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  • 「ペーパーマリオの新作、任天堂じゃなくてインディーが出したってマジ?」――『さよならエバーアフター』は、20年待ち続けたファンへの最高の回答だった

    「ペーパーマリオの新作、任天堂じゃなくてインディーが出したってマジ?」――『さよならエバーアフター』は、20年待ち続けたファンへの最高の回答だった

    「またペーパーマリオライクのインディーゲームか……」

    正直、最初はそう思っていた。『Bug Fables』や『Born of Bread』など、ペーパーマリオに影響を受けた作品は数あれど、本家を超えるものには出会えていなかった。しかし『さよならエバーアフター(Escape from Ever After)』は違った。プレイ開始から数時間で、筆者は確信した。

    これは、『ペーパーマリオRPG』の正統続編だ。

    カナダの2人組が6年かけて作り上げた傑作

    『さよならエバーアフター』を開発したのは、カナダ・モントリオールを拠点とするSleepy Castle Studio。驚くべきことに、このスタジオはたった2人で構成されている。Ryan Kitner氏がプログラミング、アニメーション、キャラクターアートを担当し、Daniel Whitworth氏がクリエイティブディレクター、レベルデザイン、脚本、そして音楽まで手掛けた。

    2020年から開発を開始し、Kickstarterで資金調達に成功。そこから6年の歳月をかけて、2026年1月23日にPC、PlayStation 5、Xbox Series X|S、Nintendo Switchで同時リリースを果たした。価格は2,980円という非常にリーズナブルな設定だ。

    そしてその評価は驚異的だ。Steamでは1,010件のレビューで97%が好評という「圧倒的に好評」ステータスを獲得。Metacriticでは平均スコア81点、OpenCriticでも「Strong」評価を得ている。「ペーパーマリオライク」という枠を超え、本家を超えたと評する声さえ上がっているのだ。

    絵本の世界が、企業に乗っ取られた

    物語の主人公は、典型的なおとぎ話のヒーロー・フリント・バックラー。彼は宿敵である竜のティンダーを倒すため、何度目かの挑戦として彼女の城へと乗り込む。しかし城の中で待っていたのは、ティンダーではなく……受付係だった。

    「ようこそ、エバーアフター社へ!」

    城はいつの間にか企業のオフィスに改装され、ティンダーは投獄され、城中にコーヒー片手に報告書を書く社員たちが溢れていた。何が起きたのか?

    現実世界の巨大企業「Ever After Inc.」が、おとぎ話の世界に侵入する技術を開発したのだ。彼らの目的は、絵本の世界を安価な労働力と資源の供給源として搾取すること。ティンダーの城は企業の本社となり、次々とおとぎ話の世界が企業に飲み込まれていく。

    フリントが企業への就職を拒否すると、彼もまた投獄されてしまう。牢屋で再会したのは、かつての宿敵ティンダー。2人は力を合わせて脱獄し、企業に潜入して内部から破壊することを決意する。

    資本主義vs絵本の住人――このユニークすぎる設定が、本作最大の魅力のひとつだ。LinkedInのビジネス用語を皮肉った台詞、意味のない社内メール、無駄な会議……現代の企業文化への風刺が随所に散りばめられており、オフィスワーカーなら思わず苦笑いしてしまうだろう。

    アクションコマンドバトルの進化系

    『ペーパーマリオRPG』を知る人なら、本作のバトルシステムに即座に馴染めるだろう。ターン制バトルにアクションコマンドを組み合わせた仕組みで、攻撃時も防御時もタイミングよくボタンを押すことでダメージが増減する。

    しかし本作は単なる模倣ではない。完璧なタイミングでの防御に成功すれば、敵の攻撃を完全に無効化できる。さらに仲間キャラクターごとに異なるスキルセットがあり、バッジ(本作では「トリンケット」)システムで能力をカスタマイズできる。

    特筆すべきはシナジーシステム。特定のキャラクターの組み合わせで発動する強力な合体技で、戦略の幅が大きく広がる。敵の攻撃パターンを読み、どのキャラクターをパーティに編成するかを考え、バッジで能力を調整する――このパズル的な戦略性が、20時間以上のプレイを飽きさせない。

    レベルアップ時にはHP、MP、トリンケットポイントのいずれかひとつを強化できる仕様も秀逸だ。どのステータスを優先するかでプレイスタイルが変わり、リプレイ性が高まっている。

    難易度調整も柔軟で、アクションコマンドが苦手なプレイヤー向けにオートブロック機能も用意されている。ただし、手動でのタイミング取得にこそ本作の醍醐味があるので、できれば挑戦してほしい。

    ジャンルを超越する絵本の世界

    本作で訪れるステージは、まさにジャンルの大冒険だ。おとぎ話の森から始まり、ラブクラフト的なホラー、SF、ノワール探偵もの、さらには三匹の子豚が悪徳不動産業者になっている世界まで――各ステージが驚くほど異なる雰囲気を持っている。

    これらの世界は、Ever After Inc.が次々と侵略した「絵本の世界」という設定。企業が用意したテレページャー(転送装置)を使って、本の中に飛び込んで行くのだ。

    そして各ステージには探索要素がふんだんに盛り込まれている。隠しエリア、収集アイテム(サンジェムとインクボトル)、サブクエスト、そして各ステージの住人たちとの会話――どれも手抜きなく作り込まれている。

    特に仲間キャラクターの「応援」システムが秀逸だ。バトル中に仲間同士が会話を交わすのだが、これが単なるフレーバーテキストではなく、キャラクターの背景や関係性を深く掘り下げる内容になっている。全キャラクターの組み合わせで異なる会話が用意されているため、パーティ編成を変えるたびに新たな発見がある。

    ビッグバンドジャズが彩る冒険

    Daniel Whitworth氏が手掛けたサウンドトラックは、本作のもうひとつの主役だ。ジャズ、ビッグバンド調の楽曲が中心で、どのステージでも耳に心地よいメロディーが流れる。

    企業オフィスでは皮肉めいたビジネスライクな曲が流れ、海賊船では躍動感あふれる航海曲、ホラーステージでは不穏なサックスが響く――音楽が世界観を完璧に補完している。

    筆者は特にボス戦のBGMが気に入った。緊張感と高揚感が絶妙にブレンドされた楽曲で、何度聴いても飽きない。サウンドトラック単体でも購入できるので、気になる方はぜひチェックしてほしい。

    2人組が成し遂げた「奇跡」

    『さよならエバーアフター』は、開発者の愛情と情熱が隅々まで感じられる作品だ。

    たった2人で、6年かけて、プレイ時間20時間超のRPGを完成させる――これがどれほど狂気じみた偉業かは、ゲーム開発に携わったことがある人なら分かるだろう。プログラミング、アート、音楽、レベルデザイン、脚本、バランス調整、デバッグ……すべてを2人でこなしたのだ。

    そして完成した作品は、『ペーパーマリオRPG』の正統続編と呼ぶに相応しいクオリティを誇る。いや、もはや「超えた」と言っても過言ではないかもしれない。

    一部のレビューでは「防御のタイミングが取りづらい」「プラットフォーム要素が固定カメラのせいで難しい」といった指摘もある。確かに完璧な作品ではない。しかしそれらの欠点を補って余りあるほどの魅力が、本作には詰まっている。

    「本物のペーパーマリオ」がここにある

    『ペーパーマリオRPG』から20年。シリーズは方向性を変え、RPG要素を削ぎ落とし、かつてのファンたちは失望した。しかし諦めなかった2人のカナダ人が、ファンが求めていたものを作り上げた。

    絵本のようなビジュアル、戦略性の高いバトル、個性的なキャラクター、ジャンルを超越する冒険、そして現代社会への風刺――『さよならエバーアフター』は、すべてを兼ね備えている。

    「ペーパーマリオの続編が遊びたい」

    そう願い続けてきたすべてのゲーマーに、本作を強く推奨したい。任天堂が作らなかったゲームを、インディーデベロッパーが作り上げた。そしてそれは、紛れもない傑作だった。


    基本情報

    開発: Sleepy Castle Studio、Wing-It! Creative
    販売: HypeTrain Digital
    リリース日: 2026年1月23日
    価格: 2,800円(税込)
    プラットフォーム: PC(Steam、GOG、Epic Games Store)、PlayStation 5、Xbox Series X|S、Nintendo Switch
    プレイ人数: 1人
    言語: 日本語、英語、ドイツ語、フランス語、スペイン語、ポルトガル語、中国語(簡体字)
    ジャンル: ターン制RPG、アドベンチャー
    Steam評価: 圧倒的に好評(97% – 1,010件のレビュー)

    購入リンク

    Steam: https://store.steampowered.com/app/1996390/Escape_from_Ever_After/
    GOG: https://www.gog.com/game/escape_from_ever_after

    公式リンク

    公式サイト: https://www.sleepycastlestudio.com/
    Discord: https://steamcommunity.com/linkfilter/?u=https%3A%2F%2Fdiscord.com%2Finvite%2FjnTVrZrCyZ

  • ワンボタンで救う命、スペースキーで描く奇跡『Rhythm Doctor』。医療現場で学ぶ音楽理論の不思議な世界

    ワンボタンで救う命、スペースキーで描く奇跡『Rhythm Doctor』。医療現場で学ぶ音楽理論の不思議な世界

    たった1つのボタンで、こんなにも心を震わせるなんて…

    最初にSteamページを見たとき、正直困惑した。「Rhythm Doctor」だって? スペースキーだけで患者を治療する? ワンボタンのリズムゲーム? 何それ、簡単すぎるでしょ……そんな先入観を抱きながらプレイボタンを押した瞬間、この偏見は木端微塵に砕け散った。

    確かに操作は単純だ。7拍目にスペースキーを叩く。ただそれだけ。しかし、この「ただそれだけ」の向こうに広がっていたのは、音楽理論の深淵と、感動的なストーリーテリングが見事に融合した、まさに奇跡のような体験だった。

    なぜかクセになる「7拍目」という魔法

    「7拍目を押すだけ」という説明を聞いて、「そんなの余裕でしょ」と思った人も多いはず。筆者もその一人だった。ところがどっこい、実際にプレイしてみると、これが想像以上に奥深い。

    ゲーム世界では、Middlesea病院という施設で新しい治療法「リズム療法」が実験されている。患者の心拍に合わせて除細動器のボタンを叩くと、なぜか治療効果があるらしい。プレイヤーは「Doctor Finger」(ドクター・フィンガー)と呼ばれる研修医として、この謎の治療に挑むことになる。

    最初のステージはシンプル。7拍子のリズムに合わせて7拍目でスペースキーを押すだけ。「ほら、簡単じゃん」と思った瞬間……

    音楽理論の深い森へ迷い込む

    ところが話はここからだった。患者によって症状が違う。ある患者は「ポリリズム」に悩まされ、複数のリズムが同時進行する。別の患者は「ヘミオラ」という症状で、3拍子と2拍子が複雑に絡み合う。さらには「不規則拍子」の患者まで登場し、もはや頭がついていかない。

    「ポリリズム?ヘミオラ?何それ美味しいの?」状態だった筆者が、気がつくと自然にこれらの音楽用語を理解していた。ゲームは決して押し付けがましく教えるわけではない。プレイしているうちに、いつの間にか複雑なリズムパターンを体で覚えているのだ。

    特に印象的だったのは、複数の患者を同時に治療するステージ。それぞれ異なる心拍を持つ患者たちのリズムを頭の中で同時追跡する必要がある。これはもう、一種の脳トレだ。最初は混乱の極みだったが、慣れてくると脳内でリズムが整理され、気持ちよく「カチッ、カチッ」とボタンを押せるようになる。この成長実感がたまらない。

    ゲームだからこそできる「語り」の魅力

    『Rhythm Doctor』の真骨頂は、ゲームでしか表現できないストーリーテリング手法にある。プレイヤーは画面越しに患者を見守る存在として描かれる。実際、ゲーム内では「手」として表現され、患者たちからは親しみを込めて「Doctor Finger」と呼ばれる。

    この設定が絶妙で、プレイヤーは物語の中にいるのに、同時に外にもいる。まさに「観客であり参加者」という独特の立ち位置だ。患者や医師たちとの会話を聞きながら、ボタン一つで彼らを支える。言葉では返事できないが、完璧なタイミングでのボタン入力こそが、最高の応答になる。

    そして中盤以降、ゲームは「メタ」な演出を次々と繰り出してくる。ウイルス感染で画面が歪む、システムエラーで音がずれる、さらには画面サイズが変わったり位置が動いたり……。通常のゲームなら「バグった!」と思うような現象が、すべて計算されたストーリー演出なのだ。

    最初は「えっ、なにこれ!?」と戸惑ったが、これらの演出がストーリーと完璧に連動していることに気づくと、開発者の手腕に脱帽するしかなかった。プレイヤーが体験する混乱や困惑が、そのまま物語の登場人物たちが感じている状況と重なる。これはまさに「ゲームでしかできない表現」の極致だ。

    Steam Deck でも完璧な体験を

    嬉しいことに、『Rhythm Doctor』はSteam Deckでの動作も完璧だ。携帯ゲーム機でリズムゲームをプレイするのは心配だったが、全く問題なかった。むしろ手軽にプレイできる分、「ちょっと一ステージだけ…」のつもりが気がつくと2時間経っていることもしばしば。

    ローカル協力プレイにも対応しているので、友人と一緒に「医療従事者」になることもできる。お互いが違う患者を担当し、同時にリズムを刻む体験は、まるで本当の医療チームになったような気分だ。

    コミュニティが支える無限の可能性

    ゲーム本編だけでも十分すぎるボリュームだが、『Rhythm Doctor』の魅力はそれだけじゃない。レベルエディターとSteam Workshopの存在が、このゲームの寿命を無限に延ばしている。

    コミュニティが作成したステージは、本編をクリアした人でも苦戦するような難易度のものから、アーティスティックな演出重視のものまで多種多様。自分の好きな楽曲を使ったステージも作れるので、創作意欲がくすぐられる。

    特に「Night Shift」モードは、本編ステージのより難しいバージョンが楽しめる。通常版をクリアできた人でも、Night Shiftでは手も足も出ないことがある。この絶妙な難易度調整が、長期間にわたってプレイヤーを楽しませてくれる。

    2025年12月、ついに正式版へ

    4年間のアーリーアクセス期間を経て、2025年12月6日、『Rhythm Doctor』はついに正式版となった。Steam評価は脅威の98%と圧倒的好評。23,000件を超えるレビューのほとんどが絶賛というのは、もはや伝説的だ。

    マレーシアの7th Beat Gamesが開発したこの作品は、「リズム天国」シリーズのDNAを受け継ぎながら、独自の進化を遂げた傑作といえる。ワンボタンという制約の中で、これほど豊かな表現と深い学習体験を実現するとは、まさに開発陣の手腕が光る。

    価格は現在セール中で1,725円(通常2,300円)。この価格で得られる体験の質と量を考えると、間違いなく「買い」だ。リズムゲーム初心者から音楽理論に詳しい人まで、誰もが楽しめる稀有な作品だといえる。

    基本情報

    開発者: 7th Beat Games(マレーシア)
    パブリッシャー: 7th Beat Games, indienova
    プラットフォーム: Steam (Windows, macOS, Linux), Xbox Series X|S
    プレイ時間: 12-20時間(本編)+ 無限(コミュニティコンテンツ)
    難易度: 初心者向け~上級者向け(難易度設定可能)
    Steam評価: 圧倒的に好評(98%)
    リリース日: 2025年12月6日(正式版)
    カテゴリ: レビュー
    ゲームジャンル: リズム
    日本語対応: あり(フル対応)

  • パタポンが帰ってきた!『Ratatan』でクラウドファンディング1億円突破の熱狂を体感せよ。「ラタ・タタ・ラタタン!」の魔力は健在だった

    パタポンが帰ってきた!『Ratatan』でクラウドファンディング1億円突破の熱狂を体感せよ。「ラタ・タタ・ラタタン!」の魔力は健在だった

    あの興奮が、ついに戻ってきたぞ!

    ○○○ <「ラタ・タタ・ラタタン!」

    …PSPで多くのゲーマーを虜にした『パタポン』から18年。リズムに合わせてボタンを叩き、愛らしいキャラクターたちを指揮する独特なゲーム体験は、今も多くの人の心に刻まれているはずだ。

    そんな伝説的ゲームの精神的続編として、2025年9月18日にSteam早期アクセスで配信開始されたのが『Ratatan』である。開発は『パタポン』の生みの親である小谷浩之氏が設立したTVT Co. Ltd.とRatata Artsが手掛け、クラウドファンディングでは48時間で1億円を突破するという驚異的な支持を集めた。

    Steam早期アクセス版の評価は「非常に好評」(88%)、同時接続プレイヤー数も4,467人を記録し、Steamグローバル売上ランキングでトップ20入りを果たすなど、リリース直後から圧倒的な存在感を示している。

    筆者も体験版の時点から本作に注目していたが、正式な早期アクセス版をプレイしてみて改めて確信した。これは間違いなく『パタポン』の正統な進化形であり、しかも現代のゲーマーが求める要素を見事に融合させた傑作になる可能性を秘めている。

    リズム×ローグライク=新たな中毒性の誕生

    『Ratatan』の最大の特徴は、『パタポン』のリズムアクションにローグライク要素を組み合わせた点だ。基本的なゲーム性は馴染み深いもので、4拍子のリズムに合わせて3つのボタン(X・Y・B)を組み合わせて入力し、コブン(小さな戦士たち)に指示を出していく。

    「せいれつ」は「X・X・X・○」、「ガード」は「B・○・B・B」といった具合に、シンプルながら覚えがいのあるコマンド体系は『パタポン』を彷彿とさせる。ただし、ボタンの組み合わせは4つから3つに簡略化され、より遊びやすくなった印象だ。

    しかし、ここからが『Ratatan』独自の進化ポイント。プレイヤーキャラクターであるラタタンは、リズムコマンドとは独立して自由に動き回れるのだ。コブンたちに攻撃指示を出しつつ、自分は敵の攻撃をすり抜けて安全な位置に移動したり、戦況に応じて的確な指示を出すポジションを取ったりと、従来の『パタポン』にはない戦術的な駆け引きが生まれる。

    さらに、ステージ開始時とバトル終了後にパワーアップカードを選択してデッキを構築していくローグライク要素が加わることで、毎回異なる戦略での挑戦が可能になっている。「今回は攻撃力重視で一気に畳み掛けよう」「次は防御を固めて持久戦で行こう」といったビルドの多様性が、リプレイ性を大幅に向上させている。

    100体以上のキャラクターが織りなす「ワラワラ感」

    本作でもう一つ印象的なのが、画面狭しと暴れまわる大量のキャラクターたちだ。公式によると100体以上のキャラクターが登場し、それぞれが生き生きとした2Dアニメーションで動き回る。

    この「ワラワラ感」こそが『パタポン』シリーズの魅力の一つだったが、『Ratatan』ではそれがさらにパワーアップ。味方のコブンたちはもちろん、敵キャラクターたちも個性的で愛嬌があり、戦闘中でもついつい見入ってしまう。

    特にフィーバーモードに突入した際の盛り上がりは圧巻だ。リズムを正確に刻み続けることで発動するフィーバーモードでは、BGMがよりダイナミックに変化し、キャラクターたちが狂乱の踊りを繰り広げる。この瞬間の高揚感は、『パタポン』を愛した人なら間違いなく心に響くはずだ。

    最大4人協力プレイで広がる新たな楽しみ

    『Ratatan』で大きく進化した点の一つが、最大4人でのオンライン協力プレイに対応したことだ。それぞれがラタタンとなってコブンの軍団を率い、協力して強大な敵に立ち向かう体験は、まさに新時代のリズムアクションと言える。

    4人が同時にリズムコマンドを入力する様子は壮観で、全員の息が合った時の爽快感は格別だ。一人がリズムを崩しても他のプレイヤーがカバーできるため、初心者でも安心して参加できるのも嬉しいポイント。

    フレンドと「せーの」でリズムを合わせ、「ラタ・タタ・ラタタン!」の掛け声と共に敵を蹴散らしていく体験は、単なる懐かしさを超えた新鮮な喜びを提供してくれる。

    Steam Deckでも快適な「いつでもラタタン」

    Steam版の『Ratatan』は、Steam Deckでの動作も良好だ。リズムゲームという性質上、入力の遅延が心配されたが、実際にプレイしてみると全く問題なし。電車での移動中や寝る前のちょっとした時間に、手軽に「ラタタン体験」を楽しめる。

    ハンドヘルド機での展開も予定されているが、Steam Deckユーザーなら今すぐにでもポータブルな『Ratatan』を楽しめるのは大きなアドバンテージだ。

    早期アクセスでも十分に楽しめる完成度

    現在の早期アクセス版では、複数のワールド、様々なキャラクター、武器システム、4人協力プレイ、そしてランダム要素を含むローグライク体験が既に実装されており、製品として十分に楽しめるレベルに達している。

    今後のロードマップも公開されており、10月末には「スーパーフィーバー技」やラタタンの成長要素、12月には「ダークラタタン戦」などの新シナリオが追加予定。2026年春頃には新たなワールドと大型ボス戦も実装される予定で、長期的な楽しみも保証されている。

    価格は早期アクセス版が2,800円と手頃で、しかも10%オフのローンチ割引も実施中。この価格でこの完成度とボリューム、そして今後の拡張性を考えれば、間違いなくお買い得と言える。

    クラウドファンディング成功が示した期待の大きさ

    本作が2023年8月にKickstarterで実施したクラウドファンディングは、開始48時間で1億円を突破し、最終的には2億円以上の支援を集めた。この数字は、『パタポン』というIPがいかに愛され続けているか、そして新作への期待がいかに高いかを如実に物語っている。

    また、Steam Next Festでの体験版は27万ダウンロードを記録し、多くのフィードバックを受けて現在の早期アクセス版に反映されている。開発チームがユーザーの声を真摯に聞き、より良い作品に仕上げようという姿勢も評価したい。

    懐かしさと新しさが絶妙に調和した傑作の予感

    『Ratatan』をプレイしていて感じるのは、開発陣の『パタポン』に対する深い愛情と理解だ。単なるリメイクではなく、現代のゲーマーが求める要素を的確に取り入れながらも、オリジナルの魅力を損なわない絶妙なバランス感覚が光っている。

    ローグライク要素によって生まれる戦略性、協力プレイによる新たな楽しみ方、そしてより自由度の高いキャラクター操作。これら全てが『パタポン』の根幹にある「リズムと一体になる快感」を損なうことなく組み込まれているのは見事としか言いようがない。

    Steam早期アクセス版の好調なスタートを見る限り、『Ratatan』は間違いなく2025年を代表するインディーゲームの一つになるだろう。『パタポン』を愛した全ての人に、そして新しいゲーム体験を求める全ての人に、自信を持っておすすめしたい。

    「ラタ・タタ・ラタタン!」の魔法にかかる準備はできているだろうか?

    基本情報

    タイトル: Ratatan
    開発: TVT Co. Ltd., Ratata Arts
    販売: Game Source Entertainment
    プラットフォーム: Steam(早期アクセス中), PlayStation 5, PlayStation 4, Xbox Series X|S, Nintendo Switch(2026年春予定)
    プレイ時間: 1プレイ 30分-1時間程度(ローグライク仕様でリプレイ性高)
    プレイ人数: 1-4人(オンライン協力プレイ対応)
    Steam評価: 非常に好評 (88%)
    早期アクセス開始日: 2025年9月18日
    価格: 2,800円(早期アクセス版・10%割引中)
    ゲームジャンル: リズムローグライクアクション
    日本語: 対応済み

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