カテゴリー: 格闘

  • アニメと弾幕が融合したら、こんなに気持ちいいとは!台湾発の超本格3Dアクション『炎姫』

    アニメと弾幕が融合したら、こんなに気持ちいいとは!台湾発の超本格3Dアクション『炎姫』

    「インディーゲームの3Dアクションって、モーションが微妙だったりするんでしょ?」しかし、台湾のCrimson Duskが送り出した『炎姫』は違った。このゲーム、学生の個人制作から始まったプロジェクトだというのに、大手パブリッシャーのタイトルに引けを取らない完成度なのだ。

    2026年3月4日にSteam版がリリースされ、早くもインディーアクションファンの間で話題沸騰中の本作。アニメ表現を追求した美麗なグラフィックと、ハックアンドスラッシュに3D弾幕を融合させた独自のゲームシステムが最大の特徴だ。

    「妖魔を祓う」という和風ファンタジー設定に、楠木ともりさん(炎姫役)、石見舞菜香さん(安役)ら豪華声優陣のボイスが華を添える。体験版をプレイした海外メディアからは「Metal Gear Rising: Revengeanceとアニメガールと弾幕メカニクスの融合」という評価も飛び出すほど、ジャンルの垣根を超えた魅力を持っている。

    パリィこそがすべて!気持ちよすぎる戦闘システム

    本作の最大の魅力は、なんといってもパリィシステムだ。敵の攻撃が赤く光る瞬間にボタンを押すことで、あらゆる攻撃を完璧に弾き返せる。巨大な骸骨の一撃も、妖魔が放つ光線も、すべてパリィで無効化できるのだ。

    最初は「普通のアクションゲームでしょ?」と軽い気持ちでプレイし始めた筆者だったが、パリィの気持ちよさに気付いた瞬間、完全に虜になった。敵の攻撃をギリギリで弾き、そのまま軽攻撃と重攻撃を織り交ぜたコンボを叩き込む。空中に打ち上げて追撃し、最後は地面に叩きつける——このリズムが実に爽快なのだ。

    ただし、パリィに頼りすぎると危険な場面もある。複数の敵に囲まれた状況や、ボス戦の弾幕フェーズでは回避ダッシュとの使い分けが必須。スタミナの管理も重要で、攻撃にも回避にも消費するため、連打しすぎると動けなくなってしまう。この「攻めと守りのバランス」が絶妙な緊張感を生み出している。

    海外レビューサイトのNoobFeedは「攻撃的で、正確で、柔軟なプレイヤーに報酬を与えるゲーム」と評価。またGameScoutのレビューでは「Sekiroにインスパイアされたパリィシステムで、ほぼすべての攻撃を弾き返せる」と指摘されており、死にゲーファンにも響く手応えが用意されている。

    3D弾幕×ハックアンドスラッシュという異色の融合

    もう一つの特徴が、ボス戦で本格化する3D弾幕要素だ。各ステージの最後には、強い感情を抱いたまま妖魔化した「妖魔少女」たちが待ち構えている。彼女たちは美麗で個性的なデザインながら、戦闘では容赦ない弾幕攻撃を繰り出してくる。

    弾幕シューティングのように画面を埋め尽くす光弾の隙間を縫って接近し、近接コンボを叩き込む。遠距離では安の力を使った「加護射撃」で応戦しつつ、妖魔がまとう瘴気を祓う——この近接と遠距離のシームレスな切り替えが、本作独自の戦闘スタイルを確立している。

    UK Anime Networkのレビュアーは「私の大好きな2つのアーケードジャンル(ハックアンドスラッシュと弾幕シューティング)を融合させており、キャラクターデザインも素晴らしく、プレイ感が美しい。これはゲーム・オブ・ザ・イヤー候補になりうる」と絶賛。また、Game8の英語版レビューでは「ハイブリッドゲームとして、両方のマインドセットで同時に考えることを自然に強制される」と評され、ジャンルの垣根を超えた体験が高く評価されている。

    台湾の学生プロジェクトが世界へ

    開発を手掛けたCrimson Duskは、台湾・台中市に拠点を置く小規模インディースタジオだ。代表のSam氏が個人で開発していた『炎姫』が台湾で大きな注目を集めたことをきっかけに、本格的な開発のためにスタジオを設立。本作が同スタジオのデビュー作となる。

    もともとは学生プロジェクトだったという本作だが、2022年の正式発表以降、日本のアニメ表現へのこだわりと完成度の高さで徐々に話題を集めていった。2025年10月にはSteam Next Festで体験版が公開され、非常に高い評価を獲得。その勢いのまま、2026年3月4日の正式リリースを迎えた。

    現在Steamでの評価は上々で、「想像以上に面白い」「パリィが気持ちいい」「ボス戦のデザインが秀逸」といったレビューが並ぶ。価格は2,480円(リリース後2週間は10%割引)と、この内容でこの価格は正直破格だ。

    妖魔たちの物語に引き込まれる

    本作のストーリーは、人間と妖が共存する世界が舞台。死の間際に強い感情や未練を残した霊魂は妖魔へと変化し、周囲を汚染してしまう。大神官から派遣された最高の妖祓い・炎姫と、補佐官の安は、5人の強大な妖魔少女たちを祓う任務に挑む。

    ファミ通のプレビュー記事では「敵対する妖魔は個性的でかわいいのがズルい。探索中に発見できる資料や会話からバックストーリーが読み取れるので、祓いたくなくなってしまう」と評されている。クールな炎姫と天真爛漫な安のコンビネーションも魅力的で、フィールド探索中の掛け合いが物語に彩りを添える。

    Noisy Pixelのレビューでは「妖魔たちは登場時間は短いが、彼女たちの歴史、目的、後悔について多くのことが読み取れる」と指摘。ストーリーは複雑ではないものの、限られた要素で魅力的な物語を紡いでいるという評価だ。

    プレイスタイルを広げる成長システム

    戦闘の楽しさを支えるのが、充実した成長要素だ。ステージ内の探索で「生命の結晶」「加護の結晶」を集めれば、最大HPと加護射撃の容量が増加。敵を倒して得た通貨で、櫛名田の店から新しいスキルやコンボ、装備「お守り」を購入できる。

    お守りはパッシブ効果を持つ装備で、攻撃力上昇や防御力強化など、さまざまな能力を付与してくれる。スキルツリーでは、強力な一撃を放つ技から範囲攻撃、空中コンボまで、多彩な選択肢が用意されている。自分好みの戦闘スタイルを構築できる自由度の高さが、リプレイ性を高めている。

    ステージデザインも秀逸だ。基本的には一本道の構成だが、隠された宝箱や収集要素、ミニゲームなどが随所に配置されており、探索のモチベーションを保ってくれる。ファミ通のレビューでは「ギミックを使って先に進んだり、バトルと探索のタイミングが両方あり、緩急がついているのもうれしい」と評価されている。

    唯一の弱点は「繰り返し」?

    ただし、本作にも弱点はある。GameScoutのレビューが指摘するように、5つ目のステージをクリアした後は、既存エリアの再訪とボスの再戦が続く構成になっている。新鮮味は薄れるものの、成長したキャラクターでボスを圧倒する爽快感は格別だ。

    また、プラットフォーム要素は戦闘ほど洗練されていない。ジャンプの硬さや、ダブルジャンプがない点など、改善の余地はある。とはいえ、これらは本作の魅力を大きく損なうものではなく、戦闘の気持ちよさが圧倒的にカバーしている。

    Try Hard Guidesのレビューでは「初回プレイなら一気にクリアできる短さ」と指摘されているが、同時に「レベルは何度も遊ぶように設計されており、新しいアビリティ、ステータス、レイアウトやボスパターンの知識を持って挑める」とも評価。短いながらも濃密な体験が詰まっている。

    アニメ表現へのこだわりが光る

    本作のビジュアルは、日本のアニメーションを徹底的に研究して作られている。キャラクターの動き、エフェクトの演出、カメラワークに至るまで、アニメ的な「決め」が随所に散りばめられており、プレイしていて「これ、アニメで見たい!」と思わせる瞬間が何度もある。

    声優陣も豪華だ。炎姫役の楠木ともりさん、安役の石見舞菜香さんに加え、櫛名田役に水野朔さん、小梅役に桜咲千依さんなど、実力派が集結。サウンドトラックも全82曲が収録されており、本編とセットのバンドル版も用意されている。

    ファミ通のプレビュー記事では「アニメらしい迫力が表現されているので、見ても楽しい一本」と評され、UK Anime Networkでは「キャラクターデザインと表現が一流」と絶賛されている。

    Switch 2版も2026年内に発売予定

    本作はSteam版に続き、2026年内にNintendo Switch 2版もリリース予定だ。2026年3月3日の「Indie World 2026.3.3」で正式発表され、モバイル機でもこの本格アクションが楽しめるようになる。

    アクションゲーム好き、弾幕シューティング好き、アニメ好き——どれか一つでも当てはまるなら、本作は間違いなく「買い」だ。2,480円という価格で、10時間以上の濃密な戦闘体験とリプレイ性が得られる。台湾の小さなスタジオが生み出した、大きな衝撃を体験してほしい。

    基本情報

    開発: Crimson Dusk
    販売: PLAYISM(Active Gaming Media Inc.)
    リリース日: 2026年3月4日(Steam)/ 2026年予定(Nintendo Switch 2)
    価格: 2,480円(Steam・リリース後2週間は10%割引)
    プラットフォーム: PC(Steam)、Nintendo Switch 2
    プレイ人数: 1人
    言語: 日本語、英語、中国語(簡体字)、中国語(繁体字)
    ジャンル: 3Dアクション
    Steam評価: 非常に好評(発売直後のため評価件数は少ないが、体験版は高評価)

    購入リンク

    Steam: https://store.steampowered.com/app/1820000/_/

    公式リンク

    公式サイト: https://playism.com/game/homura-hime/
    X (Twitter): https://x.com/CD_HomuraHime
    YouTube: https://www.youtube.com/channel/UCeC3zOK9Kkm9csHz8wFSOQw

  • 『Don’t Starve』のKleiが仕掛ける新境地! 『Rotwood』はローグライトとベルトスクロールが見事に融合したハクスラアクションだ

    『Don’t Starve』のKleiが仕掛ける新境地! 『Rotwood』はローグライトとベルトスクロールが見事に融合したハクスラアクションだ

    「Kleiの新作って、いつもジャンルがバラバラじゃない?」サバイバルホラーの『Don’t Starve』、ステルスアクションの『Mark of the Ninja』、そしてカードRPGの『Griftlands』……確かに統一感はないけど、そのどれもがインディーズゲーム界に強烈な爪痕を残してきた名作ばかり。そんなKlei Entertainmentが満を持して送り出したのが、2026年3月3日に正式リリースされた『Rotwood』だ。

    Castle Crashersの正統進化系!? だけど、それ以上のものがある

    本作を初めて見たとき、多くの人が「あれ? Castle Crashersっぽくない?」と思ったはず。実際、筆者もそう感じた。横スクロールのベルトアクション、最大4人協力プレイ、カラフルなビジュアル……確かに表面的には似ている。でも、プレイしてみると驚くほど違う。

    『Rotwood』が他のベルトスクロールアクションと一線を画しているのは、ローグライトとハック&スラッシュの要素を完璧に融合させている点だ。Castle Crashersでは各キャラクターの技がほぼ同じで、長時間プレイするとどうしてもマンネリ化してしまった。しかし『Rotwood』は違う。ハンマー、スピア、キャノン、ボールという4種類の武器はそれぞれまったく異なる戦闘スタイルを提供し、さらにスキルやパワーアップの組み合わせで、毎回新鮮な体験が味わえる。

    特に注目すべきはキャノンだ。通常の回避ボタンがリロードに置き換わり、強攻撃で後方に吹っ飛びながら敵を攻撃する。つまり、移動手段そのものが戦闘アクションになっているのだ。弾数管理、ポジショニング、タイミング……この武器ひとつで、ゲーム全体の戦い方が劇的に変わる。こんな大胆な武器設計、なかなかお目にかかれない。

    スキルこそがすべて! 運より実力が勝敗を分ける設計

    ローグライト系のゲームでよくある不満が「運ゲーすぎる」という点だ。たまたま強力なアイテムを引けたから勝てた、逆に引けなかったから負けた……そんな展開にウンザリした経験がある人も多いだろう。

    しかし『Rotwood』は違う。公式が明言している通り、「真の達成感はスキル、適応力、正確な実行から生まれる」という哲学が貫かれている。確かにパワーアップはランダムで出現するが、それはあくまでスパイスに過ぎない。各武器の攻撃パターンを習得し、敵の行動を理解し、回避のタイミングを完璧に掴む……そうしたプレイヤー自身の成長こそが、攻略の鍵なのだ。

    実際、ハンマーを使えば特定の攻撃中にジャンプしてダメージを回避できるし、スピアは多段ヒットで手数勝負が可能。ボールは投げて跳ね返ってきたところを再度打ち返す、まるでテニスのような戦い方ができる。こうした武器ごとの個性を理解し、使いこなせるようになった瞬間、本作の本当の面白さが開花する。

    ボス戦の緊張感が尋常じゃない

    各エリアの最後には強力なボスが待ち構えている。こいつらがまた、手強い。攻撃パターンが複雑で、弱点を見極めて武器を使い分けないと突破できない。しかも、リスポーンは拠点に戻されるだけで、装備やスキルはそのまま持ち越せるとはいえ、一度死ぬと再びボスまで辿り着くのが面倒だ。

    でも、だからこそ勝てたときの達成感が凄まじい。ボスを倒すと、次のエリアに進むために必要なユニークな素材が手に入る。この「倒さなければ先に進めない」という明確なゴール設定が、緊張感とモチベーションを高めてくれる。

    そして何より、協力プレイでのボス戦がめちゃくちゃ楽しい。4人で役割分担しながら、「お前は遠距離で削ってくれ! 俺が前衛でヘイトを稼ぐ!」なんてやり取りをしながら巨大なボスに立ち向かう興奮は、ソロでは絶対に味わえない。

    拠点建設で冒険を支える温かみ

    戦闘だけでなく、拠点建設要素も本作の大きな魅力だ。ダンジョンで集めた素材を使って、果樹園や農場、工房を建設し、仲間を雇って拡張していく。これが単なるおまけではなく、しっかりとゲームプレイに組み込まれている。

    拠点で作った装備やアイテムは次の冒険に持っていけるし、素材を効率よく集めるために何度も同じダンジョンに潜る……というメタプログレッションのサイクルが心地よい。戦闘で疲れたら拠点に戻って建設を楽しみ、またダンジョンへ……この緩急のバランスが絶妙だ。

    Klei特有のアートスタイルが光る

    Kleiといえば、独特のコミック調アートスタイルだ。『Rotwood』でもその伝統はしっかり受け継がれており、ケモノキャラクターたちが暴れまわる様子は見ているだけで楽しい。

    特に敵デザインが秀逸で、堕落したRotと呼ばれるクリーチャーたちは、可愛さと不気味さが同居している。一見ポップなのに、どこか邪悪な雰囲気が漂う……この絶妙なバランスがKleiらしい。

    早期アクセスから2年、ついに完成した傑作

    本作は2024年4月にSteam早期アクセスとして登場し、約2年の開発期間を経て2026年3月3日に正式リリースされた。その間、Kleiは丁寧にアップデートを重ね、プレイヤーのフィードバックを反映してきた。

    正式リリース版では、新たなエンディング、最終ボス、そして「Super Frenzy」と呼ばれるエンドゲームコンテンツが追加されている。つまり、クリア後もやり込める要素がたっぷり用意されているのだ。

    Steamでの評価は?

    現在のSteam評価は全体で91%が好評(2,069件のレビュー)、直近30日では63%(57件)とやや下がっているが、これは正式リリース直後の混乱期によくある現象だろう。長期的にはポジティブな評価が安定すると予想される。

    ソロでも楽しい、でも協力プレイが真骨頂

    『Rotwood』はソロでも十分楽しめるが、やはり最大4人協力プレイこそが真骨頂だ。ローカル協力プレイとオンライン協力プレイの両方に対応しており、友達と一緒にワイワイ遊ぶも良し、野良マッチで見知らぬプレイヤーと共闘するも良し。

    特に、難易度が4段階用意されており、上位難易度では協力が必須になってくる。「簡単すぎてつまらない」なんてことはまず起きないので安心してほしい。

    結論:ハクスラ×ベルトスクロール好きなら絶対買い

    『Rotwood』は、ベルトスクロールアクションの爽快感、ハック&スラッシュの中毒性、ローグライトのリプレイ性、そして拠点建設の温かみを見事に融合させた傑作だ。

    Klei Entertainmentというブランドに恥じない、圧倒的なクオリティと独自性。『Don’t Starve』や『Mark of the Ninja』が好きだった人はもちろん、『Castle Crashers』や『Hades』のようなゲームを楽しんだ人にも全力でオススメしたい。

    唯一の欠点は……中毒性が高すぎて時間が溶けることくらいだろうか。筆者も「あと1回だけ……」が何度「あと10回」になったか分からない。


    基本情報

    開発: Klei Entertainment
    販売: Klei Entertainment
    リリース日: 2026年3月3日(正式版)
    価格: ¥3,400(税込)
    プラットフォーム: PC (Steam), Nintendo Switch 2
    プレイ人数: 1-4人(ローカル協力 / オンライン協力)
    言語: 日本語対応(フルローカライズ)
    ジャンル: ハック&スラッシュ、ローグライト、ベルトスクロールアクション、ダンジョンクローラー
    Steam評価: 非常に好評(91% – 2,069件のレビュー)


    購入リンク

    Steam: https://store.steampowered.com/app/2015270/Rotwood/


    公式リンク

    公式サイト: https://www.klei.com/games/rotwood
    X (Twitter): https://x.com/klei
    Discord: https://discord.gg/klei
    YouTube:https://www.youtube.com/kleient
    Twitch: https://www.twitch.tv/kleientertainment

  • 見切ったと思ったのに実戦では即死! 武術ローグライト『Forestrike』は「先見の明」があっても勝てない究極の格闘パズル

    見切ったと思ったのに実戦では即死! 武術ローグライト『Forestrike』は「先見の明」があっても勝てない究極の格闘パズル

    こんなに頭を悩ませるローグライトがあっただろうか?

    「先見の明があれば無敗」だと思っていた。Steam のストアページで『Forestrike』を初めて見たとき、「戦う前に結果がわかるって、それじゃあ負けようがないじゃん」と軽く考えていたのだ。

    それがどれだけ甘い考えだったか、実際にプレイしてみて痛感することになる。戦いを事前に何度でも練習できる「先見」という能力を持ちながら、現実の戦いではあっさりと敗北する日々が続いた。

    先見は万能ではない……完璧を要求される戦略パズル

    『Forestrike』の主人公・祐は、戦闘前にその流れを頭の中でシミュレーションできる「先見」という超能力を持っている。プレイヤーは実戦の前に何度でも戦いを練習し、最適解を見つけてから本番に臨むことができる。

    しかし、ここに巧妙な罠が隠されている。先見での練習は確かに無限にできるが、実戦では失敗が許されない。体力は3しかなく、実質的に3回攻撃を受けたら死亡。しかもローグライトなので死んだら最初からやり直しだ。

    つまり「完璧な実行」が絶対条件となる。先見で100回練習して完璧な戦略を立てても、実戦でタイミングを1フレーム間違えるだけで即死する。これほどまでに理論と実践の差を痛感させられるゲームは珍しい。

    師匠選びで変わる戦い方……5つの流派が織りなす戦略性

    本作では5人の師匠から1人を選んでスタートする。それぞれが独自の戦闘スタイルを持っており、攻略法も大きく変わる。

    防御重視の翠葉流では、敵の攻撃を完璧にブロックしながら反撃のチャンスを狙う慎重な戦い方が求められる。一方、機動力を活かした疾風流では、回避を駆使してヒット&アウェイ戦法で立ち回る。

    さらに面白いのが、謎に包まれた「モンキー師匠」の存在だ。隠し師匠的な位置づけで、なんとバナナを武器にして戦うという奇想天外なスタイル。真面目な武術の世界に突然現れるこのコミカルさが、ゲームに絶妙なアクセントを加えている。

    敵パターンを覚えることが成長の証拠

    最初の数戦は本当にお手上げ状態だった。先見で「よし、この順番で攻撃すれば勝てる」と思っても、実戦では緊張でボタンを押し間違えたり、タイミングがずれたりして失敗の連続。

    しかし、徐々に敵の行動パターンが頭に入ってくると、戦況が一変する。「この敵は2回攻撃した後に必ず隙ができる」「あの敵は接近すると強烈な反撃をしてくる」といった知識が蓄積されていく。

    そして何より重要なのが、自分の操作精度の向上だ。先見で立てた戦略を実戦で再現する技術が身につくにつれて、まるで武術の達人になったかのような全能感を味わえる。完璧なタイミングでパリィを決めて敵を無力化し、華麗なコンボで仕留めたときの爽快感は格別だ。

    Reality Run……真の試練が待っている

    5人の師匠それぞれで1回ずつクリアすると、本作最大の挑戦「Reality Run」が解放される。これは「先見」の使用が一切禁止されたモードで、文字通り一発勝負となる。

    25~30分のランが一度でも失敗すると最初からやり直し。今まで先見に頼っていた自分がいかに甘えていたかを思い知らされる残酷なモードだ。

    しかし、このReality Runこそが『Forestrike』の真髄と言える。先見なしで敵を倒せるようになったとき、プレイヤーは真の武術の達人となったのだ。

    ピクセルアートと水彩画が織りなす美しい世界

    戦闘パートは緻密なピクセルアートで描かれており、一撃一撃に重みを感じさせる。一方、ストーリーシーンは美しい水彩画風の静止画で表現され、アジア的な情緒あふれる世界観を演出している。

    この異なるアートスタイルの組み合わせが独特の魅力を生み出しており、戦闘の緊張感とストーリーの叙情性を見事に使い分けている。

    Steam Deck でも快適にプレイ可能

    本作はSteam Deck での動作も良好だ。携帯機でじっくりと戦略を練りながらプレイするスタイルとも相性がよく、通勤時間や寝る前のちょっとした時間にも楽しめる。

    ただし、先見で何度も練習していると時間を忘れがちなので注意が必要だ。「あと1回だけ練習してから実戦に」と思っているうちに1時間経過していた、なんてことがよくある。

    格闘ゲームとパズルゲームの完璧な融合

    『Forestrike』は単なるアクションゲームではない。戦略的思考力、パターン認識能力、そして正確な操作技術を同時に求められる、まさに「プレイアブルな詰将棋」とでも言うべき作品だ。

    先見という設定は単なるゲームシステムではなく、プレイヤーの成長過程そのものを表現している。最初は先見に頼りきりだったプレイヤーが、やがて敵の動きを読み、完璧な操作で勝利を掴む。この過程こそが本作最大の醍醐味なのだ。

    Steam で非常に好評(92%)という高評価も納得の出来栄え。Devolver Digital らしい尖った個性と、Skeleton Crew Studio の丁寧な作り込みが見事に調和した名作ローグライトと言えるだろう。

    難易度は確かに高いが、それを上回る満足感と成長の実感がある。武術映画のような緊張感ある戦闘を味わいたい方、戦略パズルとアクションの融合を楽しみたい方には心からオススメしたい。

    基本情報

    ゲーム名: Forestrike
    開発: Skeleton Crew Studio, Thomas Olsson
    パブリッシャー: Devolver Digital
    プラットフォーム: Steam (PC), Nintendo Switch
    リリース日: 2025年11月18日
    価格: 1,200円
    日本語対応: あり
    Steam評価: 非常に好評 (92% / 412レビュー)

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  • 『Absolum(アブソラム)』は、なぜこんなにも ”止められない ”のか? 格闘ゲーム級のベルトスクロールとローグライトが融合した傑作を語りたい

    『Absolum(アブソラム)』は、なぜこんなにも ”止められない ”のか? 格闘ゲーム級のベルトスクロールとローグライトが融合した傑作を語りたい

    『Hades』のビルド構築の楽しさと、『ストリートファイター』のような格闘ゲームの奥深さが、一つのゲームで完結してしまったら?

    2025年10月にリリースされた『Absolum(アブソラム)』は、まさにそんな「わがままな願い」を叶えてしまった傑作です。Steam評価90%超え、メタスコア85点という数字は伊達ではありません。

    筆者は数々のベルトスクロールアクション(ベルスク)を遊んできましたが、正直に言いましょう。「ベルスクは単調で飽きやすい」という定説は、このゲームが過去のものにしました。

    格闘ゲームのような奥深い戦闘──ただのボタン連打じゃ勝てない

    ベルトスクロールアクションといえば、攻撃ボタンを連打して敵をなぎ倒す爽快感が真骨頂だ。しかし『Absolum』は、その常識を良い意味で裏切ってくる。

    本作の戦闘システムは驚くほど奥深い。基本攻撃、強攻撃、投げ、ダッシュ攻撃といったオーソドックスなアクションに加え、パリィ(カウンター)クラッシュ(重攻撃同士のぶつかり合い)テクニカル攻撃プレッシャーメーターなど、格闘ゲームさながらの要素が詰め込まれている。

    特に驚いたのが回避カウンターの爽快感だ。敵の攻撃を絶妙なタイミングで回避すると、時間がスローになって反撃のチャンスが生まれる。これが決まったときの快感たるや……! 『ベア・ナックル4』でも回避は重要だったが、『Absolum』では回避そのものが攻撃手段として機能するため、より戦略的なプレイが求められる。

    また、敵を地面にバウンドさせて空中コンボを繋ぐ「ジャグル」システムも秀逸だ。画面端まで敵を吹き飛ばし、跳ね返ってきたところをさらに攻撃──この連続コンボが決まると、まるで格闘ゲームのようなテクニカルな快感が味わえる。ただし、無限コンボを防ぐために一定時間でコンボが途切れる仕組みも用意されており、ゲームバランスも絶妙だ。

    4人の個性的なキャラクター──どれを選んでも楽しい

    『Absolum』には4人のプレイアブルキャラクターが登場する。それぞれが全く異なる戦闘スタイルを持っており、選ぶキャラによってプレイ感覚がガラリと変わるのが面白い。

    まずはガランドラ。エルフの剣士で、大剣を振り回すパワフルなファイター。リーチが長く、範囲攻撃が得意なため、囲まれたときに頼もしい。筆者は最初のプレイでガランドラを選んだが、豪快な一撃が気持ちよく、まさに「王道の主人公」という感じだった。

    次にカール。ドワーフの格闘家で、銃(ブランダバス)と拳を使い分ける近接戦のスペシャリスト。リーチは短いが火力が高く、敵を殴り飛ばす豪快なアクションが魅力だ。

    そしてサイダー。彼女の最大の特徴は、伸縮自在の義手アームだ。遠くの敵を引き寄せたり、空中の敵を掴んで地面に叩きつけたりと、まるで『モータルコンバット』のスコーピオンのような戦い方ができる。「Get over here!(こっちに来い!)」と叫びたくなる瞬間が何度もあった。

    最後はブローム。カエルの魔法使いで、杖を使った遠距離攻撃が得意。杖にまたがってサーフボードのように滑走したり、魔法弾を連射したりと、他のキャラとは一線を画すプレイ感覚が楽しめる。筆者は2周目でブロームを選んだが、遠距離から敵を一掃する快感にすっかりハマってしまった。

    ローグライト要素がもたらす「もう一回」の魔力

    『Absolum』の最大の特徴は、ベルトスクロールアクションにローグライト要素を融合させた点だ。これが驚くほど相性が良い。

    各ランでは、敵を倒すごとにランダムなアップグレードが手に入る。属性魔法(アルカナ)パッシブボーナス(トリンケット)新しい必殺技(儀式)など、その種類は膨大だ。火・水・風・死霊術といった属性を組み合わせ、自分だけのビルドを作り上げる楽しさがある。

    筆者が特に気に入っているのが死霊術ビルドだ。敵を倒すたびにスケルトンを召喚し、画面を骸骨の大群で埋め尽くす──このカオスな光景がたまらなく楽しい。一方で、火属性に特化して画面全体を炎で覆う「焼き尽くしビルド」も試したが、こちらも爽快感抜群だった。

    また、ステージ間で分岐ルートを選べるのも面白い。「橋を渡るか、橋の下をくぐるか」「森を抜けるか、城壁を登るか」──選択によって訪れるエリアが変わり、毎回新鮮な体験ができる。さらに、特定のルートを選ぶことでサイドクエストが発生し、新しいキャラクターやショートカットがアンロックされることもある。

    ボス戦は歯ごたえ抜群──死んでも「もう一回」と思える絶妙な難易度

    『Absolum』のボス戦は一筋縄ではいかない。それぞれが独特な攻撃パターンを持ち、パリィやカウンターを駆使しなければ勝てない強敵ばかりだ。

    筆者が最初に苦戦したのは、鉱山エリアのボス。画面全体を揺らす攻撃や、天井から巨大な岩を落としてくるギミックに翻弄された。何度も死んだが、そのたびに「次はこう戦おう」と戦略を練り直し、ついに倒したときの達成感は格別だった。

    また、ボス戦中にはヘビーメタルなBGMが流れる演出も熱い。作曲は『エルデンリング』や『SEKIRO』で知られる北村友香(Yuka Kitamura)氏が担当しており、中世ファンタジーの雰囲気と激しいロックが融合した楽曲が戦闘を盛り上げる。

    協力プレイで味わう「もう一つの楽しさ」

    『Absolum』は最大2人での協力プレイに対応している。オンライン・ローカルどちらでも遊べるが、特に素晴らしいのが進行システムだ。

    多くの協力ゲームでは「ホストのセーブデータしか進まない」という問題があるが、『Absolum』では両プレイヤーの進行状況を分析し、両者が報酬を得られる最適なポイントからスタートできる。つまり、どちらのプレイヤーもソロでプレイしているかのように実績をアンロックし、報酬を獲得できるのだ。この配慮は素晴らしい。

    筆者は友人と2人でプレイしたが、属性魔法を組み合わせた連携攻撃がとにかく楽しかった。相手が火炎を放っている間に自分が風魔法で威力を増幅したり、水魔法で敵を凍らせてから電撃で感電させたり──シナジー効果を意識したプレイは、ソロとはまた違う戦略性がある。

    手描きアートが織りなす美麗な世界観

    本作のビジュアルは、Supamonksが手掛けた手描きのコミックアートが特徴だ。色鮮やかな森、陰鬱な鉱山、荘厳な城──どのエリアも絵本のように美しく、スクリーンショットを撮りたくなる瞬間が何度もあった。

    キャラクターのアニメーションも非常に滑らかで、攻撃のたびに「重さ」や「衝撃」が伝わってくる。特にガランドラの大剣攻撃や、カールの拳が敵に命中する瞬間のヒットストップ演出は、格闘ゲームのような気持ちよさがある。

    シンプルだが深い──「もう一回」が止まらないゲームデザイン

    『Absolum』の魅力を一言で表すなら、それは「もう一回」が止まらないことだ。

    死んでも装備やスキルはそのまま残るため、ローグライクにありがちな「全てを失う虚無感」が少ない。むしろ「次はもっと強いビルドを試そう」「あのルートを選んでみよう」という前向きな気持ちになれる。

    また、ゲーム全体の設計が「6分間の試合」を繰り返すような構造になっており、1ランが短時間で完結するのも魅力だ。仕事の合間や寝る前のちょっとした時間にサクッと遊べるが、気が付けば何時間も遊んでしまっている──そんな中毒性がある。 『Absolum』は、ベルトスクロールの新たな地平を切り開く

    『ベア・ナックル4』や『TMNT: Shredder’s Revenge』が好きだった人にも、『Hades』のようなローグライトが好きな人にも、そして格闘ゲームのような技術的なプレイが好きな人にも──『Absolum』は全てに応えてくれる傑作だ。

    筆者はすでに30時間以上プレイしているが、まだまだ遊び足りない。新しいビルドを試すたび、新しいルートを選ぶたびに、まだ見ぬ発見がある。これこそが『Absolum』が持つ魔力だ。

    もし「ベルトスクロールは好きだけど、すぐ飽きちゃうんだよね」と思っている人がいたら、ぜひ『Absolum』を試してほしい。このゲームは、あなたが思い描く「ベルトスクロールアクションの理想形」を超えてくるはずだ。

    基本情報

    • タイトル: Absolum(アブソラム)
    • 開発: Guard Crush Games, Supamonks, Dotemu
    • 販売: Dotemu, Gamirror Games(日本はアークシステムワークス)
    • プラットフォーム: Steam, PlayStation 5, PlayStation 4, Nintendo Switch
    • 発売日: 2025年10月9日(ダウンロード版)、2025年11月6日(パッケージ版)
    • 価格: ダウンロード版 2,970円(税込)、パッケージ版 3,960円(税込)
    • プレイ人数: 1-2人(オンライン・ローカル協力プレイ対応)
    • 難易度: 初心者~上級者向け(3段階の難易度設定)
    • プレイ時間: 1周 8-12時間、完全クリア 30時間以上
    • Steam評価: 非常に好評(90%)
    • 日本語: 完全対応

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