だ。工場内のあちこちに落ちているバナナの皮を踏むと、見事に滑って転倒する。HAMを抱えているときに滑れば、当然すべてぶちまける。この仕様のせいで、緊張感のある配送シーンが一瞬にしてコントのような展開になるのだ。

    マネージャーと労働者の微妙な関係

    本作のユニークなシステムが「マネージャー/スタッフ」の役割分担だ。マネージャーは専用オフィスから工場全体を見渡し、コンベアベルトやHAMホッパーを操作する。一方、スタッフは工場フロアで実際にHAMを運び、壊れた機械を修理する。

    この役割分担が絶妙に機能する。マネージャーが的確に指示を出せば効率的に作業が進むが、判断ミスをすれば現場は大混乱。そしてここからが本作の真骨頂で、1日の終わりにスタッフたちはマネージャーを「解雇」できるのだ。

    この民主主義システムが最高におもしろい。無能なマネージャーに苦しめられたスタッフたちが投票で追放し、新たなマネージャーを選出する。筆者のプレイセッションでは、友人が初日でクビになり「俺は悪くない! お前らが遅いんだ!」と弁明する姿が見られた。ゲーム内の人間関係がリアルに影響するこのシステム、やばい(褒め言葉)。

    近接ボイスチャット機能も秀逸で、マネージャーはインターホン越しに指示を出せる。現場の悲鳴がリアルタイムで聞こえる中、オフィスから叫ぶマネージャーの図は、まさに現代の企業風刺そのものだ。

    エスカレートする狂気

    初日は数件の注文を処理するだけで済むが、日を追うごとに難易度は急上昇する。注文数が増え、納期が短くなり、新しい設備が導入され、そして機械が次々と壊れ始める

    コンベアベルトが停止し、HAMホッパーが溢れ、配送トラックは待ってくれない(一部は待ってくれるが)。このプレッシャーの中で、チームは連携を求められる。「セクション3のコンベアが止まった!」「ホッパーが満タンだ!」「トラック出発まで30秒!」といった叫びが飛び交う工場フロアは、まさに戦場だ。

    さらに、各ステージには独自のギミックが用意されている。新しい工場レイアウト、複数のローディングベイ、色分けされた機械など、プレイヤーを飽きさせない工夫が満載だ。

    企業の冷酷さを体験せよ

    本作には「利益/損失」システムも搭載されている。HAMコンテナを無駄にすれば叱責され、日々の利益が減少する。破損品、無駄な製品、非効率な運営——すべてが収益に影響する。

    この経営的視点が、ゲームにもう一層の深みを与えている。スピードを優先するか安全性を取るか、その判断が問われる。筆者のチームは「速度至上主義」を貫いた結果、利益がマイナスに転落し、全員で頭を抱えることになった。

    終わらない地獄、最高の娯楽

    本作の真の恐怖は「注文が止まらない」ことだ。『HAM: The Game』には明確なゴールがない。どこまで耐えられるか、何日間この狂気の生産ラインを維持できるか——それがすべてだ。

    プレスリリースには「HAMが引き起こす大惨事の前に、あなたのキャリアが燃え尽きるまで」という不穏な一文があるが、まさにその通り。このゲームは勝利を目指すものではなく、崩壊するまでの時間を楽しむものなのだ。

    初日は笑いながらプレイしていたが、5日目には全員が無言で機械的にHAMを運んでいた。そして10日目、ついにチームは崩壊し、工場はHAMの海に沈んだ。このやるせなさと達成感が同居する感覚、たまらない。

    Steam評価100%(14件のレビュー)という驚異的な支持率も納得だ。現在は発売記念セールで通常価格920円が20%オフの736円(3月18日まで)となっており、今が買い時だ。

    『HAM: The Game』は、協力ゲームとしての楽しさ、物理演算の面白さ、そして人間関係の試練が見事に融合した作品だ。友人と笑いながらカオスを楽しみたい人、パーティーゲームを探している人、そして職場のストレスを別の形で発散したい人に強くオススメしたい。

    ただし注意してほしい。このゲームをプレイした後、リアルの職場で「マネージャー解雇投票」を実施したくなっても、筆者は一切責任を負わない。

    基本情報

    開発: Little Bird Studios
    販売: Cathedral Studios
    リリース日: 2026年3月3日
    価格: 通常価格920円が20%オフの736円(3月18日まで)
    プラットフォーム: PC (Steam)
    プレイ人数: 1-4人(オンライン協力プレイ対応)
    言語: 英語、ドイツ語、フランス語、スペイン語など8言語対応
    ジャンル: 協力型工場管理、パーティーゲーム、物理演算アクション
    Steam評価: 圧倒的に好評 (100% – 14件のレビュー)

    購入リンク

    Steam: https://store.steampowered.com/app/4019090/HAM_The_Game/

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    公式Discord: https://discord.gg/9QuAcnTYQR

  • 7年越しの続編が爆誕!『Slay the Spire 2』は「完璧な正統進化」だった

    7年越しの続編が爆誕!『Slay the Spire 2』は「完璧な正統進化」だった

    「デッキ構築型ローグライクの続編なんて、どうせ焼き直しでしょ?」しかし、2026年3月6日にSteamで早期アクセスが開始された『Slay the Spire 2』は違った。リリースからわずか24時間で同時接続プレイヤー数が約40万人を突破し、Steam売上ランキング1位を獲得。前作が2017年に記録した193人という初日同時接続数と比較すると、なんと92,982%増という驚異的な数字を叩き出している。

    開発はシアトルを拠点とするインディースタジオMega Crit。Anthony GiovannettiとCasey Yanoの2人が創業したこのスタジオは、前作『Slay the Spire』で「デッキ構築型ローグライク」というジャンルそのものを確立した伝説的な存在だ。続編の開発は慎重に進められ、2024年4月の発表から約2年を経ての早期アクセスリリースとなった。

    「同じ」ことこそが最大の誠実さ

    本作最大の特徴は、良い意味で「前作とほぼ同じ」であることだ。ユニークなデッキを構築し、奇怪な生物と遭遇し、強力なレリック(遺物)を発見しながらスパイアの頂上を目指す——この核となるゲームループは一切変わっていない。戦闘はターン制で、限られたエネルギーを使ってカードをプレイし、敵の行動パターンを読みながら立ち回る緊張感も健在だ。

    「7年も待たせてこれか?」という声も確かに存在する。Steam レビューには「前作の慎重すぎるコピー」「新鮮味がない」といった指摘も散見される。しかし、筆者はあえて言いたい。ローグライクにおける「同じ」とは、必ずしも悪ではない。むしろ、システムの根幹が揺るがないことは、続編としての「誠実さ」の表れなのだ。

    前作で完成されていたゲームデザインに無理な変革を加えず、プレイヤーが本当に求めていた「もっと遊びたい」という欲求に真正面から応えた——これこそが『Slay the Spire 2』の真価である。

    5体のキャラクター、500枚超のカード、275種類のレリック

    プレイアブルキャラクターは全5体。前作から続投するアイアンクラッド(筋肉ゴリラ系近接戦士)、サイレント(毒とドローに特化した暗殺者)、ディフェクト(電気とオーブを操るロボット)に加え、新キャラとしてリージェント(デバフと弱体化のスペシャリスト)とネクロバインダー(死霊術師)が登場する。

    注目すべきは、前作で人気を博したウォッチャーが今作には登場しないこと。これは早期アクセス段階での判断であり、開発チームは今後のアップデートで追加する可能性を示唆している。実際、Mega Critは「1~2年の早期アクセス期間中にコンテンツを追加・調整していく」と明言しており、ウォッチャーのファンは続報を待つことになる。

    カードは500枚以上、レリックは275種類以上と、組み合わせのバリエーションは膨大だ。前作プレイヤーなら懐かしいカードが多数登場する一方、新カードも約30~40%を占めており、「85%が前作と同じ」というレビューは正確ではない。むしろ、既存カードの効果が微調整されているケースが多く、前作の知識が完全に通用しないバランスになっている点が重要だ。

    エンチャント、年代記、そして卵から孵る相棒

    新要素として最も目を引くのが「エンチャント」システムだ。これは、選択したカードに特定の効果を付与する新機能で、ボス撃破後やイベントで獲得できる。たとえば「種まきエンチャント」をアタックカードに付与すれば、そのカードをプレイするたびに追加効果が発動する仕組みだ。

    「年代記(Timeline)」システムも新登場。これは、スパイアの歴史やNPCの背景ストーリーを断片的に解き明かしていくコレクション要素で、何度も挑戦するうちに世界観の全貌が見えてくる仕掛けになっている。前作ではほとんど語られなかった設定が、今作では「実際にコミュニティが形成されている」という描写に変わっており、ストーリー面での進化を感じさせる。

    そして個人的に最も気に入っているのが、「卵イベント」で孵化させられる相棒キャラクターだ。筆者の初回プレイでは、前作で敵として登場していたビャードという鳥型クリーチャーが味方として参戦。戦闘中に隣で「スウープ(急降下攻撃)」してくれるその姿に、思わず「このコのために死ねる」と感じた。相棒キャラは複数種類存在し、それぞれ異なる支援効果を持つため、どの卵を引けるかも運の要素となっている。

    4人協力プレイという革命

    『Slay the Spire 2』最大の新要素は、間違いなく「4人協力プレイ」だ。前作が完全ソロ専用だったのに対し、本作ではフレンドと最大4人でスパイアに挑戦できる。マルチプレイ専用カードやチームシナジーが用意されており、協力してルートを選択し、報酬を共有しながら進む体験は、ソロプレイとは全く異なる魅力を持つ。

    現時点ではマッチメイキング機能はなく、Steamフレンド招待でのみグループが組める仕様だ。ボイスチャット機能も実装されていないため、DiscordやSteamの通話機能を併用する必要がある。ただし、ピング機能(地点指示)やエモート機能は実装予定とのことで、コミュニケーション手段は今後拡充される見込みだ。

    「マルチプレイがこのゲームのハイライト」というレビューも多く、ソロでは味わえない戦略の深さと、フレンドを「沼に引きずり込む」楽しさが評価されている。実際、筆者も初日にフレンドと2人でプレイしたが、「あと1ターン」が「気づけば明け方」に変わる中毒性は健在だった。

    早期アクセスの現実:バグと未完成要素

    ただし、早期アクセス版であることを忘れてはいけない。リリース初日には、すべてのテキストが「W」の文字で埋め尽くされる通称「WWWWバグ」が発生し、一部言語では進行不能に陥った。マルチプレイ終了後にゲームがソフトロック(進行不能状態)する不具合も報告されており、Mega Critは即日ホットフィックスで対応したものの、完全には解消されていない。

    Steamアチーブメントは現時点で無効化されている。これは、今後追加されるコンテンツ量が確定していないためで、正式リリース時に実装予定だ。真のエンディングもまだ存在せず、現在プレイできるのは3つのアクト(章)までとなっている。

    Steam Deckでの動作は「Unknown(不明)」ステータスだが、ユーザーレビューでは「完璧に動作する」「バッテリー持ちも良好」という報告が多数上がっている。Godotエンジンを採用したことで、前作のUnityエンジンよりも軽量化されており、ネイティブLinux対応も実現している。

    「同じ」だからこそ、また沼に堕ちる

    バグや未完成要素を飲み込んでなお、プレイヤーを徹夜へと誘う「中毒性の原液」がここにはある。前作で400時間以上プレイし、全キャラクターで最高難度アセンション20をクリアした筆者ですら、「早くアンインストールしないと人生が終わる」と感じているのだ。

    Steam評価は「圧倒的に好評」(97%ポジティブ、レビュー数2万件超)を記録しており、初日からこれほど高評価を維持している早期アクセスタイトルは極めて珍しい。「前作と同じだけど、それが最高」「デッキ構築型ローグライクの決定版が帰ってきた」「鳥の相棒が可愛いから10/10」といったレビューが並ぶ。

    基本情報

    開発: Mega Crit Games
    販売: Mega Crit Games
    リリース日: 2026年3月5日
    価格: 2,800円
    プラットフォーム: PC(Steam)、macOS、Linux
    プレイ人数: 1~4人(協力プレイ対応)
    言語: 日本語、英語、韓国語、簡体字中国語、繁体字中国語、ロシア語、フランス語、ドイツ語、スペイン語、その他全22言語
    ジャンル: ローグライク、デッキ構築、カードゲーム、ターン制戦略
    Steam評価: 圧倒的に好評(97% – 20,534件のレビュー)

    購入リンク

    Steam: https://store.steampowered.com/app/2868840/Slay_the_Spire_2/

    公式リンク

    公式サイト: https://www.megacrit.com/
    X (Twitter): https://x.com/MegaCrit
    Discord: https://discord.gg/slaythespire
    Reddit: https://www.reddit.com/r/slaythespire/
    TikTok: https://www.tiktok.com/@megacritgames

  • 「刀鍛冶シミュレーター?どうせ10分で飽きるでしょ」――そう思った自分を殴りたくなる魅力たっぷりのストーリー

    「刀鍛冶シミュレーター?どうせ10分で飽きるでしょ」――そう思った自分を殴りたくなる魅力たっぷりのストーリー

     2026年1月22日、Steamで早期アクセスが開始された『Bladesong(ブレイドソング)』。「究極の刀鍛冶ゲーム」という触れ込みに、正直なところ半信半疑だった。スライダーをいじって剣を作る、ただそれだけのゲームに、一体どれほどの深みがあるというのか?

     しかし、筆者は完全に間違っていた。本作は単なる「剣作りゲーム」ではない。刀鍛冶として生きること、その全てを体験させてくれる作品なのだ。気がつけば深夜2時、筆者は依頼人の要求を満たすべく、刃の角度を0.1度単位で調整していた。

    鋼に込められた物語――エレンの砦で生き残れ

     本作の舞台は、人類が滅亡の危機に瀕した終末世界。かつて世界を守護していた「歌」は沈黙し、狂気と絶望が支配する荒廃した大地が広がっている。そんな中、唯一人間らしい営みが残る場所がある。それが「エレンの砦」だ。

     強靭な意志と剛腕を持つ「仮面の王」によって統治されるこの砦は、暴君による恐怖政治と救世主による庇護という、二面性を持つ最後の安息の地。プレイヤーはこの砦に辿り着いた一人の刀鍛冶として、金貨と要求を携えて訪れる客たちのために、命を賭けた刃を鍛え上げていく。

     興味深いのは、前任の鍛冶師が謎の失踪を遂げているという設定だ。依頼をこなし、砦の住民と交流を深めていくうちに、この失踪事件が単なる偶然ではないことが徐々に明らかになっていく。エレンの砦の暗部、仮面の王の真の目的、そして刀鍛冶という職業が持つ重要性――テキストベースのRPG要素が、剣作りというコア体験に深い意味を与えているのだ。

    スライダー調整という名の芸術――自由度の極致

     本作の刀鍛冶システムは、「自由すぎて困る」という表現がぴったりだ。Kingdom Come: Deliveranceの『Legacy of the Forge』DLCや、他の鍛冶ゲームを経験してきた筆者でも、その自由度には驚かされた。

     剣の制作は、まず刀身の成形から始まる。フリーフォームのブレードシェイピングツールを使い、刃の形状を1ミリ単位で調整可能。西洋の両刃剣から東洋の片刃刀、ファンタジー世界の魔剣まで、あらゆるデザインを形にできる。

     刀身が完成したら、今度はモジュラー式の柄の組み立てだ。鍔(ガード)、柄(グリップ)、頭(ポンメル)をそれぞれ150種類以上のパーツから選択し、金属・革・木材・黒曜石・象牙など30種類以上の素材で装飾を施す。

     さらに驚くべきは、本作が物理演算に基づいた「バランス」を重視していることだ。重心位置、慣性モーメント、切れ味、耐久性――すべてが実際の刀剣工学に基づいて計算され、依頼人の要求に応じて微調整が必要になる。「鋭く、かつバランスの取れた片手半剣」という注文を受けたとき、筆者は刃を薄くしすぎて耐久性が落ち、何度も作り直す羽目になった。

     だが、ここに本作の真髄がある。失敗しても素材を無駄にすることはなく、何度でも調整し直せる。ゲームとして楽しめるよう配慮されつつ、リアルな制約も課される――この絶妙なバランスこそが、『Bladesong』を唯一無二の体験にしているのだ。

    刀鍛冶として生きる――昼の仕事、夜の探索

     本作のゲームループはシンプルだ。昼は依頼を受けて剣を鍛え、夜は砦の街を探索する。しかし、このシンプルなサイクルが、驚くほど有機的に結びついている。

     毎朝、プレイヤーには限られた「アクションポイント」が与えられる。各依頼には必要APが設定されており、どの仕事を優先するかの判断が求められる。戦士が急ぎで必要とする実用的な剣か、貴族が求める美しく装飾された儀礼剣か、それとも傭兵が要求する重厚な両手剣か――選択次第で、得られる経験値や報酬、そして砦内での評判が変化していく。

     夜のパートでは、テキストアドベンチャー形式で砦を探索できる。素材商人との取引、派閥との交渉、反乱軍との接触――プレイヤーの選択が物語を分岐させ、翌日に利用できる素材や受けられる依頼にも影響を与える。

     筆者が特に感銘を受けたのは、この二つのパートが決して別々ではないということだ。夜に出会った人物が翌日に依頼人として現れたり、昼に作った剣が夜の事件で使用されたりと、プレイヤーの行動すべてが砦の運命に影響を与えていく。この「生きている世界」の感覚が、没入感を極限まで高めているのだ。

    物理法則が支配する鍛冶場――現実とゲームの狭間で

     本作のレビューでしばしば言及されるのが、「スライダー調整ゲー」という批判的な意見だ。確かに、表面的には刃の幅・厚み・カーブといったパラメータをスライダーで調整するだけに見える。しかし、これは本質を見誤っている。

     『Bladesong』の真の革新性は、その「制約の美学」にある。プレイヤーは完全に自由ではない。依頼人の要求という枠組みの中で、限られた素材とスキルを駆使して、最適解を見つけ出さなければならない。

     例えば、「鋭さ80以上、バランス60〜75、重量1.2kg以下」という要求があったとする。単純に刃を薄くすれば鋭さは上がるが、バランスが崩れる。柄を重くしてバランスを取ろうとすれば、総重量が制限を超える。この「トレードオフのパズル」こそが、本作の核心なのだ。

     レベルが上がるにつれて、カーブドブレード(湾曲刃)、彫刻、複雑なフラー(溝)といった高度な技術が解放される。これらを駆使することで、初期には不可能だった要求も満たせるようになっていく。この成長曲線が実に気持ちいい。

    クリエイティブモードという無限の遊び場

     キャンペーンモードでのストーリー体験も素晴らしいが、『Bladesong』にはもう一つの顔がある。それが「クリエイティブモード」だ。

     このモードでは、一切の制限なしに剣を作れる。全ての素材、全てのパーツ、全ての装飾が最初から利用可能で、プレイヤーは純粋に「自分が理想とする一振り」を追求できる。

     本作のコミュニティでは、「Magic Words」と呼ばれる共有機能が大きな盛り上がりを見せている。完成した剣をコード化して他のプレイヤーと共有できるこのシステムにより、コミュニティチャレンジが定期的に開催され、テーマに沿った作品を投稿し合うイベントが活発に行われているのだ。

     さらに驚くべきは、STLファイルのエクスポート機能だ。ゲーム内で作成した剣を3Dプリンター用のデータとして出力できるため、バーチャルの作品をリアルの装飾品として手元に置くことができる。デジタルとフィジカルの境界を越えたこの機能は、クリエイターにとって夢のような体験と言えるだろう。

    Moon StudioとNinja Theoryの血統――開発背景に見る情熱

     『Bladesong』を開発したのは、ドイツの新興スタジオSUN AND SERPENT creations。2023年に設立されたばかりのこのスタジオだが、そのメンバーには『Ori』シリーズで知られるMoon Studiosと、『Hellblade』で名を馳せたNinja Theoryの元開発者が名を連ねている。

     本作は彼らのデビュータイトルであり、2024年のDevGamm Gdanskでは「Upcoming Game Prize」を受賞。さらにnordmediaから最大72,000ユーロのプロトタイプ資金を獲得するなど、業界からも高い評価を受けている。

     パブリッシャーを務めるMythwrightは、2024年設立の新興パブリッシャーながら、『Thronefall』『Going Medieval』といった話題作を手がける業界ベテランによって運営されている。Steam上での18万件を超えるウィッシュリスト登録、そして早期アクセス開始1ヶ月で127万本もの剣が制作されたという実績が、本作への期待の高さを物語っている。

    Steam評価95%が示す圧倒的支持――なぜプレイヤーは魅了されるのか

     本作のSteam評価は、944件のレビュー中95%が好評という驚異的な数字を叩き出している。特筆すべきは、批判的なレビューですら「クリエイティブモードだけで何十時間も遊べる」「ストーリーがもっと欲しい」といった、いわば「もっと遊びたい」という欲求の表れであることだ。

     海外レビューサイトBig Boss Battleは「Bladesongは鍛造場から出てきたばかりの研ぎ澄まされた作品」と評し、The Punished Backlogは「ファンタジー、歴史、武器、あるいは良質な物語に興味があるなら、これ以上のオススメはない」と絶賛。TheSixthAxisは「ユニークで、思慮深く、そして完全に魅了される体験」と締めくくっている。

     日本でも、AUTOMATONや電撃オンライン、ファミ通などの主要メディアが軒並み取り上げ、「僕が考えた最強の剣が作れる」というキャッチーな見出しで話題を集めた。特に、3Dプリンター出力機能は日本のメディアでも大きく注目されている。

    こんな人にオススメ――刀剣愛好家から物語好きまで

     『Bladesong』は、実に多様なプレイヤー層にアピールする作品だ。

     まず、刀剣や武器に興味がある人にとっては天国だろう。実際の刀剣工学に基づいた物理演算、歴史的に正確なデザイン、そして無限のカスタマイズ性――刀剣マニアが求める全てがここにある。

     クリエイター気質の人にも強くオススメしたい。クリエイティブモードでの制作、コミュニティでの作品共有、3Dプリント出力――「自分だけの作品を作り、世界に発信する」という体験は、他では得られない満足感をもたらすだろう。

     物語重視のプレイヤーにとっても、エレンの砦を巡る陰謀、派閥間の政治闘争、そして選択によって変化する結末は十分に魅力的だ。テキストベースのRPG『Disco Elysium』や『Citizen Sleeper』が好きな人なら、本作のナラティブにも夢中になるはずだ。

     そして、Kingdom Come: Deliveranceのような「職人シミュレーター」が好きな人。本作は剣を作るだけでなく、刀鍛冶として生きる体験を提供してくれる。依頼をこなし、素材を集め、技術を磨き、評判を高めていく――このライフシミュレーション的な側面が、驚くほど中毒性が高いのだ。

    唯一無二の鍛冶体験――刀鍛冶という生き方

     『Bladesong』は、単なる「剣作りゲーム」ではない。これは刀鍛冶として生きること、その喜びと苦悩、創造の興奮と依頼達成の達成感、そして終末世界で技術によって人々を支えるという使命感を体験させてくれる作品だ。

     スライダーを0.1度調整する。素材を吟味する。依頼人の真意を読み取る。夜の街で情報を集める。そして完成した一振りを手渡す――この一連の流れが、驚くほど「生きている」のだ。

     Steam評価95%という数字は、決して偶然ではない。本作は刀剣、クラフティング、物語、そして選択の全てを高次元で融合させた、真に「究極の刀鍛冶ゲーム」なのだから。

     エレンの砦はあなたを待っている。鋼を叩く音が、今日も鳴り響く。


    基本情報

    開発: SUN AND SERPENT creations
    販売: Mythwright
    リリース日: 2026年1月22日(早期アクセス)
    価格: ¥2,300(通常版)
    プラットフォーム: PC(Steam / Epic Games Store)、PlayStation 5(予定)、Xbox Series X|S(予定)
    プレイ人数: 1人
    言語: 日本語、英語、ドイツ語、ポーランド語、簡体字中国語
    ジャンル: 刀鍛冶シミュレーター、テキストベースRPG
    Steam評価: 圧倒的に好評(95% – 944件のレビュー)


    購入リンク

    Steam: https://store.steampowered.com/app/2305640/Bladesong/
    Epic Games Store: https://store.epicgames.com/ja/p/bladesong-441f44


    公式リンク

    公式サイト: https://mythwright.com/games/bladesong
    X (Twitter):https://x.com/bladesonggame
    Discord: https://discord.gg/SM2jyxt7qM
    Reddit:https://www.reddit.com/r/bladesong/

  • ヒゲを蓄えし戦士たちの軍団、戦場を駆ける!オーストリアの個人開発者が生んだ「時間が溶ける」オートバトラー『ドワーフオートバトル』

    ヒゲを蓄えし戦士たちの軍団、戦場を駆ける!オーストリアの個人開発者が生んだ「時間が溶ける」オートバトラー『ドワーフオートバトル』

    「オートバトルなんてスマホゲーと一緒でしょ?」しかし、『ドワーフオートバトル』は違った。4年の歳月をかけて丹精込められたこの作品は、一見シンプルなゲームデザインの奥に、数百時間遊べる底なしの戦略性とビルドの多様性を隠し持っていた。

    オーストリアの個人開発者Ichbinhamma氏が手がけた本作は、2023年8月の早期アクセス開始から約2年半を経て、2026年1月22日にSteam、iOS、Android、Nintendo Switchで正式リリースを迎えた。Steam版のユーザーレビューは1,762件中82%が好評という「非常に好評」ステータスを獲得。レビューには「気づいたら時間が溶けている」「数百時間プレイしている」という声が散見される、まさに中毒性のあるタイトルだ。

    3人のドワーフから始まる、果てしなき戦いの旅

    本作のゲームループは実にシンプルだ。プレイヤーは新米指揮官として、貧弱な装備しか持たない3人のドワーフと出会う。彼らを装備で強化し、新たな戦士を雇い入れ、次々と押し寄せるオークの軍団を倒していく。戦闘が終わるたびに3つの選択肢が提示され、次の行動を選ぶ。モンスターと戦ってレベルアップするか、装備を購入するか、新たな戦士を雇用するか──。

    だが、このシンプルさこそが罠だった。戦闘はオートで進行するため、プレイヤーがすべきことは戦う前の準備だ。10人までのドワーフ軍団をどう編成するか、誰にどの装備を与えるか、どのフォーメーションを採用するか。この事前準備の段階で、プレイヤーは無限に近い選択肢と向き合うことになる。 <image>

    本作の最大の特徴は「装備がすべてを決める」という点だ。ドワーフたちは与えられた装備によって、タンクにも魔法使いにもアサシンにもなる。固定された職業はなく、プレイヤーの判断次第でどんな役割も演じられる。序盤は質素な装備で苦戦を強いられるが、戦場から集めたゴールドと経験値で徐々に軍団を強化していく。鍛造システムでアイテムを合成し、倉庫システムで装備を管理し、スキルツリーで能力を解放していく。この積み重ねが、やがて数百体のオークを蹂躙する圧倒的な軍団を生み出す。

    装備シナジーこそがすべて!

    正式版では、早期アクセス版から大幅な再構築が施された。開発者のIchbinhamma氏は「職業の役割+装備シナジー+バースト感」を軸に据え、どの流派でも完成時に明確な個性と爽快感を発揮できるよう調整したという。

    装備は6段階のレアリティ(ノーマル、グッド、レア、エピック、レジェンダリー、ミシック)に分かれており、全24種類のセット装備が用意されている。セット装備を揃えれば特殊ボーナスが発動し、軍団の戦闘力が飛躍的に向上する。さらに、バイオームごとに装備のステータスが変化するため、敵の編成や戦場の環境に応じて装備を使い分ける戦略性が求められる。

    フォーメーションも重要な要素だ。ベルセルカーフォーメーションで近接職を強化するか、レンジャーフォーメーションで遠距離攻撃を重視するか、ファランクスフォーメーションで全員の速度を統一するか。最大2つのフォーメーションを同時に発動でき、バフの重ねがけによる爆発的な火力や防御力を実現できる。

    プレイヤーたちの間では「ウォープリーストが最強」「いやビーストマスターこそトップDPS」「ファイアメイジが最高」と論争が絶えない。だが、それこそが本作の魅力だ。どのクラスも装備と編成次第で圧倒的な強さを発揮できる。無限のビルドの可能性が、プレイヤーを飽きさせない。

    個人開発者の4年間が生んだ奇跡

    本作を手がけたIchbinhamma氏は、オーストリア在住のフルタイムインディーゲーム開発者だ。ドワーフとカカポ(絶滅危惧種の鳥)をテーマにしたゲームを制作しており、本作は彼の最新プロジェクトである。

    開発期間は4年に及び、早期アクセス開始からわずか1ヶ月で35,000本を売り上げるという快挙を成し遂げた。その成功の秘訣は、Redditでの早期公開と配信者たちの支援だった。開発開始から4ヶ月後にWebプレイ可能版を公開し、プレイヤーからのフィードバックを積極的に取り入れた。SplatterCatをはじめとする配信者たちが本作を見つけ、「これは脳に何かをしている。続けたくなる」と評価。その「あともう1ターン」という感覚が、多くのプレイヤーを虜にした。

    Ichbinhamma氏は「UI全体の刷新と、元々1つだったカードデッキを3つに分割したこと」が大きな改善だったと語る。プレイヤーからの細かなQoL改善の指摘を実装することで、ゲームの質が劇的に向上したという。開発者としては気づきにくい小さな変更が、プレイ体験を大きく向上させることを実感したそうだ。

    永遠の戦いへ──エンドコンテンツの深淵

    本作の真の魅力は、エンドコンテンツにある。ルーンサークルと呼ばれる永続的なスキルツリーで、ジェムとルーンポイントを消費して基礎ステータスやアルティメットスキルを強化できる。このシステムがあるため、何度敗北しても次のランが確実に強くなっていく。

    しかし、プレイヤーたちが指摘する問題もある。「ジェム集めが長すぎる」「ルーンサークルが高額すぎる」「すべてを解放するには70時間でも足りない」。目標のビルドを完成させるまでに、数十時間の周回が必要になることもある。だが、逆に言えばそれだけ長く遊べるコンテンツが詰まっているということだ。

    正式版では最終ボス「フォージデーモン」が追加され、エターナルバトルモードでは無限に続く戦いに挑戦できる。リーダーボードには6,000ウェーブ以上到達したプレイヤーも存在し、コミュニティでは「10人プリーストビルド」「カカポスタッフ9本+ジン1本」といった極限ビルドが共有されている。

    敵もウェーブが進むにつれて凶悪になっていく。サンダースタッフを持ったオークが後衛を瞬殺し、ハンマーオークがドワーフを吹き飛ばし、毒ダメージで勝利後も戦士が倒れる。ひとつの判断ミスが軍団の壊滅につながる緊張感が、プレイヤーを画面に釘付けにする。

    誰でも楽しめる、でも極めるのは一生かかる

    本作の難易度設定は幅広い。イージーモードでゆっくり学びながら進めるもよし、ハードモードで歯ごたえのある挑戦を楽しむもよし、デスモードで極限の緊張感を味わうもよし。コントローラーとSteam Deckにも対応しているため、どこでも気軽にドワーフ軍団を率いることができる。

    一方で、極めようとすればするほど奥深さが見えてくる。装備のステータスロール、フォーメーションの組み合わせ、敵の行動パターンの学習、ビルドの最適化。シンプルな見た目に反して、本作は驚くほど戦略的なゲームだ。

    Steamのレビューには「70時間プレイしてもまだ全部解放できていない」「数百時間遊んでいる」という声が並ぶ。まさに「時間が溶ける」という表現がぴったりのゲームだ。仕事の合間の息抜きに、と思って起動したら、気づけば数時間が経過している。そんな中毒性が本作にはある。

    ヒゲを蓄え、斧を掲げ、栄光のために!

    『ドワーフオートバトル』は、一見するとシンプルなオートバトラーに見える。だが、その奥には無限のビルドの可能性と、数百時間遊べる深いゲームプレイが隠されている。個人開発者が4年をかけて磨き上げた本作は、ローグライクRPGとオートバトルの融合という新しい体験を提供してくれる。

    装備を整え、軍団を編成し、オークの大軍を蹂躙する。この単純な繰り返しが、なぜこれほど楽しいのか。それは、すべての選択に意味があり、すべての戦いに学びがあり、すべての敗北が次の勝利への糧となるからだ。

    モバイル版とNintendo Switch版も配信されているため、どこでもドワーフ軍団を率いることができる。「あともう1ターン」の誘惑に負けて、数百時間を捧げる覚悟があるなら、ぜひこの戦場に足を踏み入れてみてほしい。

    ヒゲを蓄え、斧を掲げ、栄光と死と戦利品を求めて──。Rock and Stone!

    基本情報

    開発: Hamma Studios (Ichbinhamma)

    販売: Sidekick Publishing, Gamersky Games

    リリース日: 2026年1月22日(正式版)

    早期アクセス開始日: 2023年8月16日

    価格: 1,700円(通常価格)

    プラットフォーム: PC (Steam), iOS, Android, Nintendo Switch

    プレイ人数: 1人

    言語: 日本語対応(全22言語対応)

    ジャンル: オートバトラー, ローグライク, RPG, ストラテジー Steam評価: 非常に好評 (82% – 1,762件のレビュー)

    購入リンク

    Steam: https://store.steampowered.com/app/2205850/_/

    公式リンク

    公式サイト: https://dwarves.ateo.ch

    X (Twitter): https://x.com/KakapoCalypse

    Discord:https://discord.com/invite/kwYUam5zfn

    YouTube: https://www.youtube.com/@ichbinhamma