カテゴリー: アドベンチャー

  • 架空言語を解読して薬を処方!『トルービズの秘薬師』は”読めるようになる”快感がクセになる短編パズルゲーム

    架空言語を解読して薬を処方!『トルービズの秘薬師』は”読めるようになる”快感がクセになる短編パズルゲーム

    『トルービズの秘薬師』、予想を遥かに超える中毒性だった。わけのわからない記号が次第に意味を持ち始め、気がつけば「あ、これはこういう意味だ!」と理解できる瞬間の快感。この”読めるようになる”体験が、とんでもなく気持ちいい。本記事では、筆者のプレイ体験を赤裸々に共有したい。語らせてくれ。

    架空古代語の解読という唯一無二のパズル体験

    本作の舞台は、トルービズ地方の薬局。プレイヤーは薬師として3日間(Steam版では10日間に拡張)の勤務を命じられる。しかしこの薬局、厄介なことに古代薬師釜を使用しており、そのマニュアルがすべて架空の古代語で書かれているのだ。

    ゲームを始めると、まず目に飛び込んでくるのは意味不明な記号の羅列。これが薬の調合方法や効能を示しているらしいのだが、当然ながら最初は何一つ理解できない。しかし、ここからが本作の真骨頂だ。

    患者が訪れ、症状を訴える。マニュアルを見ながら、記号のパターンから「もしかしてこの薬かな?」と推測して調合し、処方してみる。すると患者の反応から、その薬の効能が明らかになる。時には症状が改善し、時には悪化することもある。この試行錯誤を繰り返すことで、少しずつ古代語の意味が見えてくるのだ。

    最初は「△」が何を意味するのかすらわからなかった。しかし、数回の処方を経て「あ、これは『頭痛』を表す記号だ!」と気づく瞬間——この達成感がたまらない。まるで暗号を解読している気分で、パズルゲーム好きなら間違いなく夢中になれる要素だ。

    失敗も楽しい。周回プレイで完璧な治療を目指せ

    本作の素晴らしい点は、失敗してもペナルティがほとんどないこと。間違った薬を処方して患者の症状を悪化させてしまっても、ゲームオーバーにはならない。むしろ、その失敗から新たな情報を得られるため、「失敗も学びの一部」という設計になっているのだ。

    そして10日間の勤務が終わると、エンディングを迎える。しかし、ここで終わりではない。本作には複数のエンディングが用意されており、治療の成否や選択によって結末が分岐する。完璧な治療を目指すもよし、あえて処方ミスを重ねて別のエンディングを見るもよし。リプレイ性が高く、何度も遊びたくなる作りになっている。

    筆者は最初のプレイで患者の半数ほどしか正しく治療できず、「うーん、もっとちゃんと理解したい!」と思わず2周目に突入してしまった。そして2周目では、1周目で得た知識を活かして大半の患者を治療できた。この”成長実感”がまた気持ちいいのだ。

    短編だからこそ、完成度が高い

    本作のプレイ時間は、1周あたり1〜2時間程度。短編ゲームとしては十分なボリュームだが、「もっと遊びたい!」と思わせる絶妙な長さでもある。

    開発者のkinjo氏は、過去に四則演算パズルゲーム『Electrogical』をリリースしており、パズルデザインの巧みさには定評がある。本作『トルービズの秘薬師』も、元々は2022年のUnity1週間ゲームジャムで公開された作品だが、Steam版ではグラフィック担当のむじ氏による可愛らしいドット絵が全面的に刷新され、勤務期間も3日間から10日間に拡張されている。

    そしてなにより、価格が非常にリーズナブル。定価470円で、セール時には20%オフの376円で購入できる。この価格でこのクオリティの言語解読パズルが楽しめるのは、正直破格だと思う。

    Steamレビューは驚異の97%が好評

    本作のSteam評価は、記事執筆時点で「非常に好評」を獲得している。108件のレビューのうち、なんと97%が好評という驚異的な数字だ。

    レビューを見てみると、「シンプルだけど奥深い」「短時間でクリアできるけどリプレイ性が高い」「言語解読の快感がたまらない」といった声が多い。また、『Chants of Sennaar』や『Heaven’s Vault』といった言語解読ゲームの名作と比較しながら、「コンパクトにまとまっていて手軽に楽しめる」という評価も目立つ。

    個人的に印象的だったのは、「ゲームジャム版から追いかけていて、製品版をプレイできて嬉しい」というレビューだ。開発者のkinjo氏はX(旧Twitter)で開発状況を積極的に発信しており、ファンとのコミュニケーションも大切にしている。こうした姿勢が、高評価につながっているのだろう。

    こんな人にオススメ

    『トルービズの秘薬師』は、以下のような人に特にオススメしたい。

    • パズルゲームが好きな人:言語解読という独特のパズル要素が楽しめる
    • 短時間でサクッと遊びたい人:1周1〜2時間で完結するので、気軽にプレイできる
    • リプレイ性を求める人:複数エンディングと周回プレイ前提の設計
    • 言語や暗号解読に興味がある人:『Chants of Sennaar』や『Heaven’s Vault』が好きならハマる
    • ドット絵が好きな人:むじ氏による可愛らしいグラフィックが魅力的

    逆に、長時間じっくり遊べるゲームを求めている人には物足りないかもしれない。しかし、この”コンパクトさ”こそが本作の強みであり、「ちょっとした時間に遊べる良質なパズルゲーム」として非常に優れている。

    基本情報

    ゲーム名: トルービズの秘薬師(The Apothecary of Trubiz)
    開発: kinjo、Image Labo
    販売: kinjo
    配信日: 2025年11月6日
    プラットフォーム: Steam(Windows)
    価格: 470円(税込)※セール時376円
    プレイ時間: 1〜2時間(1周)
    ジャンル: パズル、言語解読、カジュアル
    対応言語: 日本語、英語、簡体字中国語
    Steam評価: 非常に好評(97%、108件)

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  • 涙腺崩壊確定。天国を駆けるコーギーが飼い主を迎えに行く感動作『マイリトルパピー』

    涙腺崩壊確定。天国を駆けるコーギーが飼い主を迎えに行く感動作『マイリトルパピー』

    このゲーム、反則すぎる……

    Steamのストアページで初めて『マイリトルパピー』を見たとき、正直言って「これは……やばいやつだ」と直感した。「人が死ぬと、先にあの世に旅立った犬が迎えに来る」という伝承をベースにしたゲーム。しかも主人公はウェルシュ・コーギーのボング……。

    もうこの時点で涙腺が緩み始めていた。そして実際にプレイしてみると、想像の500倍「やばい」ゲームだった。ハンカチどころかバスタオルが必要なレベルだ。

    体験版をプレイして号泣した

    本作を開発したのはKRAFTON傘下のクリエイティブスタジオ・Dreamotion Inc.。2025年11月7日にSteam版が正式リリースされ、すでにSteamレビューでは98%という「圧倒的に好評」の評価を獲得している。

    ゲームは2~3時間でクリアできるボリュームながら、その間にプレイヤーの感情を揺さぶり続ける。筆者も体験版の時点ですでに涙が止まらなくなり、製品版では開始30分で号泣、エンディングでは声を出して泣いてしまった。

    「感動的なゲーム」は数あれど、ここまで容赦なく涙腺を破壊してくるゲームは久しぶりだ。

    ボングの旅は、すべての犬好きへのラブレター

    物語の主人公は、犬の天国で暮らすウェルシュ・コーギーのボング。彼はかつて保護施設で暮らす8歳の高齢犬だった。断尾された尻尾から、かつては誰かに飼われていたことがわかる。しかし何らかの理由で捨てられ、持病もあって新しい家族を見つけるのは困難だった。

    ある日、奇跡が起こる。少しぼさぼさで不器用そうな男性が、ボングを引き取りに来た。その人の匂いを嗅いだ瞬間、ボングは「この人だ」と確信する。それが「パパ」との運命的な出会いだった。

    そして時は流れ、ボングは天国で他の犬たちと幸せに暮らしている。ある日昼寝から目覚めたボングは、懐かしいパパの匂いを感じ取る。パパがこちら側の世界に来ようとしている──!

    ボングは天国を飛び出し、パパを迎えに行く旅に出る。砂漠、雪山、海辺……死後の世界のさまざまな場所を駆け抜けながら、ボングはパパの匂いを追いかける。

    道中では、同じように飼い主を待つ犬たちや、まだ心の整理がつかない人間の魂たちと出会う。彼らにはそれぞれの物語があり、ボングは小さな身体で彼らの悩みを解決していく。

    犬視点だからこそ、心に刺さる

    本作の素晴らしい点は、徹底的に「犬視点」で描かれていることだ。ボングは人間の言葉を話せない。できることは吠える、匂いを嗅ぐ、走る、ジャンプする……犬としての限られた行動だけ。

    しかし、だからこそ伝わってくるものがある。ボングが一生懸命に匂いを追いかける姿、困っている誰かを助けようと必死に走る姿。それは飼い主なら誰もが見たことのある、愛犬の純粋な優しさそのものなのだ。

    ゲームプレイとしては、3Dプラットフォーマーの要素を中心に、パズル解き、ちょっとしたアクション、レースシーン、さらには格闘ゲーム風のミニゲームまで多彩なジャンルが織り交ぜられている。

    特に印象的なのは、ボングが匂いの痕跡を辿っていくシーン。パパの匂いが濃くなるほど、画面が温かい色に染まっていく演出が美しい。「もうすぐ会える」という期待感と、「本当に会えるのか」という不安が入り混じり、胸が締め付けられる。

    多様なゲームプレイで飽きさせない工夫

    本作のゲームデザインは非常によく練られている。基本的には探索とパズル解きが中心だが、突然レーシングゲームになったり、リズムゲーム要素が入ってきたり、ボス戦で格闘ゲーム風のバトルが始まったりと、プレイヤーを飽きさせない工夫が随所に施されている。

    操作も直感的で、キーボード&マウスでもゲームパッドでも快適にプレイできる。筆者はXboxコントローラーでプレイしたが、ボングの動きは非常に滑らかで、コーギー特有のちょこちょこ走る姿がめちゃくちゃかわいい。

    ビジュアルは温かみのあるスタイライズされた3Dグラフィック。カラフルで美しい世界は、悲しいストーリーとは対照的に、どこか希望に満ちている。そして音楽……音楽がまた素晴らしい。穏やかで優しいメロディが、ボングの旅を温かく包み込む。

    この音楽を聴きながらエンディングを迎えたとき、筆者は完全に感情のダムが決壊した。

    すべての犬好きに捧げる必携の一作

    『マイリトルパピー』は、犬を愛するすべての人にプレイしてほしいゲームだ。現在愛犬と暮らしている人、かつて愛犬を見送った人、これから犬を飼おうと思っている人……すべての人の心に響く物語がここにある。

    プレイ中、筆者は何度も自分の愛犬のことを思い出した。今は元気に走り回っている愛犬も、いつかは虹の橋を渡る日が来る。そのとき、彼らは本当にこうして私たちを迎えに来てくれるのだろうか……。

    このゲームが教えてくれるのは、愛は決して死によって断ち切られないということ。たとえ時間が離れていても、空間が隔てられていても、運命的に結ばれた者同士は必ず再会できるということ。

    エンディングを迎えたあと、筆者はすぐに愛犬を抱きしめに行った。今この瞬間、一緒にいられることの奇跡を噛み締めながら。

    ちなみに本作は現在Steamで20%オフの発売記念セール中(11月18日まで)。日本語を含む15言語に対応しており、将来的にはコンソール版のリリースも予定されているとのこと。

    プレイする際は、必ずティッシュかハンカチを用意してほしい。そして、できれば愛犬の写真を近くに置いておくことをおすすめする。きっと、改めて彼らへの愛おしさが溢れてくるはずだから。

    『マイリトルパピー』は、2~3時間という短い時間で、人生で最も大切なことを思い出させてくれるゲームだ。犬との絆、別れの悲しみ、そして再会の喜び──。すべてがここに詰まっている。

    基本情報

    タイトル: マイリトルパピー (My Little Puppy)
    開発: Dreamotion Inc.
    パブリッシャー: Dreamotion Inc., KRAFTON, Inc.
    プラットフォーム: Steam(将来的にコンソール版も予定)
    リリース日: 2025年11月7日
    プレイ時間: 2~3時間(やり込み要素含めると4~7時間)
    難易度: 初心者向け
    Steam評価: 圧倒的に好評 (98%)
    価格: 2,900円(発売記念セール20%オフで2,320円11月18日まで)
    日本語対応: あり(15言語対応)
    実績: 21個のSteam実績

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  • 元Telltaleの本気が炸裂!選択が本当に意味を持つスーパーヒーロー職場コメディ『Dispatch』、豪華声優陣とアニメ級の映像美で2025年のGOTY候補に名乗りを上げる

    元Telltaleの本気が炸裂!選択が本当に意味を持つスーパーヒーロー職場コメディ『Dispatch』、豪華声優陣とアニメ級の映像美で2025年のGOTY候補に名乗りを上げる

    クオリティ、高すぎるぞ…?

    「選択が重要」と謳うゲームは世の中にあふれている。しかし、実際にプレイしてみると「結局同じ展開に収束するんじゃん」とガッカリした経験は誰にでもあるはずだ。『The Walking Dead』や『The Wolf Among Us』といったTelltale Gamesの黄金期を知るゲーマーなら、なおさらその幻滅は大きかったに違いない。

    そんな失われた黄金時代を取り戻すべく、元Telltale開発陣が立ち上げたAdHoc Studioが放つ最新作──それが『Dispatch』だ。2025年10月22日にPC(Steam)とPS5で第1・2エピソードが配信開始されると、Steamでは90%という驚異的な高評価を叩き出し、デモ版に至っては98%の圧倒的好評を獲得。ピーク時の同時接続プレイヤー数は1万2000人を突破し、各メディアから「今年のGOTY候補」との呼び声も高い。

    筆者も発売日からプレイしているが……正直、期待値を大幅に超えてきた。これは単なる「Telltale風ゲーム」ではない。Telltaleの遺伝子を受け継ぎながら、それを超えた新世代の物語体験がここにある。

    スーパーヒーロー×職場ドラマという絶妙な化学反応

    『Dispatch』の舞台は、スーパーヒーローが実在する現代ロサンゼルス。主人公のロバート・ロバートソン(通称メカマン)は、かつては高性能メカスーツで活躍していた三代目スーパーヒーローだ。しかし宿敵シュラウドとの戦いでスーツが大破し、修理費用に全財産を注ぎ込んだ末に破産。ヒーロー活動から引退を余儀なくされる。

    そんな彼に舞い込んだのが、スーパーヒーロー派遣会社「SDN(Superhero Dispatch Network)」でのディスパッチャー(派遣担当者)という仕事だ。しかも担当するのは、元ヴィラン(悪役)たちで構成された更生プログラム「フェニックス・プログラム」のZチーム。彼らを街中の緊急事態に派遣し、ヒーローとして社会復帰させるのがロバートのミッションとなる。

    この設定が絶妙なのは、ヒーローの「裏方」に焦点を当てている点だ。派手な戦闘シーンや世界を救う壮大な物語ではなく、オフィスの人間関係、予算の都合、元ヴィランたちの抱える過去や葛藤といった、極めて人間臭いドラマが展開される。

    『The Boys』のようなシニカルなヒーロー観と、『Life is Strange』のような選択重視のゲームプレイ、そして『The Office』のような職場コメディの要素が見事に融合しているのだ。公式も「職場コメディ」と銘打っているが、実際プレイすると休憩室での何気ない会話から重要な決断まで、すべてがシームレスに物語を動かしていく。

    「選択が重要」を本気で実現した物語設計

    『Dispatch』最大の特徴は、選択が本当に意味を持つという点だ。かつてTelltaleゲームスでお馴染みだった「○○は覚えているだろう」というメッセージは今作にも健在だが、その重みがまるで違う。

    たとえば第2エピソードでは、Zチームから1人をクビにしなければならない決断を迫られる。プレイヤーは限られた時間内に各メンバーを緊急事態に派遣し、その成績をもとに判断を下す。しかしメンバーたちは互いに足を引っ張り合い、ポイントを稼ごうと必死だ。そんな中、能力は低いが必死に努力するInvisigal(元Invisibitch)をどう扱うか──この選択ひとつで、その後の展開が大きく変わる。

    開発陣は「プレイヤーが何気なく発した一言でさえ、物語に影響を与える」と語っているが、これは誇張ではない。実際、友人とプレイ後に話してみると、同じエピソードでも全く異なる展開を経験していることに驚いた。あるシーンで登場したキャラクターが、別のプレイヤーの物語には一切出てこない。ある選択肢を選ぶと、まるごとイベントが変わる。

    この分岐の多様さは、全8エピソードで膨大なリプレイ性を生み出している。筆者はすでに第1・2エピソードを3周プレイしたが、毎回新しい発見があり、「あのとき別の選択をしていたら……」という後悔と好奇心が尽きない。

    Telltaleを超えた、アニメ級の映像クオリティ

    もうひとつ、『Dispatch』を語る上で外せないのが圧倒的な映像美だ。Telltaleゲームスの作品は素晴らしいストーリーテリングで知られていたが、正直アニメーションは「まあまあ」というレベルだった。しかし『Dispatch』は違う。

    キャラクターの表情、仕草、カメラワーク、すべてが劇場アニメ級のクオリティで描かれている。Invisigalが自信なさげに視線を逸らす瞬間、Blonde Blazerが意味深な笑みを浮かべる表情、ロバートが過去を思い出して一瞬だけ目を伏せる演出──細部まで作り込まれた映像が、物語への没入感を極限まで高めている。

    実際、プレイしているというより「インタラクティブなアニメシリーズを観ている」感覚に近い。各エピソードは約50分で構成されており、まさにTVアニメの1話分。毎週火曜日に新エピソードが2話ずつ配信されるという形式も、この「アニメ体験」を強化している。

    開発チームは「プレイできるTV番組を作りたかった」と語っているが、まさにその理想を実現している。しかもただ「観る」だけでなく、自分の選択で物語が変わるのだから、従来のアニメでは味わえない特別な体験が得られるのだ。

    声優陣の豪華さが半端ない

    『Dispatch』のもうひとつの魅力が、圧倒的な豪華声優陣だ。主人公ロバート役には『ブレイキング・バッド』のアーロン・ポール、Blonde Blazer役にはエリン・イヴェット、Invisigal役には『The Last of Us Part II』のローラ・ベイリー、そして敵役Shroud役には『THE BATMAN』のジェフリー・ライトと、そうそうたる面々が名を連ねる。

    さらにはMatthew Mercer、Travis Willingham、jacksepticeye、MoistCr1TiKaL、Alanah Pearce、Joel Haverといった、ゲーム業界やストリーマー界隈で知られる人物も多数参加しており、ファンにはたまらないキャスティングとなっている。

    そしてこの声優陣の演技が、本当に素晴らしい。アーロン・ポールが演じるロバートは、落ちぶれた元ヒーローの疲弊感と、それでも諦めきれない情熱が滲み出ている。ローラ・ベイリーのInvisigalは皮肉屋だが脆さも感じさせ、エリン・イヴェットのBlonde Blazerは自信に満ちた外見の裏に隠された不安が垣間見える。

    こうした繊細な演技が、既述の映像クオリティと相まって、キャラクターたちが本当に生きているかのような錯覚を覚えさせる。声だけで感情が伝わってくる──それほどまでに、声優陣の仕事は見事だ。

    派遣マネジメントが意外と奥深い

    『Dispatch』のゲームプレイは大きく2つに分かれる。ひとつは会話シーンでの選択肢、そしてもうひとつがスーパーヒーローの派遣マネジメントだ。

    ゲーム中、ロサンゼルスの街を見下ろすマップ画面に切り替わり、街中で発生する緊急事態に対してZチームのメンバーを派遣する。各メンバーには力、敏捷性、知性、カリスマといったステータスがあり、事件の内容に応じて適切なメンバーを選ぶ必要がある。

    たとえば「木に登って動けなくなった猫を救出」なら敏捷性の高いメンバー、「暴れている酔っぱらいを説得」ならカリスマの高いメンバーが適任だ。しかしメンバーにはクールダウンタイムがあり、連続で派遣することはできない。さらに複数の事件が同時多発することもあり、どのメンバーをどの事件に割り当てるかという戦略的な判断が求められる。

    正直、最初は「これって単なるミニゲームでしょ?」と思っていた。しかし実際にプレイすると、この派遣マネジメントが物語と密接に結びついていることに気づく。失敗した任務はキャラクターとの関係に影響し、適切な派遣を続けることで信頼を得られる。誰をどの任務に送るか──その選択ひとつで、物語の展開が変わるのだ。

    また、任務中には通信を通じてリアルタイムでアドバイスを送る場面もあり、ここでも選択肢が登場する。「冷静に対処しろ」と伝えるか、「思い切って攻めろ」と背中を押すか──こうした些細な判断の積み重ねが、キャラクターとの絆を深めていく。

    加えて、ハッキングミニゲームも登場する。3D迷路を時間制限内に進みながら、同時に無線で流れる緊急事態の報告を聞くというマルチタスク的な緊張感があり、これがゲームにアクセントを加えている。

    エピソード配信形式の功罪

    『Dispatch』は全8エピソードで構成されており、第1・2エピソードが10月22日に配信された後、毎週火曜日に2エピソードずつ追加され、11月12日に完結する予定だ。

    このエピソード配信形式には賛否両論ある。かつてTelltaleゲームスもこの形式を採用していたが、エピソード間の待機時間が長すぎて熱が冷めてしまう問題があった。しかし『Dispatch』は週次配信という短いスパンを採用しており、しかも1回に2エピソードずつリリースされるため、熱を保ったまま物語を追える。

    実際、筆者も火曜日が待ち遠しくて仕方ない。「次はどうなるんだろう」「あの選択の結果はどう影響するのか」──こうしたワクワク感は、完全版を一気にプレイするのとは異なる特別な体験だ。まるで毎週放送されるTVシリーズを追いかけている感覚で、友人やコミュニティと「今週のエピソードどうだった?」と語り合う楽しみもある。

    ただし、短いスパンでの配信ゆえに、1エピソードあたりのプレイ時間は40〜50分程度。ボリュームを求めるプレイヤーには物足りなく感じるかもしれない。しかし全8エピソードで計6〜7時間のプレイ時間となり、しかもリプレイ性が非常に高いことを考えれば、十分なコンテンツ量と言えるだろう。

    Steam Deckでも快適にプレイ可能

    『Dispatch』はSteam Deck Verifiedに認定されており、携帯モードでも快適にプレイできる。実際、筆者もSteam Deckで何度かプレイしたが、60fpsで安定動作し、インターフェースも小さな画面に最適化されている。

    テキストサイズの調整、色覚サポート、QTE(クイックタイムイベント)の難易度設定など、アクセシビリティ機能も充実しており、幅広いプレイヤーに対応している。QTEが苦手なら完全にオフにすることも可能だ(ただし、筆者は緊張感が増すのでオンのままプレイすることをおすすめする)。

    ちなみに本作は16:10の解像度には対応していないため、Steam Deckでは若干の黒帯が表示されるが、プレイに支障はない。むしろ、寝転がりながらこの傑作を楽しめるというのは、非常にありがたい。

    完璧ではない──いくつかの粗も

    絶賛ばかりしてきたが、『Dispatch』にも改善の余地はある。まず、PC版では画面のティアリング(画面がずれて表示される現象)や、音声の同期ズレが発生することがある。V-Syncをオンにしても完全には解消されないため、今後のパッチでの改善を期待したい。

    また、派遣マネジメントのパートは楽しいものの、コントローラー操作が若干もっさりしている。マウス&キーボードでのプレイが推奨されるが、Steam Deckでプレイする際にはやや操作しづらさを感じる場面があった。

    さらに、第1・2エピソードの時点では、一部のキャラクターがあまり掘り下げられていない。Zチームには魅力的なメンバーが揃っているが、各エピソードが50分程度と短いため、全員にスポットライトが当たるわけではない。今後のエピソードでより深く描かれることを期待したい。

    とはいえ、これらは本作の魅力を損なうほどの欠点ではない。むしろ、エピソード配信が進むにつれて改善される可能性も高い。実際、第3・4エピソードではさらに物語が深まり、派遣マネジメントの重要性も増しているとのレビューもあり、今後の展開に期待が高まる。

    2025年のGOTY候補、いや確定レベルの傑作

    『Dispatch』は、元Telltaleゲームス開発陣が「選択が本当に意味を持つゲーム」を作り上げた、まさにTelltale黄金期の真の後継者だ。圧倒的な映像美、豪華声優陣の演技、奥深い派遣マネジメント、そして何よりプレイヤーの選択によって大きく変わる物語──これらすべてが高いレベルで融合している。

    Steamでの高評価、各メディアからの絶賛、そしてコミュニティでの盛り上がりを見る限り、本作は間違いなく2025年のGOTY候補に名を連ねるだろう。いや、このクオリティが最後まで維持されるなら、GOTY確定と言っても過言ではない。

    もしあなたが『The Walking Dead』や『The Wolf Among Us』の黄金期を懐かしんでいるなら、あるいは『Life is Strange』のような選択重視のゲームが好きなら、『Dispatch』は絶対にプレイすべき作品だ。週次配信という形式のおかげで、今から始めても十分にコミュニティと一緒に物語を追える

    火曜日が待ち遠しくなる──そんなゲーム体験を、ぜひあなたも味わってほしい。


    基本情報

    タイトル: Dispatch
    開発元: AdHoc Studio
    パブリッシャー: AdHoc Studio
    プラットフォーム: PC (Steam), PlayStation 5
    プレイ人数: 1人
    リリース日: 2025年10月22日(エピソード1・2)、11月12日完結予定
    ジャンル: アドベンチャー、選択型物語、ストラテジー、コメディ
    プレイ時間: 各エピソード40〜50分、全8エピソードで約6〜7時間
    価格: 3,400円(Steam)
    言語: 日本語対応
    Steam評価: 非常に好評(90%、11,000件以上)
    Steam Deck: 対応(Verified)
    難易度: 選択型のため、難易度設定なし(QTE難易度は調整可能)

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  • 歩く灯台が主人公!? Double Fineが贈る最も奇妙で美しいゲーム『Keeper』は、油絵のような世界で心を揺さぶられる唯一無二の体験だった

    歩く灯台が主人公!? Double Fineが贈る最も奇妙で美しいゲーム『Keeper』は、油絵のような世界で心を揺さぶられる唯一無二の体験だった

    Steamのストアページで初めて『Keeper』を見たときは、その奇妙なビジュアルに驚いた。なんだこの細い脚でヨロヨロ歩いている灯台は……? そして舞台はポストアポカリプス? 海鳥が相棒? 

    「……とりあえず、遊んでみるか!」

    そう思ってプレイを始めたのだが、これがもう、想像をはるかに超えた体験だったのだ。

    2025年10月17日にDouble Fine ProductionsからXbox Game Pass/Steam向けにリリースされた『Keeper』は、歩く灯台を操作して荒廃した世界を旅する、アートゲームとパズルアドベンチャーの融合作品だ。ひと言で言うなら……**「動く油絵の中に迷い込んだような、3時間の夢のような体験」**である。

    本作を手がけたのは『Psychonauts』シリーズや『Brütal Legend』で知られるDouble Fine Productions。クリエイティブディレクターは、同スタジオで20年以上アートディレクターとして活躍してきたLee Petty氏だ。彼の手による本作は、まさにDouble Fineの「奇妙だけど温かい」というDNAを受け継ぎながら、まったく新しい領域に踏み込んだ作品となっている。

    ぐらぐら歩く灯台、その操作感がクセになる!

    プレイヤーが操作するのは、細い脚で歩く灯台。最初は「赤ちゃんキリン」のようなぎこちない動きで、正直操作に戸惑った。左スティックで移動、Aボタンでダッシュ……と操作自体はシンプルなのだが、このぐらぐらした感覚が独特なのだ。

    「うわっ、転びそう!」

    なんて思いながらプレイしていたが、不思議なことに慣れてくると、この灯台の動きに愛着が湧いてくる。プレイヤーたちからは**「Lampy(ランピー)」**という愛称で呼ばれているらしく、確かにこの子(?)には不思議な魅力がある。 <image>

    そして本作の核となるのが光のビームシステムだ。右スティックで灯台の光線方向を制御し、RTボタンで「Focus Light(フォーカスライト)」を発動。集中させた光は、枯れた植物を成長させたり、古代のメカニズムを起動させたり、隠された秘密を明らかにしたりする。

    さらに相棒の海鳥 Twig(トゥイグ)もいい仕事をしてくれる。Xボタンで青く輝く場所にTwigを飛ばせば、レバーを引いたり、クランクを回したり、灯台が到達できない場所のパズルを解決してくれるのだ。

    この光とTwigを駆使したパズルは決して難しくはないが、環境と相互作用しながら世界が変化していく様子を見ているだけで、なんとも心地よい達成感を味わえる。

    油絵のような世界が動き出す──視覚体験がヤバい

    正直に言おう。『Keeper』の最大の魅力は、その圧倒的なビジュアルだ

    本作はSalvador Dali(サルバドール・ダリ)やMax Ernst(マックス・エルンスト)といったシュールレアリストの絵画にインスパイアされており、まさに**「動く油絵」**という表現がぴったりくる。草原、砂漠の町、生物発光の洞窟、菌類の森、機械都市……各ステージはどれも独特の雰囲気を持ち、移動するたびに新しい景色が広がる。

    そしてこの世界には、流木の嘴を持つ鳥や金属の殻を持つカニなど、ハイブリッド生物が生息している。どこか哀愁を感じさせる彼らの姿は、ポストアポカリプスの世界観を静かに物語っている。

    Unreal Engine 5のNaniteとLumenを使った本作のグラフィックスは、「すべての瞬間が壁に飾れる絵のよう」とまで評されている。実際、プレイ中に何度もスクリーンショットを撮りたくなる美しさだ。

    ただし……ここで注意点がある。この美麗なグラフィックスのせいで、推奨スペックがRTX 4080/Radeon RX 7900 XTという、かなり高めの設定になっているのだ。実際、Steam Deckでは快適に動作しないという報告もある。美しさには代償があるということか……。

    言葉を使わずに語る──感情を揺さぶる物語

    本作には対話もテキストもない。すべてが環境ストーリーテリングによって語られる。それでも──いや、だからこそ──プレイヤーは灯台とTwigの関係性に、深く感情移入してしまうのだ。

    毒に汚染された世界で、忘れられた灯台が目覚める。遠くに見える山頂を目指し、荒廃した大地を照らしながら進む。その過程で出会う生物たち、古代の遺跡、そして徐々に明らかになる世界の真実……。

    特に印象的なのが、時間操作のパズルだ。ある場面では、Twigが卵や骨格形態に変化する。この演出が、過去と未来、生と死、そして再生というテーマを静かに、しかし力強く訴えかけてくる。

    プレイヤーからは「灯台に恋をした」「最後のシーンで泣いた」という声も多く、筆者も……正直、エンディングでちょっとウルっときた。言葉がないからこそ、プレイヤー自身がこの旅に意味を見出し、自分だけの物語を紡ぐことができるのだ。

    日本のプレイヤーからは「照らすこと自体が哲学的テーマ」「言葉を使わずに語る深遠さ」「余韻が静かに心に残る」といった評価が寄せられている。確かに、本作は「Journey(風ノ旅ビト)」に最も近い体験と言えるかもしれない。

    簡単だけど……それでいい

    ここまで絶賛してきたが、正直に言えば本作には批判点もある。

    まずパズルが非常に簡単だ。「探索すればほぼ解決できる」レベルで、歯ごたえを求めるプレイヤーには物足りないかもしれない。また、固定カメラアングルのせいで、光線とカメラの両方を操作しなければならない場面ではやや操作が煩わしい。

    そして最大の批判点はプレイ時間の短さだ。本作は3~8時間でクリアできてしまう。価格が 4,180円なので、「短すぎる」「高い」という声も少なくない。

    でも……筆者はこう思う。

    「これでいいんだよ!」

    本作は「挑戦」や「やり込み」を目的としたゲームではない。芸術作品としての体験を提供するゲームなのだ。美術館に行って絵画を鑑賞するように、『Keeper』は短時間で完結する濃密な体験を届けてくれる。

    実際、プレイヤーからは「一気にプレイした」「手を止められなかった」という声が多数寄せられている。筆者も休日の午後、コーヒーを淹れて一気にプレイしたが、まるで素晴らしい映画を観終えたような満足感があった。

    『Keeper』は、こんな人にオススメ!

    というわけで、『Keeper』はこんな人にぜひオススメしたい:

    「Journey(風ノ旅ビト)」が好きな人 – 言葉なしの感情的ストーリーテリングが好きなら絶対にハマる

    アートゲーム愛好家 – Double Fineの奇妙で温かい世界観が存分に味わえる

    雰囲気重視のプレイヤー – 美しいビジュアルと静謐な音楽に浸りたい人に最適

    Game Pass加入者 – 発売日からGame Passで遊べるので、加入者なら迷わずプレイしよう!

    奇妙だけど、心に残る──それが『Keeper』

    最後に、本作を一言で表すなら……「奇妙だけど、落ち着く」という開発者自身の言葉がすべてを物語っている。

    歩く灯台という前例のない主人公、油絵のような美しい世界、言葉を使わない感動的な物語──すべてが独特で、すべてが心に残る。そして何より、「照らす」ことで世界を変えていくという行為そのものに、深い意味を感じさせてくれる。

    筆者は『Keeper』をプレイして、ゲームが「芸術」になり得る瞬間を目撃した気がした。

    もしあなたが「ちょっと変わったゲーム体験」を求めているなら、ぜひこの奇妙な灯台の旅に出てみてほしい。きっと、あなただけの特別な思い出になるはずだから。


    基本情報

    タイトル: Keeper
    開発元: Double Fine Productions
    パブリッシャー: Xbox Game Studios
    クリエイティブディレクター: Lee Petty
    リリース日: 2025年10月17日
    プラットフォーム: PC (Steam/Microsoft Store)、Xbox Series X|S、Xbox Cloud Gaming
    プレイ時間: 3~8時間
    難易度: 初心者向け(死なない、失敗なし)
    Steam評価: 非常に好評(90-91%)
    Metacritic: 78-82点
    価格: 4,180円
    日本語対応: ○(25言語対応)
    Game Pass: 発売日から利用可能

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    公式リンク:

  • アヒル版タルコフが世界を席巻!『エスケープ フロム ダッコフ』1週間で100万本突破の快進撃

    アヒル版タルコフが世界を席巻!『エスケープ フロム ダッコフ』1週間で100万本突破の快進撃

    可愛いアヒルで死ぬほど緊張する……なぜ?

    Steamのストアページで『エスケープ フロム ダッコフ』を初めて見たとき、筆者の頭には「なんだこれ?」という困惑と「絶対面白いやつだ!」という確信が同時に駆け巡った。

    可愛らしいアヒルたちが銃を構え、ヘルメットと防弾ベストに身を包んで戦場を駆ける……そのビジュアルだけでも十分インパクトがあるのだが、なにせタイトルが『Escape from Tarkov』(タルコフ)のパロディだ。あの緊張感MAXの脱出系シューターを、まさかアヒルでやるとは。

    2025年10月16日にリリースされた本作は、発売からわずか1週間で100万本を売り上げ、Steam同時接続数は25万人超を記録。Steamレビューは96%が好評という「圧倒的に好評」評価を獲得している。

    もはや「パロディゲーム」という枠を完全に超えた、2025年を代表するインディーゲームの誕生である。

    見た目は可愛いが、中身は本格派

    Team Sodaが開発し、Bilibili Gameがパブリッシングする『エスケープ フロム ダッコフ』は、見下ろし型視点のPvE脱出シューターだ。プレイヤーは何も持たない状態から始まり、危険に満ちた「ダッコフ市」を探索して物資を集め、拠点である地下シェルターに戻ってくることを繰り返す。

    そう、タルコフライクな「全ロスト」システムがここにもある。死亡すると、その時点で所持していたアイテムや装備はすべて失われる。このシビアさが、可愛らしいアヒルのビジュアルとのギャップを生み出し、独特の緊張感を演出しているのだ。

    筆者が最初にプレイしたとき、油断して敵アヒルの大群に囲まれて即死した。「可愛いから楽勝だろう」と完全に舐めていた。が、2回目も3回目も容赦なくやられ続け、「あれ? これ本格的なゲームでは?」と気づいた瞬間、本作への見方が180度変わった。

    絶妙な難易度調整が生む”ちょうどいい緊張感”

    本作が多くのプレイヤーを惹きつける理由の一つが、難易度を自由に変更できる点だ。タルコフのような極限の緊張感を求めるハードコアプレイヤーから、「雰囲気だけ味わいたい」というカジュアル層まで、誰もが楽しめるように設計されている。

    拠点では3段階の難易度設定がいつでも変更可能で、イージーモードなら敵の攻撃力が下がり、初心者でも安心してプレイできる。逆にハードモードでは容赦ない死が待っている。この柔軟性こそが、本作が幅広い層から支持される秘訣だ。

    実際、筆者もイージーで慣れてから徐々に難易度を上げていったのだが、このプロセスが実に楽しい。最初は「生き延びるだけで精一杯」だったのが、装備が整い、立ち回りを覚えていくと「もっと欲張れるかも?」という欲が出てくる。そして欲張りすぎて全ロストする……というのが、脱出系シューターの醍醐味だ。

    ファーミングの楽しさが止まらない

    本作の中毒性を支えているのが、充実したファーミング(育成)要素だ。ダッコフ市で集めた物資を売却してお金を稼ぎ、そのお金で拠点を拡張したり、新しい装備を購入したりする。この「少しずつ強くなっていく」感覚がたまらない。

    拠点には武器屋、防具屋、トレーニングジムなどが次々と建設され、NPCとの会話から新たなクエストも発生する。50種類以上の武器、カスタマイズ可能な銃器、スキルツリーによるキャラクター成長……RPG要素も非常に充実している。

    特に印象的だったのが、ある日レジェンダリー級の防具を拾ったこと。それまで苦戦していたエリアがサクサク進めるようになり、「装備の力ってスゴイ……!」と実感した。この「強くなった」という達成感が、また次の探索へのモチベーションになる。

    5つのマップと50時間超のコンテンツ量

    本作には5つの大型マップが用意されており、それぞれがランダム要素に富んでいる。アイテムの配置、敵の出現場所、天候、昼夜サイクルなど、毎回異なる体験ができるよう設計されている。

    クエストは膨大で、NPCとの会話から手がかりを集めてダッコフ世界の真相に迫っていく。公式によると1周で50時間以上のプレイ時間が見込まれており、やり込み要素も十分だ。

    筆者は現在20時間ほどプレイしているが、まだ3つ目のマップの途中。しかもあるレビューによると「3つ目のマップは前の2つと比べて桁違いに広くて密度が高い」とのことで、まだまだ遊び尽くせていない実感がある。

    Steam Workshopで無限の可能性

    本作はSteam Workshopに対応しており、コミュニティが作成したMODを導入できる。新しい武器、カスタムマップ、追加クエストなど、公式コンテンツだけでなくユーザー生成コンテンツでも楽しめる点が素晴らしい。

    リリースから1週間でMODも続々と登場しており、今後さらに多様な遊び方が生まれていくだろう。コミュニティの盛り上がりも本作の魅力の一つだ。

    なぜここまで爆発的にヒットしたのか?

    『エスケープ フロム ダッコフ』が驚異的な成功を収めた理由は、いくつか挙げられる。

    まず、手頃な価格設定。定価1,800円(リリース記念12%オフで1,584円)という価格は、気軽に試せる範囲だ。本家タルコフが高額であることを考えると、この価格は大きな魅力となっている。

    次に、シングルプレイ特化という点。タルコフのようなPvP要素がなく、自分のペースで遊べる。「反射神経に自信がない」「対人戦は苦手」というプレイヤーでも安心して楽しめる設計が、幅広い層から支持された理由だろう。

    そして何より、4人チームの情熱だ。Team Sodaはわずか4人の開発チームでありながら、ここまで磨き上げられた完成度の高いゲームを作り上げた。早期アクセスではなく完成品としてリリースされた点も、多くのプレイヤーから評価されている。

    加えて、中国市場での圧倒的な支持も見逃せない。Steamレビューの約3分の2が中国語ユーザーからのもので、グローバル展開に成功した好例と言えるだろう。

    タルコフを遊んだことがなくても大丈夫

    筆者自身、実は『Escape from Tarkov』を本格的にプレイしたことがなかった。それでも本作は存分に楽しめている。なぜなら、本作は「タルコフのパロディ」でありながら、独自の魅力を持った完成されたゲームだからだ。

    クエストの指示は明確でわかりやすく、マップも見やすい。タルコフで迷子になって途方に暮れるような心配はない。難易度調整の自由度も高く、初心者に優しい設計になっている。

    それでいて、脱出系シューターの緊張感、ルートの楽しさ、育成のやりがいといったコアな魅力はしっかり再現されている。まさに「良いとこ取り」の傑作だ。

    唯一の不満点:コントローラー非対応

    本作の数少ない不満点として、現時点ではコントローラーに公式対応していないことが挙げられる。Steam Deckでのプレイも可能だが、操作性に難があるとのレビューも見られる。

    ただし、Steamレビューには「コントローラー対応を切望する」声が多数寄せられており、開発チームも認識しているはずだ。今後のアップデートに期待したい。

    2025年を代表するインディーゲーム

    『エスケープ フロム ダッコフ』は、パロディという枠を超えて、一つのジャンルを確立した作品だ。可愛らしいビジュアルと本格的なゲームプレイ、シビアさとカジュアルさの絶妙なバランス、そして圧倒的なコンテンツ量。

    「アヒル版タルコフ」という一見ふざけたコンセプトが、ここまで真剣に作り込まれた結果、世界中のプレイヤーを虜にした。これこそがインディーゲームの持つ可能性であり、大手スタジオにはない自由な発想の力だろう。

    筆者はまだ半分も遊び尽くしていないが、すでに「今年のベストインディーゲーム候補」として確信している。脱出系シューターに興味がある人はもちろん、「なんか面白そう」と感じた人は、ぜひ一度プレイしてみてほしい。

    可愛いアヒルたちが、あなたを地獄のような緊張感あふれる冒険へと誘うだろう。


    基本情報

    タイトル: エスケープ フロム ダッコフ(Escape From Duckov)
    開発: Team Soda
    販売: Bilibili Game
    配信日: 2025年10月16日
    対応プラットフォーム: Steam, Epic Games Store, Mac OS Store
    言語: 日本語対応
    定価: 1,800円(税込)※現在12%オフで1,584円
    ジャンル: PvE脱出シューター、アクション、サバイバル、基地建設
    プレイ時間: 50時間以上(1周クリア目安)

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  • 異次元を彷徨うディーゼルパンクな暗殺者『Mohrta』。DOOMエンジンが生み出した奇妙で美しい悪夢のような世界

    異次元を彷徨うディーゼルパンクな暗殺者『Mohrta』。DOOMエンジンが生み出した奇妙で美しい悪夢のような世界

    最初に見た瞬間、完全に困惑した

    Steam のストアページで『Mohrta』を初めて見たとき、筆者の頭は混乱でいっぱいだった。ノンリニア FPS アドベンチャー、5つの異次元、ソウルライク……そして驚くべきことに、これら全てが初代『DOOM』のエンジン「GZDoom」で作られているという。

    「レトロなエンジンでそんなことできるの?」という素朴な疑問とともに、Steam評価 89% という驚異的な数字に背中を押されてプレイボタンを押した筆者。しかしその後待っていたのは、想像をはるかに超える奇妙で美しい体験だった。

    まるで悪夢の中を歩いているような感覚

    『Mohrta』をプレイしていると、夢の中を歩いているような不思議な感覚に襲われる。それも、ちょっと悪夢じみた奇妙な夢だ。

    プレイヤーが操作するのは、どこかディーゼルパンクな雰囲気を漂わせるサイボーグのような暗殺者。金属マスクに身を包んだその姿は、映画『マッドゴッド』の登場人物と『人狼 JIN-ROH』の装甲兵を足して2で割ったような、独特の重厚感がある。彼(彼女?)は同じ戦士カーストの裏切り者を始末するため、形而上学的な次元の最果てに送り込まれたのだ。

    しかし、この設定だけ聞くとありがちなSFアクションに思えるかもしれない。実際にプレイしてみると、そんな先入観は開始5分で粉々に砕かれる。

    肩に止まるハゲタカと踊る人形

    本作で最初に筆者を驚かせたのは、懐中電灯の代わりに肩の上に止まっているハゲタカのコンパニオンだった。暗闇でライトボタンを押すと、ハゲタカが不機嫌そうに鳴きながら羽をばたつかせ、なぜか生物発光で周囲を照らしてくれる。

    回復アイテムも一般的なポーションではない。代わりに、手のひらサイズの愛らしい生きた人形の友達がいる。体力が減った時にこの人形をぎゅっと握ると、彼女が小さなダンスを踊って体力を回復してくれるのだ。武器のアップグレードには、世界に散らばっている他の人形たちのボタンの目玉を集める必要がある。

    「なんだこれは……」と思わず呟いてしまったが、この奇妙さこそが『Mohrta』の魅力なのだ。

    『デモンズソウル』のハブエリアを彷彿とさせる拠点

    本作の真の魅力が開花するのは、メインハブエリアに到着してからだ。ここは時空を超えた大都市の一角にある、バザールと地下鉄駅を合体させたような空間で、『スター・ウォーズ』のモス・アイズリー酒場を『モロウィンド』のヴィヴェクやアルド=ルーンのような屋内都市区域で再現したような雰囲気がある。

    ローブを着た異形のエイリアンたちが群衆として行き交い、はるかに大きな世界があることを感じさせてくれる。そしてここで出会うショップの店主たちが、また絶妙なキャラクター性を発揮している。

    マナの強化を担当するのは、フェズ帽をかぶって水パイプを吸っている高慢ちきな青緑色のライオン。武器のアップグレードは、実は小さないたずら好きな小鬼が操縦している巨大な蒸気ゴーレムの鍛冶屋が担当する。どちらも少ない台詞ながら、強烈な印象を残してくれる。

    5つの次元、それぞれが異なる挑戦

    『Mohrta』の最大の特徴は、5つの巨大な次元を好きな順番で攻略できることだ。各次元はテーマが大きく異なり、砂漠の峡谷村から始まって、毒々しい沼地、機械仕掛けの要塞、氷に覆われた廃墟など、まったく違う雰囲気の世界が待っている。

    特筆すべきは、各次元のボスたちが単純な悪役ではないことだ。彼らはみな悲劇的な背景を持つキャラクターであり、主人公と同じ戦士カーストに所属していた者たちでもある。戦闘前の演出や戦闘中の台詞から、彼らの動機や悲しみが伝わってくるため、倒すときには少し複雑な気持ちになってしまう。

    DOOMエンジンの可能性を押し広げる技術力

    『Mohrta』を語る上で外せないのが、その圧倒的な技術力だ。1993年のDOOMエンジンをベースにした「GZDoom」で、よくここまでの表現ができるものだと感嘆せざるを得ない。

    レベルデザインは精巧で、2.5Dとは思えないほど立体的な空間構成を実現している。ローポリゴンながらも非常にスタイリッシュなアートスタイルで、PS1時代のゲームを現代の技術で蘇らせたような独特の魅力がある。

    敵キャラクターも50種類以上と豊富で、それぞれが独特の動きとビジュアルを持っている。20体を超えるボスたちも、どれも印象的なデザインと攻撃パターンを持っており、記憶に残る戦いを繰り広げてくれる。

    武器カスタマイズの深さに唸る

    本作のもう一つの魅力が、武器システムの奥深さだ。各武器には複数の機能が備わっており、アップグレードによってさらに能力を拡張できる。プレイスタイルに合わせたカスタムロードアウトを組むことで、まったく異なる戦闘体験が楽しめる。

    筆者は最初、近接武器中心で進めていたが、途中で拾った強力な遠距離武器に切り替えてプレイスタイルを大幅に変更した。武器の付け替えはいつでも可能なので、状況や気分に応じて戦術を変えられるのが嬉しい。

    ノンリニア進行が生み出す自由度

    『Mohrta』では、チュートリアル的な最初のエリアを除けば、どの順番で次元を攻略するかは完全に自由だ。この自由度が、プレイヤーごとに異なる体験を生み出している。

    筆者は比較的易しいと思われる沼地エリアから始めたが、友人は最も困難とされる機械要塞に最初に挑戦したという。どちらのアプローチも正解で、それぞれが自分だけの『Mohrta』体験を作り上げることができる。

    また、一度クリアした後も、異なる順番で攻略することで新しい発見があるため、リプレイ性も非常に高い。

    ただし、言語の壁は要注意

    一点だけ注意が必要なのは、本作が日本語に対応していないことだ。ストーリーやキャラクターの台詞、アイテムの説明などはすべて英語となっている。

    幸い、ゲームプレイ自体は直感的で、英語が得意でなくても基本的な進行には支障がない。しかし、豊かな世界観やキャラクターの背景を完全に理解するには、ある程度の英語力が必要になる。

    それでも、視覚的なインパクトとゲームプレイの面白さは言語の壁を越えて伝わってくる。英語に不安がある方も、辞書を片手にゆっくりとプレイしてみる価値は十分にある。

    2,300円という価格設定も魅力的

    2025年10月14日にリリースされたばかりの『Mohrta』は、現在Steam で2,300円で購入できる。この価格帯で、これほどまでに作り込まれた世界観と、30時間は楽しめるボリュームを提供してくれるのは、非常にコストパフォーマンスが高い。

    開発は『Vomitoreum』で知られるScumheadとアーティストのOsiolが担当。彼らの独特のアートスタイルが、本作の奇妙で美しい世界観を支えている。

    まとめ:異次元体験へのパスポート

    『Mohrta』は、間違いなく2025年のインディーゲーム界における隠れた傑作の一つだ。ノンリニアFPS、ソウルライク、異世界探索といった要素を独特のセンスで融合させ、他では味わえない体験を提供してくれる。

    言語の壁や独特すぎる世界観で敬遠される可能性もあるが、それを乗り越える価値は十分にある。レトロなゲームエンジンで現代的な表現に挑戦した技術力、想像力豊かなアートワーク、そして自由度の高いゲームプレイ。これら全てが組み合わさって、忘れられない体験を作り上げている。

    奇妙で美しい悪夢のような世界を彷徨いたい方、ユニークなゲーム体験を求める方には、心からお勧めしたい一作だ。

    基本情報

    タイトル: Mohrta
    開発者: Scumhead, Osiol
    パブリッシャー: Scumhead
    リリース日: 2025年10月14日
    プラットフォーム: PC (Steam)
    価格: 2,300円
    言語: 英語のみ
    ジャンル: FPS, アドベンチャー, インディー
    プレイ時間: 約20-40時間
    Steam評価: 非常に好評 (89%)

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  • 隠れた神ゲーを発見してしまった!『Necesse: ネセス』は”テラリア×リムワールド”の完璧な融合作

    隠れた神ゲーを発見してしまった!『Necesse: ネセス』は”テラリア×リムワールド”の完璧な融合作

    まさか、こんな隠れた名作があったなんて……!

    Steam で 95% という圧倒的高評価を誇りながら、なぜか日本ではあまり知られていない『Necesse: ネセス』。筆者も最初は「また海外のクラフトゲームか」程度に思っていたのだが、実際にプレイしてみると……これは完全にヤバい。テラリアの冒険とリムワールドの村経営が見事に融合した、まさに理想のサンドボックスゲームがここにあった。

    なぜこのゲームがもっと話題になっていないのか、本気で謎である。

    最初の印象を覆した”NPCの賢さ”

    プレイ前は正直、「また見下ろし型のクラフトゲームね」くらいの認識だった。ドット絵のグラフィックも、良くも悪くも”よくあるインディーゲーム”という感じで、特に期待はしていなかった。

    しかし、最初の村人を雇った瞬間に認識が一変。

    「あれ? このNPC、めちゃくちゃ賢くない?」

    NPCに畑仕事を指示すると、勝手に種を植え、水をやり、収穫してチェストに整理してくれる。鉱石を採掘させれば、効率よく掘り進めて素材を回収。しかも装備を渡せば自動で装着し、敵が来れば勝手に戦ってくれるのだ。

    他のクラフトゲームでよくある「NPCが馬鹿すぎてイライラ」という問題が、本作には一切ない。むしろ「こいつら、俺より頭いいんじゃないか?」と思えるレベルで優秀だ。

    “放置ゲー”になりがちなのが唯一の欠点?

    NPCが優秀すぎるのも考えもので、気がつくと完全に”放置ゲー”状態になっていることが多い。農業は村人任せ、採掘も村人任せ、クラフトも村人任せ……。プレイヤーは冒険に出かけて、戻ってくると村がパワーアップしているという、まるで放置系シミュレーションのような快適さ。

    「俺、何してるんだっけ?」と思う瞬間もしばしば。これが本作唯一の”欠点”と言えるかもしれない。ただ、この快適すぎるシステムが病みつきになるのも事実。テラリアのような「素材集めが面倒くさい」というストレスが皆無なのは、間違いなく本作の大きな魅力だ。

    冒険パートも想像以上に本格派

    村づくりが快適すぎて、冒険はオマケ程度かと思いきや、こちらも本格的。25以上のエリアが用意されており、それぞれに特色のある敵とボスが待ち受けている。

    特に印象的だったのは海賊王との戦い。村人たちを引き連れて大軍で挑むもよし、ソロで腕前を試すもよし。戦闘スタイルも弓特化、近接特化、魔法特化など、プレイヤーの好みに応じてカスタマイズ可能だ。

    武器や防具のバリエーションも豊富で、レアアイテムを求めてダンジョン通いする楽しさはまさにハクスラそのもの。村人に装備を持たせて一緒に冒険に出かければ、ちょっとしたRPGパーティーのような感覚も味わえる。

    最大250人マルチプレイの可能性

    本作の隠された魅力が、最大250人までの大規模マルチプレイ対応。実際に数百人規模でプレイしたことはないが、フレンドと4〜5人でプレイした際の楽しさは格別だった。

    役割分担して巨大な村を築き上げたり、それぞれ別の島に拠点を作って交易したり、協力してボス攻略に挑んだり……。マルチプレイでの可能性は無限大だ。Steam Deckでも快適に動作するため、みんなで集まってワイワイプレイするのも一興。

    なぜ日本で話題にならないのか?

    これだけ完成度が高く、Steam でも圧倒的高評価なのに、なぜ日本では知名度が低いのだろうか。おそらく、グラフィックの地味さと、「またテラリア系か」という先入観が原因かもしれない。

    だが、プレイしてみれば分かる。これは単なる”テラリアクローン”ではない。村づくりと冒険の両立、NPCの賢さ、マルチプレイの楽しさ……すべてが高次元でバランス取れた、まさに隠れた神ゲーなのだ。

    個人開発者の Mads Skovgaard 氏が 2012 年からコツコツ開発してきた本作。その情熱と技術力には本当に頭が下がる。

    これぞ大人のクラフトゲーム

    『Necesse: ネセス』は間違いなく「大人のクラフトゲーム」だ。面倒な作業はNPCに任せて、プレイヤーは楽しい部分に集中できる。時間のない社会人にこそオススメしたい作品である。

    現在も定期的にアップデートが配信されており、開発者の熱意を感じられる。

    価格も1,699円と非常にリーズナブル。この価格で数百時間は余裕で遊べる内容なので、コストパフォーマンスは抜群だ。テラリアやマインクラフト、リムワールドが好きな方なら、絶対に気に入るはず。

    基本情報

    Necesse: ネセス

    • 開発者: Mads Skovgaard
    • パブリッシャー: Fair Games ApS
    • プラットフォーム: PC(Steam)
    • 価格: 1,699円
    • プレイ人数: 1-250人(マルチプレイ対応)
    • 日本語対応: あり
    • Steam評価: 非常に好評(95%)
    • プレイ時間: 40時間以上(メインコンテンツ)
    • リリース日: 2025年10月17日

    購入リンク:

      ・Steam: https://store.steampowered.com/app/1169040/Necesse/

      公式リンク:

    • うるさい背後霊リュウジと過ごす30分間のドタバタ除霊劇『だる絡み背後霊』。下ネタ全開でも愛おしくなる奇妙な友情

      うるさい背後霊リュウジと過ごす30分間のドタバタ除霊劇『だる絡み背後霊』。下ネタ全開でも愛おしくなる奇妙な友情

      何このタイトル?だる絡み?え?

      Steamのストアページを眺めていたときのことだ。ゲーム一覧の中にひときわ異彩を放つタイトルが目に飛び込んできた。その名も『だる絡み背後霊』……。

      なんともキャッチーで奇妙なタイトルである。

      開発者AlleyInnの個人制作作品で、価格はわずか350円。しかも発売からわずか数日でSteam評価100%の好評という異例の滑り出しを見せている。一体どんなゲームなのか?そんな疑問を抱きつつ、筆者は恐る恐るこの謎めいた除霊の世界に足を踏み入れることにした。

      リュウジがうるさすぎる問題

      本作は除霊師として呪われたお化け屋敷の呪いを解くことを目指す短編ホラーコメディゲームだ。プレイ時間は約30分という短さで、アニメ1話分程度の内容となっている。

      ストーリーはシンプル。金銭的に困窮したスター除霊師の主人公が、「どんな依頼でも受け入れる」と決めた矢先に舞い込んできたのが、この呪われたお化け屋敷の除霊依頼だった。

      しかし、いざお化け屋敷に足を踏み入れてみると、そこは完全に「悪霊パラダイス」と化していた。そんな状況で頼りになるのが、背後霊のリュウジである。

      このリュウジという背後霊がとにかくうるさい。常にペラペラと喋り続けており、その内容は大体どうでもいい話ばかり。ギャグマンガ日和の影響を強く受けたというだけあって、そのノリは完全にあのハイテンションギャグの世界だ。

      「呪いに敏感で危険を察知するヒントをくれる」という設定のはずなのだが、実際のところ彼の喋る内容の8割は脱線した雑談である。しかしこの脱線こそが本作の魅力であり、プレイヤーを笑わせる最大の要因でもある。

      30分間のドタバタ劇でも確かな達成感

      ゲームプレイは一人称視点のアドベンチャー形式で進行する。お化け屋敷内を探索しながら、祠に呪いぶっ飛ばしアイテムを持参するという、一見シンプルなミッションだ。

      しかし屋敷内は悪霊だらけで、プレイヤーは常に恐怖と隣り合わせの状況に置かれる。驚かせる演出も多数用意されており、ホラーゲーム苦手な人には少々キツイかもしれない。

      それでも本作が多くのプレイヤーに愛される理由は、リュウジの存在にある。彼のひたすらのどうでもいい話が、恐怖を和らげてくれるのだ。彼がいることで、怖いはずのホラー体験が何だか楽しいドタバタコメディに変わってしまう。

      エンディングは1つしか用意されていないが、そこに至るまでの過程は十分にカオスで笑える内容となっている。プレイ時間は短いものの、濃密な30分間を過ごすことができる。

      これぞ愛すべきB級インディー作品

      本作には「驚かせる演出」や「少年誌相当の下ネタ・下品な表現」が多く含まれているという注意書きがある。実際にプレイしてみると、その通りの内容だった。下ネタは確かに多めで、人によっては眉をひそめる表現もある。

      しかし、そんな下品さも含めて本作の魅力なのだ。真面目なホラーゲームを期待する人には向かないが、バカバカしいコメディを求める人には間違いなく刺さる作品である。

      特に注目すべきは、これが完全に個人制作の作品だということ。AlleyInn氏がクラウドファンディングで資金を調達し、当初の夏発売予定から延期を経て、2025年10月16日にようやくリリースに漕ぎ着けた労作だ。

      Steam評価100%という異例の高評価も納得である。短時間でサクッと楽しめて、値段も手頃。何より、プレイ後には「なんだかリュウジが愛おしく思えてくる」という不思議な感覚に包まれる。

      これが愛すべきB級インディー作品の真骨頂だろう。完璧な作品ではないかもしれないが、プレイヤーの心に確実に爪痕を残していく。うるさい背後霊リュウジとの30分間の珍道中を、ぜひ体験してみてほしい。

      基本情報

      ゲーム名: だる絡み背後霊
      開発: AlleyInn
      販売: AlleyInn
      プラットフォーム: PC (Steam)
      プレイ時間: 約30分
      難易度: 初心者向け
      Steam評価: 好評 (100%)
      リリース日: 2025年10月16日
      価格: 350円
      日本語対応: 日本語のみ

      購入リンク:

    • 死んで覚えて強くなる!『Lost Eidolons: Veil of the Witch』。死はただの始まり――魔女との契約で挑む、記憶喪失の島脱出サバイバル

      死んで覚えて強くなる!『Lost Eidolons: Veil of the Witch』。死はただの始まり――魔女との契約で挑む、記憶喪失の島脱出サバイバル

      待ってました、タクティカルRPG×ローグライト……!

      PC(Steam)向けに2025年10月9日に正式リリースされた『Lost Eidolons: Veil of the Witch』。開発元のOcean Drive Studioは、2022年に『Lost Eidolons』という本格派タクティカルRPGを手掛けたスタジオで、今回はそのスピンオフとして”ローグライト”要素を組み込んだ意欲作だ。

      正直、ストアページを最初に見たとき「タクティカルRPGにローグライト? 本当に合うの?」という疑問が頭をよぎった。だが、プレイしてみると――この組み合わせ、めちゃくちゃアリだった。

      Steam評価は**78%の「非常に好評」**を獲得し、早期アクセス段階から高い評価を受けてきた本作。メタスコアでも80点前後と高評価で、タクティカルRPGファンからも「これは新しい」と話題を呼んでいる。

      前作『Lost Eidolons』は「戦闘が長すぎる」「もっと戦闘重視の展開が欲しい」といったフィードバックを受けていたらしい。そこで開発者は思い切って方向転換。ローグライト要素を取り入れ、カジュアルに何度でも挑戦できる作品へとリデザインしたという。

      そんな挑戦的な試みが詰まった本作を、実際にプレイしてみた感想をお届けしたい。

      記憶も命も失った主人公――魔女との契約が冒険の幕開け

      ゲームは主人公が島に漂着するところから始まる。記憶喪失で、しかも「死んでいる」という最悪のスタート。そこに現れたのは、謎めいた魔女・セーブル。彼女から提示された契約は「私の敵を倒せ。そうすれば、もう一度生きるチャンスをやろう」というもの。

      まるで『Hades』を思い起こさせる導入だ。主人公は何度も死に、その度に記憶の断片を取り戻していく。死ぬことで物語が進むという構造は、ローグライトゲームとしては王道だが、タクティカルRPGというジャンルでここまで自然に組み込まれている作品は珍しい。

      最初はキャラクタークリエイトで性別や外見を決めるだけのシンプルな設定だが、ゲームが進むにつれて主人公・アッシュの過去が徐々に明らかになっていく。声優陣の演技も素晴らしく、物語への没入感を高めてくれる。

      ファイアーエムブレム×XCOMのような、硬派なグリッド戦闘

      本作の戦闘は、マス目状のグリッドで展開されるターン制戦略バトル。ファイアーエムブレムやXCOMをプレイしたことがある人なら、すぐに馴染めるだろう。

      基本的な操作は移動、攻撃、スキル発動、アイテム使用――とシンプル。だが、甘く見てはいけない。最初のステージから容赦なく死ぬ

      「なんだ、タクティカルRPGでしょ?余裕余裕」なんて思って挑んだ筆者は、開始10分で全滅した。敵はガンガン攻めてくるし、回復手段は限られているし、位置取りを少しでもミスればあっという間に囲まれて終わる。

      特に厄介なのがバランスという概念だ。敵には体勢を崩すバランスゲージが存在し、これを削り切ると大ダメージチャンス&行動停止のボーナスタイムが発動する。逆に、こちらもバランスを崩されるとピンチに陥る。

      さらに、属性効果が戦略の幅を広げてくれる。水たまりに雷撃を放って敵を感電させたり、燃える地形に敵を誘い込んで追加ダメージを与えたり。ただ殴るだけではなく、環境を利用した戦い方が求められる。

      「これ、囲まれたらもう終わりじゃん……」と思ったが、**3回まで行動を戻せる「アンドゥ機能」**が搭載されているのがありがたい。ミスしても即リセットではなく、試行錯誤しながら最適解を見つけられる親切設計だ。

      死んでも無駄にならない――メタ進行で確実に強くなる

      ローグライトの醍醐味は「死んでも次に繋がる」ことだ。本作では、ステージクリアや敵撃破で得られるエンバールーン断片を使って、街でキャラクターの永続的な強化が可能。

      新しいスキルのアンロック、ステータスの底上げ、仲間キャラクターの解放――死ぬたびに選択肢が増え、確実に強くなっていく実感がある。「さっきは勝てなかったボスに、今度こそリベンジできるかも!」という希望が持てるのが素晴らしい。

      しかも、9人のキャラクターから5人を選んでパーティを編成できるため、戦略の幅が膨大だ。近接特化、魔法特化、バランス型――毎回違う編成で挑むことで、プレイ体験がガラリと変わる。

      「またこのステージかよ……」と思うかもしれないが、ルートは毎回ランダムで変化。分岐する道、ランダムなイベント、強力なボスとの遭遇――同じ展開は二度とないため、飽きずに何度でも挑める。

      ちなみに筆者は50時間以上プレイしているが、まだ新しい発見がある。それくらい、リプレイ性が高い。

      ダークな世界観と美しいビジュアル

      本作の世界観は、前作『Lost Eidolons』よりもさらにダークな雰囲気だ。霧に覆われた森、呪われた遺跡、燃え盛る祭壇――どこを切り取っても「ここは危険だ」と感じさせる空気感が漂う。

      グラフィックは最先端とは言えないかもしれないが、アートディレクションが素晴らしい。キャラクターモデルは早期アクセス時よりも洗練され、攻撃アニメーションも滑らかになった。特にレジェンダリースキル発動時のカットイン演出は、「おお!」と思わず声が出るほどカッコいい。

      BGMもまた素晴らしい。不気味で幻想的なメロディが冒険の緊張感を高め、ボス戦では壮大な音楽が流れて盛り上がる。ヘッドホンでプレイすると、さらに没入感が増すのでオススメだ。

      何度も死にながら成長していく――これぞローグライトの真髄

      『Lost Eidolons: Veil of the Witch』は、タクティカルRPGとローグライトを見事に融合させた傑作だ。

      難易度は高いが、理不尽ではない。試行錯誤を重ねることで確実に上達し、戦略の幅が広がっていく。そして何より、死んでも次に繋がるという安心感が、挑戦し続けるモチベーションを支えてくれる。

      「タクティカルRPGが好きだけど、1周100時間はキツイ」という人にこそオススメしたい。本作は1回の挑戦が数時間で完結するため、隙間時間でサクッと遊べるのも魅力だ。

      何度も死にながら、少しずつ強くなり、ついにボスを倒したときの達成感――。この快感は、ローグライトゲームならではのものだ。

      基本情報

      タイトル: Lost Eidolons: Veil of the Witch
      開発: Ocean Drive Studio
      販売: Kakao Games
      配信日: 2025年10月9日(正式版)
      価格: 2,800円(Steam)※20%オフセール中
      日本語:
      プラットフォーム: Steam, PlayStation 5, Xbox Series X|S, Nintendo Switch

      購入リンク:

      公式リンク:

    • 『Absolum(アブソラム)』は、なぜこんなにも ”止められない ”のか? 格闘ゲーム級のベルトスクロールとローグライトが融合した傑作を語りたい

      『Absolum(アブソラム)』は、なぜこんなにも ”止められない ”のか? 格闘ゲーム級のベルトスクロールとローグライトが融合した傑作を語りたい

      『Hades』のビルド構築の楽しさと、『ストリートファイター』のような格闘ゲームの奥深さが、一つのゲームで完結してしまったら?

      2025年10月にリリースされた『Absolum(アブソラム)』は、まさにそんな「わがままな願い」を叶えてしまった傑作です。Steam評価90%超え、メタスコア85点という数字は伊達ではありません。

      筆者は数々のベルトスクロールアクション(ベルスク)を遊んできましたが、正直に言いましょう。「ベルスクは単調で飽きやすい」という定説は、このゲームが過去のものにしました。

      格闘ゲームのような奥深い戦闘──ただのボタン連打じゃ勝てない

      ベルトスクロールアクションといえば、攻撃ボタンを連打して敵をなぎ倒す爽快感が真骨頂だ。しかし『Absolum』は、その常識を良い意味で裏切ってくる。

      本作の戦闘システムは驚くほど奥深い。基本攻撃、強攻撃、投げ、ダッシュ攻撃といったオーソドックスなアクションに加え、パリィ(カウンター)クラッシュ(重攻撃同士のぶつかり合い)テクニカル攻撃プレッシャーメーターなど、格闘ゲームさながらの要素が詰め込まれている。

      特に驚いたのが回避カウンターの爽快感だ。敵の攻撃を絶妙なタイミングで回避すると、時間がスローになって反撃のチャンスが生まれる。これが決まったときの快感たるや……! 『ベア・ナックル4』でも回避は重要だったが、『Absolum』では回避そのものが攻撃手段として機能するため、より戦略的なプレイが求められる。

      また、敵を地面にバウンドさせて空中コンボを繋ぐ「ジャグル」システムも秀逸だ。画面端まで敵を吹き飛ばし、跳ね返ってきたところをさらに攻撃──この連続コンボが決まると、まるで格闘ゲームのようなテクニカルな快感が味わえる。ただし、無限コンボを防ぐために一定時間でコンボが途切れる仕組みも用意されており、ゲームバランスも絶妙だ。

      4人の個性的なキャラクター──どれを選んでも楽しい

      『Absolum』には4人のプレイアブルキャラクターが登場する。それぞれが全く異なる戦闘スタイルを持っており、選ぶキャラによってプレイ感覚がガラリと変わるのが面白い。

      まずはガランドラ。エルフの剣士で、大剣を振り回すパワフルなファイター。リーチが長く、範囲攻撃が得意なため、囲まれたときに頼もしい。筆者は最初のプレイでガランドラを選んだが、豪快な一撃が気持ちよく、まさに「王道の主人公」という感じだった。

      次にカール。ドワーフの格闘家で、銃(ブランダバス)と拳を使い分ける近接戦のスペシャリスト。リーチは短いが火力が高く、敵を殴り飛ばす豪快なアクションが魅力だ。

      そしてサイダー。彼女の最大の特徴は、伸縮自在の義手アームだ。遠くの敵を引き寄せたり、空中の敵を掴んで地面に叩きつけたりと、まるで『モータルコンバット』のスコーピオンのような戦い方ができる。「Get over here!(こっちに来い!)」と叫びたくなる瞬間が何度もあった。

      最後はブローム。カエルの魔法使いで、杖を使った遠距離攻撃が得意。杖にまたがってサーフボードのように滑走したり、魔法弾を連射したりと、他のキャラとは一線を画すプレイ感覚が楽しめる。筆者は2周目でブロームを選んだが、遠距離から敵を一掃する快感にすっかりハマってしまった。

      ローグライト要素がもたらす「もう一回」の魔力

      『Absolum』の最大の特徴は、ベルトスクロールアクションにローグライト要素を融合させた点だ。これが驚くほど相性が良い。

      各ランでは、敵を倒すごとにランダムなアップグレードが手に入る。属性魔法(アルカナ)パッシブボーナス(トリンケット)新しい必殺技(儀式)など、その種類は膨大だ。火・水・風・死霊術といった属性を組み合わせ、自分だけのビルドを作り上げる楽しさがある。

      筆者が特に気に入っているのが死霊術ビルドだ。敵を倒すたびにスケルトンを召喚し、画面を骸骨の大群で埋め尽くす──このカオスな光景がたまらなく楽しい。一方で、火属性に特化して画面全体を炎で覆う「焼き尽くしビルド」も試したが、こちらも爽快感抜群だった。

      また、ステージ間で分岐ルートを選べるのも面白い。「橋を渡るか、橋の下をくぐるか」「森を抜けるか、城壁を登るか」──選択によって訪れるエリアが変わり、毎回新鮮な体験ができる。さらに、特定のルートを選ぶことでサイドクエストが発生し、新しいキャラクターやショートカットがアンロックされることもある。

      ボス戦は歯ごたえ抜群──死んでも「もう一回」と思える絶妙な難易度

      『Absolum』のボス戦は一筋縄ではいかない。それぞれが独特な攻撃パターンを持ち、パリィやカウンターを駆使しなければ勝てない強敵ばかりだ。

      筆者が最初に苦戦したのは、鉱山エリアのボス。画面全体を揺らす攻撃や、天井から巨大な岩を落としてくるギミックに翻弄された。何度も死んだが、そのたびに「次はこう戦おう」と戦略を練り直し、ついに倒したときの達成感は格別だった。

      また、ボス戦中にはヘビーメタルなBGMが流れる演出も熱い。作曲は『エルデンリング』や『SEKIRO』で知られる北村友香(Yuka Kitamura)氏が担当しており、中世ファンタジーの雰囲気と激しいロックが融合した楽曲が戦闘を盛り上げる。

      協力プレイで味わう「もう一つの楽しさ」

      『Absolum』は最大2人での協力プレイに対応している。オンライン・ローカルどちらでも遊べるが、特に素晴らしいのが進行システムだ。

      多くの協力ゲームでは「ホストのセーブデータしか進まない」という問題があるが、『Absolum』では両プレイヤーの進行状況を分析し、両者が報酬を得られる最適なポイントからスタートできる。つまり、どちらのプレイヤーもソロでプレイしているかのように実績をアンロックし、報酬を獲得できるのだ。この配慮は素晴らしい。

      筆者は友人と2人でプレイしたが、属性魔法を組み合わせた連携攻撃がとにかく楽しかった。相手が火炎を放っている間に自分が風魔法で威力を増幅したり、水魔法で敵を凍らせてから電撃で感電させたり──シナジー効果を意識したプレイは、ソロとはまた違う戦略性がある。

      手描きアートが織りなす美麗な世界観

      本作のビジュアルは、Supamonksが手掛けた手描きのコミックアートが特徴だ。色鮮やかな森、陰鬱な鉱山、荘厳な城──どのエリアも絵本のように美しく、スクリーンショットを撮りたくなる瞬間が何度もあった。

      キャラクターのアニメーションも非常に滑らかで、攻撃のたびに「重さ」や「衝撃」が伝わってくる。特にガランドラの大剣攻撃や、カールの拳が敵に命中する瞬間のヒットストップ演出は、格闘ゲームのような気持ちよさがある。

      シンプルだが深い──「もう一回」が止まらないゲームデザイン

      『Absolum』の魅力を一言で表すなら、それは「もう一回」が止まらないことだ。

      死んでも装備やスキルはそのまま残るため、ローグライクにありがちな「全てを失う虚無感」が少ない。むしろ「次はもっと強いビルドを試そう」「あのルートを選んでみよう」という前向きな気持ちになれる。

      また、ゲーム全体の設計が「6分間の試合」を繰り返すような構造になっており、1ランが短時間で完結するのも魅力だ。仕事の合間や寝る前のちょっとした時間にサクッと遊べるが、気が付けば何時間も遊んでしまっている──そんな中毒性がある。 『Absolum』は、ベルトスクロールの新たな地平を切り開く

      『ベア・ナックル4』や『TMNT: Shredder’s Revenge』が好きだった人にも、『Hades』のようなローグライトが好きな人にも、そして格闘ゲームのような技術的なプレイが好きな人にも──『Absolum』は全てに応えてくれる傑作だ。

      筆者はすでに30時間以上プレイしているが、まだまだ遊び足りない。新しいビルドを試すたび、新しいルートを選ぶたびに、まだ見ぬ発見がある。これこそが『Absolum』が持つ魔力だ。

      もし「ベルトスクロールは好きだけど、すぐ飽きちゃうんだよね」と思っている人がいたら、ぜひ『Absolum』を試してほしい。このゲームは、あなたが思い描く「ベルトスクロールアクションの理想形」を超えてくるはずだ。

      基本情報

      • タイトル: Absolum(アブソラム)
      • 開発: Guard Crush Games, Supamonks, Dotemu
      • 販売: Dotemu, Gamirror Games(日本はアークシステムワークス)
      • プラットフォーム: Steam, PlayStation 5, PlayStation 4, Nintendo Switch
      • 発売日: 2025年10月9日(ダウンロード版)、2025年11月6日(パッケージ版)
      • 価格: ダウンロード版 2,970円(税込)、パッケージ版 3,960円(税込)
      • プレイ人数: 1-2人(オンライン・ローカル協力プレイ対応)
      • 難易度: 初心者~上級者向け(3段階の難易度設定)
      • プレイ時間: 1周 8-12時間、完全クリア 30時間以上
      • Steam評価: 非常に好評(90%)
      • 日本語: 完全対応

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