カテゴリー: PvE

  • 『Don’t Starve』のKleiが仕掛ける新境地! 『Rotwood』はローグライトとベルトスクロールが見事に融合したハクスラアクションだ

    『Don’t Starve』のKleiが仕掛ける新境地! 『Rotwood』はローグライトとベルトスクロールが見事に融合したハクスラアクションだ

    「Kleiの新作って、いつもジャンルがバラバラじゃない?」サバイバルホラーの『Don’t Starve』、ステルスアクションの『Mark of the Ninja』、そしてカードRPGの『Griftlands』……確かに統一感はないけど、そのどれもがインディーズゲーム界に強烈な爪痕を残してきた名作ばかり。そんなKlei Entertainmentが満を持して送り出したのが、2026年3月3日に正式リリースされた『Rotwood』だ。

    Castle Crashersの正統進化系!? だけど、それ以上のものがある

    本作を初めて見たとき、多くの人が「あれ? Castle Crashersっぽくない?」と思ったはず。実際、筆者もそう感じた。横スクロールのベルトアクション、最大4人協力プレイ、カラフルなビジュアル……確かに表面的には似ている。でも、プレイしてみると驚くほど違う。

    『Rotwood』が他のベルトスクロールアクションと一線を画しているのは、ローグライトとハック&スラッシュの要素を完璧に融合させている点だ。Castle Crashersでは各キャラクターの技がほぼ同じで、長時間プレイするとどうしてもマンネリ化してしまった。しかし『Rotwood』は違う。ハンマー、スピア、キャノン、ボールという4種類の武器はそれぞれまったく異なる戦闘スタイルを提供し、さらにスキルやパワーアップの組み合わせで、毎回新鮮な体験が味わえる。

    特に注目すべきはキャノンだ。通常の回避ボタンがリロードに置き換わり、強攻撃で後方に吹っ飛びながら敵を攻撃する。つまり、移動手段そのものが戦闘アクションになっているのだ。弾数管理、ポジショニング、タイミング……この武器ひとつで、ゲーム全体の戦い方が劇的に変わる。こんな大胆な武器設計、なかなかお目にかかれない。

    スキルこそがすべて! 運より実力が勝敗を分ける設計

    ローグライト系のゲームでよくある不満が「運ゲーすぎる」という点だ。たまたま強力なアイテムを引けたから勝てた、逆に引けなかったから負けた……そんな展開にウンザリした経験がある人も多いだろう。

    しかし『Rotwood』は違う。公式が明言している通り、「真の達成感はスキル、適応力、正確な実行から生まれる」という哲学が貫かれている。確かにパワーアップはランダムで出現するが、それはあくまでスパイスに過ぎない。各武器の攻撃パターンを習得し、敵の行動を理解し、回避のタイミングを完璧に掴む……そうしたプレイヤー自身の成長こそが、攻略の鍵なのだ。

    実際、ハンマーを使えば特定の攻撃中にジャンプしてダメージを回避できるし、スピアは多段ヒットで手数勝負が可能。ボールは投げて跳ね返ってきたところを再度打ち返す、まるでテニスのような戦い方ができる。こうした武器ごとの個性を理解し、使いこなせるようになった瞬間、本作の本当の面白さが開花する。

    ボス戦の緊張感が尋常じゃない

    各エリアの最後には強力なボスが待ち構えている。こいつらがまた、手強い。攻撃パターンが複雑で、弱点を見極めて武器を使い分けないと突破できない。しかも、リスポーンは拠点に戻されるだけで、装備やスキルはそのまま持ち越せるとはいえ、一度死ぬと再びボスまで辿り着くのが面倒だ。

    でも、だからこそ勝てたときの達成感が凄まじい。ボスを倒すと、次のエリアに進むために必要なユニークな素材が手に入る。この「倒さなければ先に進めない」という明確なゴール設定が、緊張感とモチベーションを高めてくれる。

    そして何より、協力プレイでのボス戦がめちゃくちゃ楽しい。4人で役割分担しながら、「お前は遠距離で削ってくれ! 俺が前衛でヘイトを稼ぐ!」なんてやり取りをしながら巨大なボスに立ち向かう興奮は、ソロでは絶対に味わえない。

    拠点建設で冒険を支える温かみ

    戦闘だけでなく、拠点建設要素も本作の大きな魅力だ。ダンジョンで集めた素材を使って、果樹園や農場、工房を建設し、仲間を雇って拡張していく。これが単なるおまけではなく、しっかりとゲームプレイに組み込まれている。

    拠点で作った装備やアイテムは次の冒険に持っていけるし、素材を効率よく集めるために何度も同じダンジョンに潜る……というメタプログレッションのサイクルが心地よい。戦闘で疲れたら拠点に戻って建設を楽しみ、またダンジョンへ……この緩急のバランスが絶妙だ。

    Klei特有のアートスタイルが光る

    Kleiといえば、独特のコミック調アートスタイルだ。『Rotwood』でもその伝統はしっかり受け継がれており、ケモノキャラクターたちが暴れまわる様子は見ているだけで楽しい。

    特に敵デザインが秀逸で、堕落したRotと呼ばれるクリーチャーたちは、可愛さと不気味さが同居している。一見ポップなのに、どこか邪悪な雰囲気が漂う……この絶妙なバランスがKleiらしい。

    早期アクセスから2年、ついに完成した傑作

    本作は2024年4月にSteam早期アクセスとして登場し、約2年の開発期間を経て2026年3月3日に正式リリースされた。その間、Kleiは丁寧にアップデートを重ね、プレイヤーのフィードバックを反映してきた。

    正式リリース版では、新たなエンディング、最終ボス、そして「Super Frenzy」と呼ばれるエンドゲームコンテンツが追加されている。つまり、クリア後もやり込める要素がたっぷり用意されているのだ。

    Steamでの評価は?

    現在のSteam評価は全体で91%が好評(2,069件のレビュー)、直近30日では63%(57件)とやや下がっているが、これは正式リリース直後の混乱期によくある現象だろう。長期的にはポジティブな評価が安定すると予想される。

    ソロでも楽しい、でも協力プレイが真骨頂

    『Rotwood』はソロでも十分楽しめるが、やはり最大4人協力プレイこそが真骨頂だ。ローカル協力プレイとオンライン協力プレイの両方に対応しており、友達と一緒にワイワイ遊ぶも良し、野良マッチで見知らぬプレイヤーと共闘するも良し。

    特に、難易度が4段階用意されており、上位難易度では協力が必須になってくる。「簡単すぎてつまらない」なんてことはまず起きないので安心してほしい。

    結論:ハクスラ×ベルトスクロール好きなら絶対買い

    『Rotwood』は、ベルトスクロールアクションの爽快感、ハック&スラッシュの中毒性、ローグライトのリプレイ性、そして拠点建設の温かみを見事に融合させた傑作だ。

    Klei Entertainmentというブランドに恥じない、圧倒的なクオリティと独自性。『Don’t Starve』や『Mark of the Ninja』が好きだった人はもちろん、『Castle Crashers』や『Hades』のようなゲームを楽しんだ人にも全力でオススメしたい。

    唯一の欠点は……中毒性が高すぎて時間が溶けることくらいだろうか。筆者も「あと1回だけ……」が何度「あと10回」になったか分からない。


    基本情報

    開発: Klei Entertainment
    販売: Klei Entertainment
    リリース日: 2026年3月3日(正式版)
    価格: ¥3,400(税込)
    プラットフォーム: PC (Steam), Nintendo Switch 2
    プレイ人数: 1-4人(ローカル協力 / オンライン協力)
    言語: 日本語対応(フルローカライズ)
    ジャンル: ハック&スラッシュ、ローグライト、ベルトスクロールアクション、ダンジョンクローラー
    Steam評価: 非常に好評(91% – 2,069件のレビュー)


    購入リンク

    Steam: https://store.steampowered.com/app/2015270/Rotwood/


    公式リンク

    公式サイト: https://www.klei.com/games/rotwood
    X (Twitter): https://x.com/klei
    Discord: https://discord.gg/klei
    YouTube:https://www.youtube.com/kleient
    Twitch: https://www.twitch.tv/kleientertainment

  • 手動リロード、手動歩行、手動まばたき。『They Killed Your Cat』が問いかける「FPSの原点」とは何か

    手動リロード、手動歩行、手動まばたき。『They Killed Your Cat』が問いかける「FPSの原点」とは何か

    「猫を殺されたという理由で、無抵抗な敵を撃ち続けるゲーム」——そう聞いて、あなたはどんな印象を持つだろうか。筆者も最初は困惑した。しかし実際にプレイしてみると、本作が単なるバイオレンスシューターではなく、FPS操作の「当たり前」を根底から見つめ直す実験的な作品だと気づかされた。

    2026年2月24日、インディーデベロッパーVekariaによってSteamでリリースされた『They Killed Your Cat』は、短くも容赦ない復讐劇を描くFPSだ。タイトル通り、主人公は愛する猫を殺された男。彼が向かうのは、白く無機質なオフィス空間。そこで待ち受けるのは武器を持たず、手を挙げて投降するような仕草を見せる敵たち——だが、容赦はない。

    すべてを「手動」にしたらFPSはどうなる?

    本作の最大の特徴は、通常のFPSでは自動化されている動作のほぼすべてを「手動操作」に置き換えたことだ。リロードはボタン一つで完結しない。マガジンを抜き、新しいマガジンを挿入し、スライドを引く——それぞれが個別のキー操作として要求される。各武器ごとにリロード手順が異なり、ジャミング(弾詰まり)が発生すれば、それもまた手動で解除しなければならない。

    さらに驚くべきは「歩行」の概念だ。通常のゲームではWASDキーで自由に移動できるが、本作では左足と右足を個別に制御する必要がある。つまり、キーを交互に押しながら前進するのだ。慣れないうちはぎこちなく、まるで赤ん坊が歩行を学ぶような感覚になる。

    極めつけは「まばたき」だ。一定時間まばたきをしないと視界がぼやけ始め、最終的には目を閉じざるを得なくなる。その間は完全に無防備だ。現実世界では誰もが無意識に行っている動作を、ゲーム内で意識的に管理しなければならないというシュールさ——これが、本作独特の緊張感を生み出している。

    設定でこれらの手動操作を無効化することもできるが、あえてすべてを手動にする「マニュアルモード」でクリアすると専用の実績が解除される。筆者も挑戦してみたが、リロード中に敵に囲まれ、歩行がおぼつかなくなり、まばたきのタイミングを見失う——その地獄のような体験こそが、本作の真骨頂だと感じた。

    白い廊下、無抵抗な敵、そしてプレイヤーの違和感

    本作の舞台は、ほぼ全編が白く清潔感のあるオフィスビル風の空間だ。蛍光灯が照らす廊下、並ぶデスク、トイレや給湯室——日常的な空間が、復讐劇の舞台となる。敵となるのは、武装していないスーツ姿の人物たちだ。彼らは手を挙げて降伏の意思を示すこともあるが、近づけば襲いかかってくる。

    この設定は賛否を呼んでおり、Steamのレビューでも「不快」「倫理的に問題がある」といった指摘が見られる。実際、筆者も最初のプレイでは違和感を覚えた。しかし、何度かプレイするうちに、この「不快さ」こそが開発者の意図なのではないかと思うようになった。

    本作は、FPSというジャンルが持つ暴力性を、あえて生々しい形で提示する。武装した兵士やゾンビではなく、オフィスにいる「普通の人々」を撃つという行為は、プレイヤーに「自分は今、何をしているのか」という問いを突きつける。それは不快かもしれないが、だからこそ記憶に残る体験となる。

    開発者Vekariaとシンプルな哲学

    本作を手がけたVekariaは、これまでほとんど実績のない新興デベロッパーだ。公式の情報は限られているが、X(旧Twitter)のアカウント@KilledYourCatでは、開発中のスクリーンショットや動画が公開されていた。

    興味深いのは、Vekariaが本作で「シンプルさ」を追求している点だ。グラフィックはローポリゴンで、UIは最小限。ストーリーも最低限しか語られない。だが、その引き算の美学が、逆に操作の複雑さや緊張感を際立たせている。

    本作は1.61GBという軽量なファイルサイズで、最低要件もIntel Core i5、4GB RAM、NVIDIA 970相当と控えめだ。誰でも気軽にプレイできる一方で、その内容は決して「カジュアル」ではない。この対比もまた、本作の魅力の一つだろう。

    プレイヤーの反応:賛否両論の中で見えるもの

    Steamでの評価は「やや好評」で、355件のレビュー中72%が肯定的だ。肯定的なレビューでは「独特の操作が新鮮」「短いが濃密な体験」「手動操作が思ったより楽しい」といった声が目立つ。

    一方、否定的なレビューでは「内容が薄い」「同じ廊下の繰り返しで飽きる」「倫理的に不快」「これは『Trepang 2』や『I Am Your Beast』の劣化版だ」といった意見が見られる。特に比較されがちなのが、同じく復讐をテーマにしたFPS『Trepang 2』だが、本作はそれとは異なるアプローチを取っている。

    開発者はコミュニティからのフィードバックを積極的に受け入れており、リリース直後から複数回のアップデートを実施している。ハンマーなどの近接武器の追加、新たなギミック、UIの改善など、着実に進化を続けている点は評価したい。

    実績システムとリプレイ性

    本作には15の実績が用意されており、いずれもゲームのメカニクスに関連したものだ。「火災報知器を作動させる」「立ち式デスクを操作する」「トイレを流す」といった環境インタラクションから、「目を閉じたまま敵を倒す」「1000歩を踏む」「完全手動モードでクリアする」といった高難度のものまで幅広い。

    特に「FLUSH MASTER」(すべてのトイレを流す)は、マップ探索を促す実績として機能している。本作は一本道のように見えて、実はいくつかのルートやサイドルームが存在する。これらを見逃すと実績を取り逃がすことになるため、2周目以降のモチベーションにもなっている。

    また、「MANUAL AVENGER」(完全手動モードでクリア)は真のチャレンジだ。筆者も挑戦したが、リロードと歩行を同時に管理しながら敵の波をかわすのは、想像以上に困難だった。だが、達成したときの達成感はひとしおだ。

    短いが密度の濃い体験——プレイ時間と価格のバランス

    本作のプレイ時間は、通常モードで30分から1時間程度。手動モードでも2時間あればクリアできるだろう。これを「短すぎる」と見るか、「密度が濃い」と見るかは、プレイヤー次第だ。

    定価800円で購入できる。この価格帯であれば、実験的な作品としては妥当だと筆者は感じた。2時間のプレイ時間で得られる体験の濃さを考えれば、決して高くはない。

    ただし、長時間遊べるゲームを求めている人には向かない。本作はあくまで「短編映画」のような立ち位置だ。一度のプレイで強烈な印象を残し、プレイヤーの記憶に刻まれる——そういうタイプのゲームである。

    FPSの「当たり前」を疑う勇気

    『They Killed Your Cat』は、決して万人向けのゲームではない。暴力的な設定、不快感を伴うテーマ、実験的な操作——これらはすべて、プレイヤーを選ぶ要素だ。

    だが、だからこそ価値がある。本作は、FPSというジャンルが長年積み重ねてきた「快適さ」や「自動化」を一度解体し、「もし全てが手動だったら?」という問いを投げかける。その答えは不便で、不快で、時に滑稽だが、同時に新鮮で、緊張感があり、記憶に残る。

    Steamのレビューで「これはゲームなのか、それともアートプロジェクトなのか」と問う声があったが、筆者はその両方だと思う。ゲームとしての面白さと、メッセージ性を持つアート作品としての側面——その両立こそが、本作の最大の魅力だ。

    もしあなたが、いつものFPSに飽きているなら、あるいは「ゲームとは何か」を考えるきっかけが欲しいなら、『They Killed Your Cat』は試してみる価値がある。猫を殺された男の復讐劇は、きっとあなたの記憶に刻まれるはずだ。


    基本情報

    開発: Vekaria
    販売: Vekaria
    リリース日: 2026年2月24日
    価格: 800円
    プラットフォーム: Steam
    プレイ人数: 1人(シングルプレイヤー)
    言語: 英語、フランス語、イタリア語、ドイツ語、スペイン語、ポーランド語、ポルトガル語(ブラジル)、中国語(簡体字・繁体字)、日本語、韓国語、ロシア語
    ジャンル: FPS、アクション、シミュレーション、カジュアル、インディー
    Steam評価: やや好評(72% – 355件のレビュー)

    購入リンク

    Steam: https://store.steampowered.com/app/3489420/They_Killed_Your_Cat/

  • 人喰いエレベーターに乗って地下へ。最大6人協力プレイの協力型ホラー『人喰ノ檻 ーKLETKA』正式リリース

    人喰いエレベーターに乗って地下へ。最大6人協力プレイの協力型ホラー『人喰ノ檻 ーKLETKA』正式リリース

    Steam で漁っていたら、なんとも不思議なタイトルに出会った。『人喰ノ檻 – KLETKA』。人喰い……エレベーター? その組み合わせだけで十分に好奇心をそそられる。Callback と ln404 が手掛けた本作は、最大6人で協力してギガストラクチャーと呼ばれる巨大建造物を探索する、一風変わった協力型ホラーゲームだ。

    2024年12月13日に早期アクセスが開始され、2026年2月19日に正式版がリリースされた本作は、Steam で「非常に好評」(91%)という高評価を獲得している。ホラーゲームといえば一人でプレイするイメージが強いが、本作は仲間と協力しながら進める点が最大の特徴だ。ただし、その仲間が「良き友」になるか「良き燃料」になるかは……プレイヤー次第である。

    生きたエレベーターに餌を与え続けろ

    プレイヤーは犯罪者として KLETKAに送られ、「ギガストラクチャー」と呼ばれる無限に拡張を続ける建造物の深層へ降りていく刑罰を受ける。移動手段は生きたエレベーター「クレトカ」だけ。このエレベーターは常に空腹で、燃料だろうが肉だろうが、ましてやモンスターだろうが何でも食べる雑食性。

    クレトカに餌を与え続けなければ、今度はプレイヤー自身が食べられてしまう。各フロアを探索して燃料や素材を集め、エレベーターを満たしながら下へ下へと進んでいく。フロアは危険なトラップや異常な通路で構成されており、一歩間違えればそのフロアが最後になる可能性もある緊張感が常につきまとう。

    さらに恐ろしいのが「サモスボル」と呼ばれる謎の異常現象。サイレンが鳴り響いたら、すべてを捨ててエレベーターに駆け込むしかない。この現象から生き延びた者はこれまで一人もおらず、唯一の避難場所が皮肉にも人喰いエレベーターというのが本作の皮肉な設定だ。

    協力と裏切りが隣り合わせ

    本作は最大6人までの協力プレイに対応している。仲間と役割を分担し、資源を集め、互いに支え合いながら進むのが基本戦略だ。しかし、極限状態では仲間同士が「燃料」になる可能性もあるという、緊張感あふれる設計が特徴的。

    ソロプレイも可能だが、難易度はかなり高め。仲間がいれば、トラップの解除、モンスターとの戦闘、資源の収集などを分担できるため、生存率が格段に上がる。ただし、信頼できる仲間と組むか、それとも裏切りのリスクを抱えながら進むかは、プレイヤーの判断に委ねられる。

    公式サイトには「君たちが支え合えば、良き友となるが… 仲間は良い燃料にもなる」という不穏なフレーズが記されており、協力と裏切りが常に隣り合わせであることを示唆している。

    レトロなビジュアルが恐怖を演出

    本作の大きな特徴の一つが、PlayStation 1 を思わせるレトロなドット絵グラフィックスだ。粗いピクセルアートと不気味なサウンドデザインが相まって、独特の雰囲気を醸し出している。

    開発者の Callback と ln404 は、ポストソビエトの廃墟的な世界観を表現するために、あえて低解像度のビジュアルを採用。暗い通路、錆びついた機械、不気味な影が動くフロアなど、レトロなグラフィックスだからこそ生まれる恐怖感が味わえる。

    また、音楽もこだわりのポイント。トレーラーではレイブのような激しい音楽が流れる一方、探索中は Minecraft のようなアンビエント系の BGM が流れ、プレイヤーを不安にさせる。カセットテープを集めることで、様々な音楽を楽しめるコレクション要素も用意されている。

    早期アクセスから好評を獲得

    2024年12月13日に早期アクセスが開始されて以来、本作は継続的にアップデートを重ねてきた。正式版リリースに向けて、新バイオーム「Prison Sector(監獄セクター)」の追加、クイックプレイ機能の改善、ボイスチャット対応、ワードローブ機能、新アチーブメント、新スキンなど、多数のコンテンツが追加されている。

    現在、Steam ユーザーレビューでは約4,500件中91%が好評という「非常に好評」ステータスを獲得。『Lethal Company』に似た感触であるとして定評を得ており、特に人喰いエレベーターを含むコンセプトや世界観が持ち味となっている。

    また、本作はクロスプラットフォームプレイにも対応。Steam、Epic Games Store、Xbox、PlayStation 4/5 間でフレンドと一緒にプレイできる(Nintendo Switch 版は後日配信予定)。PC とコンソール間でプレイする場合は「crossplay-stable」ブランチに切り替える必要があるが、Steam と EGS 間では制限なくプレイ可能だ。

    独自の世界観とゲームプレイ

    本作が他の協力型ホラーと一線を画すのは、そのユニークな設定にある。単なるモンスターからの逃走ではなく、「生きたエレベーター」という存在が常にプレイヤーと共にあり、脅威でもあり保護者でもあるという二面性を持つ。

    ギガストラクチャーは無限に拡張を続ける建造物という設定も興味深い。プレイヤーが降りれば降りるほど、新たな謎と危険が待ち受けている。一体、この建造物の最深部には何があるのか。そして、なぜ生きたエレベーターが必要だったのか。ストーリーを進めることで、徐々に明かされていく世界観も魅力の一つだ。

    『人喰ノ檻 – KLETKA』は、協力型ホラーゲームに新たな風を吹き込む作品として注目に値する。レトロなビジュアル、独特の世界観、そして協力と裏切りが交錯するゲームプレイ。フレンドと一緒にスリリングな体験を求めるなら、ぜひチェックしてほしい一作だ。

    基本情報

    タイトル: 人喰ノ檻 – KLETKA
    開発元: Callback, ln404
    パブリッシャー: Callback, ln404
    早期アクセス開始日: 2024年12月13日
    正式リリース日: 2026年2月19日
    対応プラットフォーム: PC (Steam / Epic Games Store), PS5, PS4, Xbox Series X|S, Xbox One, Nintendo Switch(後日配信)
    価格: Steam 版 1,200円(税込)
    日本語対応: あり
    プレイ人数: 1〜6人(協力プレイ対応)

    購入リンク:

  • 円だけど奥深い!『Circle Empires 2』はカジュアルなのに中毒性満点のRTS復活作

    円だけど奥深い!『Circle Empires 2』はカジュアルなのに中毒性満点のRTS復活作

    「円の世界って何だよ!」が「えっ、もう朝?」に変わる魔法のゲーム

    正直、このゲームを最初に見た時の第一印象は「なにこれ?RTSなのに円しかないじゃん」だった。でも実際にプレイしてみると、その円の世界に驚くほどの戦略の深みが詰まっていることに気づく。

    『Circle Empires 2』は、2018年にヒットしたカジュアルRTS『Circle Empires』の正統続編で、エストニアのLuminousが開発した作品だ。2026年2月9日にSteamで正式リリースされ、すでにSteam評価では83%が好評という高い評価を獲得している。

    サクッと遊べるだけじゃない!進化したサークル征服ゲーム

    前作から引き継がれた「円形の土地を1つずつ征服していく」という基本コンセプトは健在だが、『Circle Empires 2』ではさらに多くの要素が追加されている。

    最も印象的なのは新しいユニットカスタマイズシステムだ。武器、防具、マウント、ベース体型を自由に組み合わせて、自分だけのユニットを作成できる。人間の戦士にスケルトンの弓を持たせたり、エルフの魔法使いをドラゴンに乗せたり…想像力次第で無限の組み合わせが楽しめる。

    そして前作で好評だったランダム生成マップもパワーアップ。プレイするたびに異なるバイオーム、敵、チャレンジが待ち受けており、「同じゲームは二度とない」という開発者の言葉通り、毎回新鮮な体験ができる。

    あの「もう1ラウンドだけ…」が止まらない!

    このゲームの中毒性は異常だ。1プレイが15-30分程度で終わるため「サクッと1戦だけ」と思って始めるのだが、気がつくと夜が明けている。特にマルチプレイヤーモードでは最大250人という大規模な対戦も可能で、PvPスキルマッチは5-12分程度で決着がつくため、ついつい「もう1回」と手が伸びてしまう。

    戦略の奥深さも魅力的だ。各円には独自の資源や野生動物、敵が配置されており、どの円から攻略するかで戦況が大きく変わる。さらに新要素として追加されたマウントシステムにより、小さなユニットを大型クリーチャーに騎乗させることで戦術の幅が格段に広がった。 <image>

    デイリーチャレンジで毎日新しい発見

    地味に嬉しいのがデイリーチャレンジの存在だ。毎日異なる条件で挑戦できるステージが用意されており、ランキング上位を目指すことでやり込み要素も十分。「今日はどんなチャレンジかな?」と毎朝ゲームを起動するのが日課になってしまった。

    改良されたAIと戦術システムも見逃せない。敵はより賢い戦略を使ってくるため、いつものパターンでは太刀打ちできない場面も多い。これにより、プレイヤーは常に新しいアプローチを考える必要があり、ゲームが単調にならない工夫が光っている。

    カジュアルでも本格派でも楽しめる絶妙なバランス

    『Circle Empires 2』の最大の魅力は、その絶妙な難易度調整にある。カジュアルなプレイヤーでも直感的に楽しめるシンプルなルールでありながら、本格的なRTSファンも満足できる戦略性を兼ね備えている。

    協力プレイでは仲間と一緒に世界征服を目指すことも、対戦モードで最強の帝国を築き上げることもできる。1人でじっくり楽しむもよし、友達と盛り上がるもよし、どんなスタイルでも楽しめる懐の深さがある。

    基本情報

    開発者: Luminous

    パブリッシャー: Iceberg Interactive

    プラットフォーム: PC (Steam)

    価格: 通常価格 ¥1,500(15%オフセール中 ¥1,275)

    日本語対応: あり

    Steam評価: 非常に好評(83% of 72 reviews)

    ジャンル: リアルタイムストラテジー、ローグライト、アクションRTS

    プレイ人数: 1-250人(マルチプレイヤー)

    購入リンク

    Steam: https://store.steampowered.com/app/3093020/Circle_Empires_2/

    公式リンク

    公式サイト: https://www.iceberg-games.com/games/circle-empires-2/

    開発者X: https://twitter.com/circleempiresg

  •  いったい何があった? 薬物に溺れた殺し屋が地獄のラスベガスでマフィアを一掃する『Jackal』がヤバすぎる

     いったい何があった? 薬物に溺れた殺し屋が地獄のラスベガスでマフィアを一掃する『Jackal』がヤバすぎる

     最近、Steamストアを徘徊していて思うことがある。インディーズゲームの世界には、メジャーなタイトルでは絶対に実現しそうもない狂った発想のゲームが次から次へと現れ、我々プレイヤーを混乱と快楽の渦に叩き込んでくれることだ。

     そんな中、2026年2月5日にTranshuman Designから突如として現れた『Jackal』は、まさにそんな「なんでこんなゲーム作ったの?」という疑問を抱かずにはいられない、とんでもないタイトルである。

     薬物に溺れたドラッグキメキメの殺し屋が、1970年代のラスベガスでマフィアを片っ端から血祭りに上げまくるという、まるでタランティーノ映画とジョン・ウィック、そしてHotline Miamiを混ぜてドラッグでキメたような狂気の見下ろし型アクションなのだ。

    何もかもが一撃死の殺戮劇場!

     最初にプレイして驚愕したのは、とにかく全てがワンショットキル仕様だということ。敵も主人公も、基本的に一発食らえば即死という、極限まで緊張感を高めたゲームバランスになっている。

     筆者も最初の数分で何度死んだかわからない。「えっ、もう死ぬの?」「マジで? 今のでアウト?」みたいな感じで、あまりの理不尽さに思わず苦笑いしてしまうほどだ。

     だが、この殺伐としたゲームバランスこそが『Jackal』の魅力である。一瞬の判断ミスが即座に死につながる緊張感は、まさに薬物でハイになった殺し屋の感覚を追体験しているかのようだった。

    エジプト神話のアヌビスが相棒という狂気

     ここで更に頭がおかしいのが、主人公の相棒として登場するアヌビス(エジプトの死神)の存在だ。スーツを着こなした紫色のアヌビスが、なぜか主人公にアドバイスをくれるのである。

     「今は女にうつつを抜かしている場合じゃない、殺しに集中しろ」みたいなことを平然と言ってくるこのキャラクターが、妙にクールで魅力的なのだ。しかも、このアヌビスから魔法の力を借りることができ、時を止めたり、敵を混乱させたりといった超自然的な能力を使えるのも面白い。

     一体どういう経緯でドラッグ中毒の殺し屋とエジプトの死神が組むことになったのか、そのバックストーリーが気になって仕方がない。

    物理演算がもたらす爽快感

     戦闘システムで特に印象的なのは、環境を活用した戦い方だ。テーブルや椅子を蹴り飛ばして敵にぶつけたり、ドアを勢いよく開けて敵をスタンさせたりと、物理演算を活かした多彩なアクションが楽しめる。

     筆者が特に気に入ったのは、敵を蹴り倒して武器を奪い、その武器で他の敵を倒した後、武器を投げつけて最初の敵を仕留めるという一連の流れだ。まるで映画のワンシーンのような華麗な殺戮劇を自分の手で演出できるのは、本当に爽快である。

    プロシージャル生成で無限のリプレイ性

     死んでもモチベーションが下がらない理由の一つが、プロシージャル生成システムだ。各レベルの敵配置や部屋の構造がランダムに変化するため、同じステージでも毎回異なる戦略が求められる。

     「さっきは正面突破で行ったから、今度は迂回ルートを試してみよう」といった具合に、毎回新鮮な気持ちでプレイできるのが素晴らしい。しかも、ゲーム時間自体はそれほど長くないので、「もう一回やってみるか」という気持ちになりやすいのも良い設計だと思う。

    サイケデリックな70年代の雰囲気が最高

     ビジュアル面では、1970年代のラスベガスを舞台にしたサイケデリックな演出が印象的だ。ネオンが煌めくカジノホテルの廊下を血まみれになりながら駆け抜ける様子は、まさに悪夢と快楽が混在したような独特の美学を感じさせる。

     また、ドラッグによる幻覚表現も秀逸で、画面が歪んだり色彩が変化したりする演出が、プレイヤーを主人公と同じ感覚に引きずり込んでくる。

    基本情報

    Steam評価: 非常に好評(90%、201件のレビュー)
    開発・発売: Transhuman Design
    リリース日: 2026年2月5日
    価格: 1,700円
    プラットフォーム: Windows、Mac、Linux
    日本語対応: あり
    ジャンル: 見下ろし型アクション、シューティング
    プレイ時間: 約3-4時間(メインストーリー)
    難易度: 高(一撃死システム)

    購入情報

    Steam

    公式情報

    • 開発者:Michał Marcinkowski(『Soldat』『King Arthur’s Gold』の作者)
    • 対応言語:29言語
    • Steam Deck:検証済み
  • 声で魔法を唱える?『YAPYAP』が協力型ホラーに革命を起こした理由

    声で魔法を唱える?『YAPYAP』が協力型ホラーに革命を起こした理由

    「ブリンク!ブリンク!ブリンク!」叫び続けた夜

    最初に『YAPYAP』をプレイした夜、私は友人たちと一緒にモニターの前で絶叫していた。「ブリンク!ブリンク!ブリンク!」と必死に叫びながら、巨大な椅子のモンスターから逃げ回っていた。声がかすれるほど叫んだ。隣の部屋から「うるさい」と怒られた。でも、それでも叫び続けた。なぜなら、このゲームでは声が武器だからだ。

    Steam上で「非常に好評」を獲得し、リリース後わずか数時間で約10,000人の同時接続を記録した『YAPYAP』。Lethal Companyの系譜を継ぐ「フレンドスロップ」ホラーの新星として注目を集めているこのゲームは、従来の協力型ホラーとは一線を画す革新的なシステムを持っている。それが「音声認識による呪文詠唱」だ。

    ボタンを押すのではなく、実際に声を出して魔法を発動する。この一点だけで、『YAPYAP』は他のどんな協力型ホラーゲームとも違う体験を提供してくれる。

    魔導師の手下になって、ライバルの塔を荒らしまくれ!

    『YAPYAP』のコンセプトはシンプルかつ痛快だ。プレイヤーは月のような顔をした大魔導師に召喚された手下となり、最大5人の仲間とともにライバル魔導師の塔に侵入する。目的はただ一つ──徹底的に破壊工作を行うこと。

    ピアノを壊せ。トイレを詰まらせろ。カーペットを汚せ。相手の魔導師の一日を台無しにするため、あらゆる迷惑行為を行ってポイントを稼ぐ。これが「破壊目標(Vandalism Target)」と呼ばれる本作の核心的なゲームプレイだ。

    通常の協力型ホラーゲームでは、プレイヤーは怯えながらアイテムを集め、モンスターから逃げ回る被害者の立場だ。しかし『YAPYAP』では、あなた自身が問題を起こす側になる。この視点の転換が、ゲームに独特の爽快感と混沌をもたらしている。

    塔の中には高価な家具、美しい調度品、手入れされた植物などが配置されており、それらを魔法で破壊することでポイントを獲得できる。制限時間内に目標ポイントに到達すれば、その日のノルマ(Quota)達成となる。達成すればゴールドを獲得し、次のクオータに進むことができる。失敗すれば……まあ、魔導師に怒られるだけだ。また挑戦すればいい。

    「ブリンク」「プッシュ」「フィッシファイ」──声で唱える多彩な魔法

    本作最大の特徴が、音声認識による呪文詠唱システムだ。マイクに向かって呪文を唱えることで、実際に魔法が発動する。しかも発音が重要なため、どんなに緊迫した状況でも正確に発音しなければならない。

    最初に手に入るのは「Wind Wand(風の杖)」。これは基本的な攻撃魔法で、「Push(プッシュ)」と唱えれば風で物を押し、「Pull(プル)」と唱えれば引き寄せることができる。シンプルだが、物を壊すには十分な威力を持っている。

    しかし、本作の真価はショップで購入できる上位の杖にある。

    Fire Wand(炎の杖):「Fire(ファイア)」と唱えると火球を発射し、高いダメージを与える。DPS特化型の攻撃魔法で、モンスター相手にも有効だ。

    Grotesque Wand(グロテスクな杖):最もユニークな杖の一つ。「Sneeze(スニーズ)」と唱えるとくしゃみ攻撃を繰り出し、「Fishify(フィッシファイ)」と唱えると敵を魚に変えることができる。そう、魚だ。巨大なモンスターがピチピチと跳ねる魚になる光景は、一度見たら忘れられない。

    Teleportation & Movement Spells:「Blink(ブリンク)」でテレポート、「Float(フロート)」で浮遊、「Levitate(レビテート)」で物体を浮かせることができる。これらの移動魔法は、塔の複雑な構造を攻略する上で必須となる。

    Utility Spells:「Clone(クローン)」で分身を作り、「Disguise(ディスガイズ)」で変装し、「Confuse(コンフューズ)」で敵を混乱させる。戦略的に使えば、モンスターを欺いて安全に破壊工作を進められる。

    音声認識の精度は驚くほど高い。英語だけでなく、日本語を含む多言語に対応しており、中国語(北京語)にも対応している。ただし、発音が曖昧だったり、周囲の雑音が多いと誤認識される場合がある。実際、カジュアルな会話中に偶然「ブリンク」に似た言葉を発してしまい、友人を崖から突き落としてしまったこともあった。

    また、パズル要素にも音声認識が組み込まれている。ある部屋では、巨大な円盤状のパズルがあり、ボールを中心に導く必要がある。このパズルは「OOOOOO」と高い声を出せば左に回転し、「EEEEEE」と低い声を出せば右に回転する。チーム全員で叫びながらパズルを解く体験は、笑いと緊張が入り混じった奇妙な楽しさがある。

    ジェスターとアーマーチェア──塔を守る恐怖のモンスターたち

    破壊工作を邪魔するのが、塔に配置された魔法生物とモンスターたちだ。彼らはプレイヤーを発見すると追跡し、捕まれば即死またはノックダウンされる。

    Jester(ジェスター):最も恐れられているモンスターの一つ。ピエロのような姿をしており、プレイヤーを発見すると猛烈な速度で追いかけてくる。一度ロックオンされると逃げるのは極めて困難で、壁を貫通して攻撃してくることもある。杖のクールダウン中に遭遇すると、ほぼ確実に死が待っている。

    Armchair(アーマーチェア):歩く椅子のモンスター。見た目はコミカルだが、攻撃力は馬鹿にできない。近づいてきたら即座に「ブリンク」でテレポートするか、「プッシュ」で押し返すのが定石だ。

    その他の魔法生物:塔には他にも様々な魔法生物が徘徊している。それぞれが異なる行動パターンを持ち、対処法を学ぶ必要がある。

    AIの挙動は一貫性がなく、時には「脳死状態」のように動かず、時には「特殊部隊並み」の精度でプレイヤーを追跡する。この不安定さが、本作のホラー要素をさらに増幅させている。予測不可能な敵は、予測可能な敵よりも遥かに恐ろしい。

    ソロプレイは地獄、マルチプレイは天国

    『YAPYAP』を語る上で避けて通れないのが、マルチプレイの重要性だ。はっきり言おう──このゲームをソロでプレイするのは地獄だ。

    経済バランスはチームプレイを前提に設計されており、ソロでは稼げるゴールドが少なく、強力な杖を購入するまでに膨大な時間がかかる。モンスターも複数人で注意を分散させることを前提にデザインされており、一人では対処しきれない。そして何より、ソロプレイでは本作最大の魅力である「混沌とした楽しさ」が失われてしまう。

    一方、3〜6人でプレイすると、『YAPYAP』は本領を発揮する。チームメイトが「ブリンク!ブリンク!」と叫びながらジェスターから逃げ回る姿を見たり、誰かが「フィッシファイ」でモンスターを魚に変えて全員が爆笑したり、パズルを解くために全員で奇声を上げたり──これらの体験は、マルチプレイでしか味わえない。

    ただし、リリース時点ではパブリックマッチメイキングが実装されていない。つまり、ランダムプレイヤーとのマッチングはできず、基本的にフレンドとプレイする必要がある。開発チームはフレンドリスト機能やプライベート/パブリック/フレンドオンリーのロビー設定を追加したと発表しているが、完全なパブリックマッチメイキングはまだ実装されていない。

    友人がいない場合は、Discordコミュニティに参加してプレイヤーを探すのが最善の選択肢だ。

    PS1風グラフィックと技術的な課題

    ビジュアル面では、『YAPYAP』は「呪われたPS1」美学を採用している。重いピクセルフィルター、低ポリゴンモデル、粗いテクスチャが組み合わさり、独特の不気味な雰囲気を醸し出している。このレトロなグラフィックスタイルは、現代のホラーゲームにはない独特の恐怖感を生み出している。

    しかし、技術的な面では課題も多い。

    バグの多さ:床をすり抜けて落下する、杖が虚空に消える、クラッシュでセーブデータが消えるなど、数多くのバグが報告されている。私自身、良い進行状況を記録していたセッション中にクラッシュし、すべてを失った経験が3回ある。

    パフォーマンス問題:低スペックPCでの最適化が不十分で、フレームレートが10〜15fpsまで低下することがある。グラフィック設定のオプションが限られており、特に解像度設定がパフォーマンスに大きく影響するにも関わらず、調整の幅が狭い。

    ネットワークの不安定さ:協力プレイ中に、一部のプレイヤーが他のプレイヤーの画面では浮遊して動かないように見えるデシンク問題が発生する。再接続で解決できる場合もあるが、頻繁に発生するため煩わしい。

    音声認識の誤動作:バックグラウンドノイズや訛りがある場合、音声認識の精度が低下する。また、偶発的な友好的火力(味方への誤射)も頻発する。

    開発チームはアクティブにパッチをリリースしており、コミュニティのフィードバックに積極的に対応している。リリース後数日で複数のパッチがリリースされ、マップからプレイヤーがスタックした際にテレポートできる機能や、中国語音声認識の改善などが実装された。

    経済バランスと「金持ちはより金持ちに」問題

    『YAPYAP』の経済システムには、重大な欠陥がある。それが「富の格差」問題だ。

    ゴールドは共有制だが、稼ぎにくい。3回のランを重ねてようやくFire Wandを購入できる程度のゴールドが貯まるが、バグやワンショットメカニックで死亡すると装備をすべて失う。そして、それを取り戻すためにまた1時間かかる。

    Wind Wand(基本装備)はQuota 2以降ではほぼ無力になるが、他の杖を購入する余裕がない。これにより「金持ちはより金持ちに、貧乏人はより貧乏に」というループが発生する。一度悪いランが続くと、夜全体が台無しになる。

    この経済バランスは、ゲームの最大の欠点の一つだ。装備を失うこと自体はジャンルの定石だが、その喪失が「プレイヤーの時間を尊重していない」と感じられる点が問題だ。

    それでも『YAPYAP』は特別だ

    技術的な問題、経済バランスの不備、ソロプレイの厳しさ──これらすべての欠点を認めた上で、それでも『YAPYAP』は特別なゲームだ。

    このゲームが生み出す「自然発生的なコメディ」は、AAA級のスタジオが何億円かけても再現できない。友人が「ブリンク!」と叫びながらモンスターから逃げ回る姿、誰かが偶然にも味方を魚に変えてしまった瞬間の爆笑、パズルを解くために全員で奇声を上げる光景──これらは台本では書けない、プレイヤー同士の相互作用から生まれる純粋な楽しさだ。

    サンドイッチ一個分の価格(通常1,200円、セール中960円)で、友人たちと何時間も笑い転げる体験を提供してくれる。それだけで十分な価値がある。

    多くの低評価レビューが「アップデートがあれば評価を変えたい」と締めくくっているのは、このゲームの潜在能力を誰もが信じているからだ。開発チームのMaison Bapは、前作『BAPBAP』でも同様に82%の好評価を獲得しており、コミュニティへの対応力には定評がある。

    欠陥だらけの杖であっても、放たれる閃光は本物の魔法だった。

    基本情報

    ゲーム名:YAPYAP
    開発元:Maison Bap
    パブリッシャー:Maison Bap
    対応プラットフォーム:PC(Steam)
    リリース日:2026年2月3日
    価格:¥1,200(リリース記念セール:¥960 / 2月18日まで)
    プレイ人数:1〜6人(協力プレイ)
    対応言語:日本語、英語、中国語(簡体字・繁体字)、フランス語、スペイン語ほか
    Steam評価:非常に好評(82% / 1,020件以上のレビュー)

    システム要件

    • 最低:Core i5 6600、GeForce GTX 970相当以上
    • 推奨:より高性能なCPU/GPU(最適化が不十分なため)

    ジャンル:協力型ホラー、マルチプレイヤー、音声認識アクション、ダンジョンクローラー
    プレイ時間:1セッション30分〜1時間程度
    難易度:中〜高(チームプレイ前提、AIの不安定さ)

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  • 破壊、収集、強化、繰り返し。『Void Miner』が教えてくれた”数字が増える快感”の本質

    破壊、収集、強化、繰り返し。『Void Miner』が教えてくれた”数字が増える快感”の本質

    クラシックな小惑星シューティングが、まさかここまで中毒的になるとは……

    Steam評価88%という高評価を獲得している『Void Miner – Incremental Asteroids Roguelite』。レトロ風のドット絵と「インクリメンタル×ローグライト」という組み合わせに惹かれてプレイしてみたのだが、気が付けば3時間があっという間に溶けていた。

    正直に言うと、最初は「昔ながらのアステロイドゲームでしょ?」と完全に舐めていた。が、実際にプレイしてみるとその中毒性の高さに驚かされることになる。

    シンプルすぎる操作、奥深すぎる戦略

    ゲームのルールは極めてシンプル。見下ろし視点で宇宙船を操作し、次々と飛来する小惑星を撃ち落とし、落ちてくる資源を回収する。回収した資源で船をアップグレードし、さらに多くの小惑星を破壊できるようになる。これだけだ。

    操作はWASDキーでの移動と、左クリックでの射撃のみ。設定で射撃を自動化することもでき、その場合は移動に集中できる。一見すると単純極まりないゲーム性に思えるが、この「シンプルさ」こそが本作最大の武器だった。

    1回のランは「酸素」という名の時間制限で区切られる。酸素が尽きればラン終了。稼いだ資源を使って永続的なアップグレードを購入し、次のランに挑む。このサイクルが恐ろしいほど気持ちいい。

    最初の壁は「酸素」だった

    プレイ開始直後、筆者は序盤の難しさに面食らった。初期状態の船は弱く、射撃の威力も低い。小惑星を破壊するのに時間がかかるうえ、酸素はあっという間に尽きてしまう。

    「これ、本当にクリアできるの?」と不安になったが、ここで重要なのが「酸素」のアップグレード。レビューでも指摘されている通り、序盤は何よりも酸素を優先的に上げるべきだ。

    酸素が増えれば滞在時間が延び、より多くの資源を稼げる。資源が増えれば火力も上がり、さらに効率よく稼げるようになる。この好循環に乗れた瞬間、ゲームは一気に加速する。

    マザーシップが戦況を変える

    ゲームを進めると、画面中央に「マザーシップ」と呼ばれる自動砲台が出現する。最初は頼りないが、アップグレードを重ねることで頼もしい相棒に成長していく。

    このマザーシップの存在が、本作の戦略性を大きく広げている。自分は敵船を狙いながら、マザーシップには小惑星を任せる。あるいはその逆。状況に応じて役割分担を変えることで、より効率的に敵を殲滅できるようになる。

    後半のウェーブでは画面が小惑星と敵船で埋め尽くされるが、強化したマザーシップがバリバリと敵を撃ち落とす光景は実に爽快だ。

    「数字が増える」快感の本質

    インクリメンタルゲームの魅力は「数字が増えていく快感」にある。本作はそれを完璧に体現している。

    アップグレードの効果は目に見えて分かる。火力が2倍になれば、小惑星を破壊する速度が明らかに速くなる。移動速度が上がれば、敵の攻撃を華麗に回避できるようになる。このフィードバックの明確さが、「もう1回だけ」を誘発する。

    しかも、本作のアップグレードは指数関数的ではなく線形的な成長。つまり、劇的な変化ではなく着実な成長を実感できる設計になっている。これが地味に重要で、「自分が上手くなっている」という感覚と「船が強くなっている」という感覚が見事に融合するのだ。

    3時間で「完走」できるボリューム感

    本作のメインコンテンツは約3時間でクリア可能。一見すると短く感じるかもしれないが、これが絶妙なボリューム感だった。

    「短時間で達成感を得られる」というのは、実は現代のゲーム体験において非常に重要だ。仕事や学業の合間にサクッと遊んで、確実にクリアまで辿り着ける。飽きる前に終わるからこそ、「また遊びたい」という気持ちが湧いてくる。

    クリア後にはエンドレスモードも用意されているが、こちらは敵のHP インフレが激しく、やや粗削りな印象。ただ、メインモードで十分満足できる内容なので、これはおまけ程度に考えればいいだろう。

    一人開発の熱意が詰まった作品

    開発者のRyan Jakob氏は本作をソロで開発している。リリース初日に1000本を売り上げ、Steam New & Trendingにランクインしたという報告を見ると、その努力が報われて本当に良かったと思う。

    コミュニティでの開発者の対応も非常に丁寧で、プレイヤーからのフィードバックに真摯に耳を傾けている。こういった姿勢が、高評価につながっているのだろう。

    価格も700円と非常にリーズナブル。3時間遊べてワンコイン程度というコスパの良さは、インディーゲーム好きならチェックして損はない。

    惜しい点も正直に言おう

    完璧なゲームではない。序盤のペースが遅く、最初の1〜2ランは「本当に面白くなるのか?」と不安になるかもしれない。UI周りも若干分かりにくい部分があり、画面端にアイテムがドロップして見失うこともある。

    エンドレスモードのバランスも改善の余地がある。小惑星のHPだけが上がっていくため、後半は火力不足で詰まりやすい。ここは今後のアップデートに期待したい。

    それでも、これらの欠点を補って余りある中毒性と達成感がある。完璧ではないが、確実に「面白い」ゲームだ。

    「もう1回だけ」が止まらない魔力

    本作を一言で表すなら、「もう1回だけ症候群」を引き起こすゲーム。1ラン数分で終わるテンポの良さ、明確な成長実感、そして適度な難易度。これらが絶妙に噛み合って、気が付けば時間を忘れてプレイしてしまう。

    レトロなドット絵も味があるし、BGMも作業用として聴いていられるチル系。視覚的にも聴覚的にも心地よく、長時間プレイしても疲れにくい。

    クラシックなアステロイドシューティングに、現代的なインクリメンタル要素を融合させた本作。「数字が増える快感」を存分に味わいたい方、短時間でサクッと遊べるローグライトを探している方に、強くおすすめしたい。

    基本情報

    ゲーム名: Void Miner – Incremental Asteroids Roguelite
    開発: Ryan Jakob
    パブリッシャー: Ryan Jakob
    プラットフォーム: Steam
    リリース日: 2025年11月17日
    プレイ時間: 3時間程度(メインコンテンツ)
    難易度: 初心者〜中級者向け
    Steam評価: 非常に好評(88%)
    価格: 700円
    言語: 日本語対応
    ゲームジャンル: アクション

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  • 謎の群島で生き抜け!サバイバルと抽出シューターが融合した『Lost Rift』早期アクセス開始。People Can Flyが挑む新境地とは?

    謎の群島で生き抜け!サバイバルと抽出シューターが融合した『Lost Rift』早期アクセス開始。People Can Flyが挑む新境地とは?

    無人島サバイバル……だけじゃない?

    『Bulletstorm』や『Painkiller』で知られるPeople Can Flyが新たに手掛ける『Lost Rift』が、2025年9月25日にSteamで早期アクセスを開始した。一見すると南国の美しい群島を舞台にしたサバイバルゲームに見えるが、実はそれだけじゃない。本作の本当の面白さは、安全なPvE拠点とスリリングな抽出シューターを組み合わせた革新的なゲーム設計にあった。

    「なるほど、また無人島サバイバルね」と思ってプレイを始めた筆者だったが、ゲームが本格的に動き出すと、その予想は完全に裏切られることになった。

    二つの島、二つの顔

    『Lost Rift』の舞台となるのは、謎に満ちた群島の中でも特に重要な2つの島だ。まずプレイヤーが流れ着くのは「パイオニア・ランディング」という約1平方キロメートルの島。ここは完全にプライベートエリアとなっており、最大5人の仲間と一緒に自由にベースを建設できる安息の地だ。

    従来のサバイバルゲームならこれで完結するところだが、『Lost Rift』はここからが本番。ゲームを進めると、より高品質な素材や装備を求めて「ウエスタン・アイランド」と呼ばれる抽出シューター島への遠征が必要になる。こちらは最大15人のプレイヤーが同時に存在し、40分の制限時間内にできるだけ多くのアイテムを回収して脱出しなければならない、まさに命がけのミッション島だ。

    この二重構造が絶妙で、安全な拠点でじっくりと準備を整えてから、リスクの高い抽出ミッションに挑むというメリハリのあるゲームプレイを実現している。まさに『Escape from Tarkov』のスリルと『The Forest』の安心感を同時に味わえるハイブリッド体験だ。

    ソロプレイヤーには厳しい現実

    しかし、本作には見過ごせない問題もある。特にソロプレイヤーにとって、ウエスタン・アイランドでの生存は非常に困難だ。筆者もソロで挑戦してみたが、ハイエナの群れに囲まれて瞬殺されることが多々あった。なにせハイエナ1匹倒すのに斧で3回殴る必要があるのに、プレイヤーは3回攻撃されると死んでしまうというバランス設定だ。

    ゲーム内でも「ソロでの遠征は推奨しません」と警告が表示されるが、実際のところストーリー進行にはウエスタン・アイランドでの素材収集が必須となる。つまりソロプレイヤーでも最終的には他プレイヤーとの戦闘を避けて通れない設計になっている。

    幸い、開発チームはこの問題を認識しており、最新アップデートではソロプレイヤー同士のマッチングシステムを導入。ソロプレイヤーがグループと遭遇する確率を大幅に削減したという。とはいえ、根本的には協力プレイを前提とした難易度設定であることは変わりない。

    動的天候システムが作り出すドラマ

    本作の魅力の一つが、UE5で実現された美麗なグラフィックと動的天候システムだ。ハリケーンが襲来すれば風と雨でベースが脅かされ、霧が発生すれば視界不良で探索が困難になる。落雷による火災リスクもあり、単なる背景演出ではなく実際のゲームプレイに影響を与える要素として機能している。

    特に抽出ミッション中の天候変化は戦術的な要素となる。霧に隠れて敵プレイヤーから逃れたり、嵐の音で足音をカモフラージュしたりと、環境を活かした駆け引きが楽しめる。100近くのクエストが用意されており、それぞれ20-30時間のプレイ時間が見込まれているため、長期間にわたって楽しめるコンテンツボリュームも確保されている。

    現在の評価と今後の展望

    Steam レビューでは70%の好評価を獲得しているものの、「賛否両論」の評価に留まっている。主な批判点は前述のソロプレイヤーへの配慮不足と、世界の生物多様性の乏しさ(ドードー、ハイエナ、カニ程度しかいない)、そして一部のグレーボックス(開発中の仮素材)が残っている点だ。

    しかし、People Can Flyは2年以上の開発期間を経てこのプロジェクトを進めており、早期アクセス期間中にコミュニティからのフィードバックを積極的に取り入れる姿勢を見せている。実際、ソロプレイヤー問題への対応も素早く、今後の改善に期待が持てる。

    協力プレイヤーにとっては、仲間と一緒にベースを築き上げ、危険な遠征に挑む体験は非常に魅力的だ。特に最大5人での協力プレイでは、役割分担や戦術的な連携が重要になり、チームワークの醍醐味を十分に味わうことができる。

    『Lost Rift』は、サバイバルゲームと抽出シューターという二つのジャンルを組み合わせた意欲的な作品だ。現状では荒削りな部分もあるが、People Can Flyの豊富な開発経験とコミュニティとの協働により、唯一無二のゲーム体験に成長していく可能性を秘めている。

    協力プレイを楽しみたいプレイヤーや、新しいサバイバル体験を求める方にはぜひオススメしたい。12ヶ月の早期アクセス期間を通じて、どのような進化を遂げるのか今から楽しみだ。

    基本情報

    ゲーム名: Lost Rift
    開発: People Can Fly
    パブリッシャー: People Can Fly
    プラットフォーム: PC (Steam)
    早期アクセス開始日: 2025年9月25日
    価格:通常価格 2,995円(20%オフ現在2,396円、10月10日まで)
    プレイ人数: 1-5人(協力プレイ)
    対応言語: 日本語対応済み
    ジャンル: サバイバル・抽出シューター・ベースビルディング
    プレイ時間: 20-30時間以上(クエストのみ)

    Steam: https://store.steampowered.com/app/3494520/Lost_Rift/
    公式サイト: https://lostrift.com
    公式Discord: http://lostrift.com/discord