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    18年ぶりの復活が正式版に到達!精神を削り合う異色のレースゲーム『首都高バトル』完全版レビュー

    あのゲームの正式版がついに…!

    「元気の元気が無い」とネタにされ続けて18年。首都高バトル民は半ば諦観の境地に達していた。Xbox 360で発売された『首都高バトルX』を最後に、シリーズは沈黙を守り続けていたのだから。

    しかし2025年1月23日、元気はいつも通り突然、我々の前に現れた。そして9ヶ月の早期アクセスを経て、2025年9月25日──ついに正式版がリリースされた。

    Steam早期アクセス版は初日に最大同接プレイヤー数1万4700人を記録し、1600件以上のレビューで「圧倒的好評」(96%好評)という驚異的な数字を叩き出した。そして正式版は、さらに磨き上げられた形で8,542件のレビューで96%という驚異的な好評価を維持している。「誰も新しいレースゲームに資金を出したがらない」と言われるこの時代に、だ。

    封鎖された未来の東京、緻密に再現された首都環状線C1、そして他に類を見ない「SPバトル」システム──。伝説の和製ストリートレーシングゲームが、Unreal Engine 5の力を借りて現代に完全復活した。

    精神を削り合う「SPバトル」こそがすべて

    『首都高バトル』を語る上で絶対に外せないのが、このゲーム独自の「SPバトル」システムだ。

    通常のレースゲームは「相手より速くゴールする」のが目的だが、本作は違う。ドライバーの精神力を数値化した「スピリットポイント(SP)」を削り合い、相手のSPをゼロにすれば勝利となる。つまり、単なるスピード勝負ではなく、相手の心を折ることが目的なのだ。

    相手の背後にピタリと張り付いてプレッシャーをかける。アザーカー(一般車両)の間をすり抜けて動揺を誘う。インを突いて無理やり追い越し、精神的な動揺を与える──。こうした「駆け引き」が、レースゲームというジャンルに異質な緊張感をもたらしている。

    実際にプレイしてみると、この「精神が削れる様なギリギリのバトル」という公式の説明が決して誇張ではないことがわかる。相手に張り付かれると自分のSPがみるみる減っていき、「ヤバい、離されないと……!」という焦りが生まれる。逆に相手を追い詰めている時の全能感も格別だ。

    筆者が特に印象的だったのは、インを無理やり突いて追い越そうとした瞬間、壁に激突してしまい一気にSPが削られた時だ。「速く走ればいい」という単純な思考では勝てない。相手の動きを読み、タイミングを計り、時には我慢も必要──まるで格闘ゲームのような読み合いがそこにはあった。

    457人のライバルが待つ完成形

    正式版では、早期アクセス版の200人から大幅に増加し、457人もの個性的なライバルが登場する。それぞれが独自の車両と運転スタイルを持ち、パッシング(ヘッドライトを点滅させてバトルを挑む合図)で勝負を仕掛けてくる。

    中でも注目なのが「ワンダラー」と呼ばれる隠しライバルたちの存在。特定の車に乗っている時だけ、特定の時間帯だけ、連勝記録を維持している時だけ──条件を満たした時にしか現れない彼らを探し出し、倒すことがメタゲームとして機能している。

    海外レビューサイトNGOHQ.comは「ライバルへの個性付けこそが、本作を他のレーシングゲームと決定的に分けるもの」と評価している。AIの対戦相手が単なる障害物ではなく、それぞれが固有の名前、チーム、挑発セリフを持つことで、一つ一つのバトルに意味が生まれるのだ。

    Hondaの復活と新章の追加

    正式版で最も大きな変化の1つが、Hondaの正式ライセンス復活だ。Tokyo Xtreme Racer 3以降、Hondaは「ストリートレーシングとの関連を避けたい」という理由で不参加だったが、18年ぶりに本シリーズに復帰した。

    日産GT-R R35、レクサスLC500、トヨタGRスープラといった人気車種も追加され、総収録車両数は大幅に拡充。さらに元気は「将来のアップデートでフォードやシボレーといった欧米メーカーも追加予定」と発表しており、グローバル展開を視野に入れた展開が期待される。

    ストーリーも完結編まで追加され、早期アクセス版の中盤までから、最後まで遊べる完全版へと進化した。

    夜の首都高を駆け抜ける、あの感覚

    本作の舞台は「封鎖された未来の東京」。設定上は近未来だが、実際の首都環状線C1を忠実に再現したコースは、180km以上にわたって精密に作り込まれている。

    複雑に入り組んだカーブ、ダイナミックな高低差、そして夜の首都高特有の雰囲気──。このコースを実在する車両で走る体験は、他のレースゲームでは味わえない独特のものだ。

    特に素晴らしいのが、Unreal Engine 5による夜の首都高の表現。ネオンの光が車体に反射し、ヘッドライトが闇を切り裂く。首都高の無機質なコンクリート壁が、UE5のグラフィックスで妙にリアルに映える。

    そして驚くべきことに、本作は「UE5なのにポテトPCでも動く」ことで話題になった。最低動作環境がCore i7-7700とGTX 1050Tiという、比較的古めのスペックでも動作するよう最適化されており、「UE5ゲームで初めてまともに動いた」という声も多い。

    正式版で見送られた機能、それでも続く開発

    ただし、正式版リリースにあたって元気は重要な発表を行った。当初予定されていたリプレイ機能Steamオンラインランキングが実装見送りとなったのだ。

    リプレイ機能については「将来のアップデートで磨き上げて実装する」とコミットしているが、ランキング機能については「チート対策が不十分なため、フェアなプレイ環境を提供できない」として無期限延期となった。

    マルチプレイヤー機能も現時点では未実装で、完全にシングルプレイヤー体験に特化している。海外メディアOverTake.ggは「デュエル文化に根差したゲームでマルチプレイがないのは残念」と指摘しつつも、「オフラインのストーリー中心の体験としては、この欠落はそれほど目立たない」と評価している。

    価格は早期アクセス版の3,960円から正式版では6,600円(海外では$49.99)に値上げされたが、早期アクセス版を購入したユーザーは無償でアップグレードされる。

    元気は「フルリリース後も開発を続ける」と明言しており、新車両、新カスタマイズパーツ、追加ストーリーなどが今後実装予定だ。

    ハンコン対応で没入感が桁違いに

    本作の大きな魅力の1つが、ハンドル型コントローラー(ハンコン)への対応だ。

    Logicool G923、G29、Fanatec CSL DD、Thrustmaster T300RSなど、主要なハンコンのプリセットが用意されており、プラグアンドプレイで即座に楽しめる。フォースフィードバック機能も正式版で実装され、路面の凹凸やタイヤのグリップ感がダイレクトに伝わってくる。

    ハンコンでプレイすると、SPバトルの緊張感が段違いに高まる。ステアリングを握る手に汗が滲み、相手に追い詰められると思わず前のめりになる。パッドでも十分楽しめるが、ハンコンを持っているなら絶対に試してほしい。

    「首都高を自分の手で走っている」という没入感は、他のどんなレースゲームよりも強烈だ。

    18年ぶりの完全復活に涙するファンたち

    Steamのレビュー欄を見ると、「お帰り、元気」「18年待った」「完成版、最高」といったコメントが溢れている。正式版リリース後のレビューでは「早期アクセスから大幅に進化した」「ストーリーが完結して満足」という声が多数を占める。

    一方で「マルチプレイがないのは残念」「リプレイ機能が欲しかった」という指摘もあるが、全体としては96%という圧倒的な好評価を維持している。

    海外レビューサイトSilent’s Blogは「Tokyo Xtreme Racerは雰囲気こそがすべて。NFS Undergroundがチューナー文化を完璧に表現したように、TXRは日本の高速レーサー文化に没入させてくれる」と評価。NGOHQ.comは「これは再発明でも主流向けのゲームでもない。オリジナルを忘れられないものにした全てを忠実に復活させたものだ」と結論づけている。

    ある意味、本作は「誰も作らなくなった種類のレースゲーム」だ。グランツーリスモのようなリアル路線でもなく、マリオカートのようなカジュアル路線でもなく、Horizonのようなオープンワールド路線でもない。

    首都高という限定された舞台で、精神を削り合い、最速を目指す──。このストイックさと独特の世界観が、18年の時を超えて多くのゲーマーの心を掴み、そして正式版として結実した。

    筆者自身も、初めて首都高を走った時の感覚を今でも覚えている。あの夜の首都高特有の雰囲気、SPバトルの緊張感、そして「勝った!」という達成感──。すべてが新鮮で、すべてが刺激的だった。

    『首都高バトル』は、単なるノスタルジーで終わらせるには惜しい、現代でも十分に通用する魅力を持ったレースゲームだ。正式版は6,600円(税込)で、今後も継続的なアップデートが予定されている。

    「伝説のレースゲームを体験したい」という新規プレイヤーにも、「あの頃の首都高バトルに再会したい」というシリーズファンにも、自信を持っておすすめできる。

    夜の首都高で、精神を削り合う戦いが完全な形で帰ってきた──。


    基本情報

    タイトル: 首都高バトル(Tokyo Xtreme Racer)
    開発: 元気株式会社
    販売: 元気株式会社
    プラットフォーム: Steam (PlayStation 5版は今後予定)
    早期アクセス配信日: 2025年1月23日
    正式版リリース日: 2025年9月25日
    価格: 正式版 6,600円(税込)
    言語: 日本語、英語、韓国語、簡体字中国語
    プレイ人数: 1人(マルチプレイヤー未実装)
    Steam評価: 圧倒的に好評(8,542件中96%が好評)
    総ライバル数: 457人
    収録車両: 50台以上(Honda復活、今後も追加予定)
    コース: 首都環状線C1を含む180km以上
    推奨スペック: GPU RTX4060以上(Ultra設定)、SSD推奨
    最低スペック: Core i7-7700、GTX 1050Ti(Low設定)

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  • 記憶の海に潜る究極のミステリー体験『Mind Diver / マインドダイバー』。愛が被害者となる悲劇を解き明かせ

    記憶の海に潜る究極のミステリー体験『Mind Diver / マインドダイバー』。愛が被害者となる悲劇を解き明かせ

    記憶に潜るなんて……本当にできるの?

    Steam で 98% という圧倒的な高評価を誇る『Mind Diver / マインドダイバー』。人の意識に潜って記憶を修復するという SF 的な設定に最初は半信半疑だったが、実際にプレイしてみると……これは間違いなく今年最高のミステリーアドベンチャーだ。

    PLAYISMから 2025年9月28日にリリースされた本作は、デンマークの 5人組インディーデベロッパー Indoor Sunglasses が手がけた初の商業作品。もともとは学生時代の失恋体験をもとにした学生プロジェクトで、IGF 2023 で学生作品部門のファイナリストに選ばれた実績を持つ。

    記憶を修復して真実を暴け!独創的すぎるマインドダイビング

    本作の主人公は「マインドダイバー」と呼ばれる特殊な調査員だ。記憶障害を患った女性リナの意識に潜り、行方不明になった恋人セバスチャンの手がかりを探すのが目的となる。

    実際にゲームを始めると、まず驚かされるのがその独特すぎるビジュアル表現だ。記憶の世界は「マインドオーシャン」と呼ばれる海のような空間として描かれ、プレイヤーは水中を泳ぎながら記憶の断片を探索していく。この記憶空間のアートスタイルは、デンマークの実際の俳優や風景を 3D スキャンして作り上げたもので、現実とも夢ともつかない不思議な質感を生み出している。

    記憶の修復システムもかなり斬新だ。探索中に発見する各記憶には必ず何かが欠けており、プレイヤーは周囲にあるオブジェクトや人物をドラッグ&ドロップして空白部分を埋める必要がある。正しい答えを見つけると隠されていた会話や出来事が明らかになり、事件の全容が少しずつ見えてくる仕組みになっている。

    「あれ? このパーティーで何があったんだろう?」「セバスチャンはなぜ姿を消したの?」といった疑問を抱きながら、論理的推理を重ねて真実に迫っていく過程は、まさに『Return of the Obra Dinn』や『Her Story』のような名作推理ゲームに匹敵する面白さだった。

    心を揺さぶる恋愛ドラマに涙腺崩壊

    本作の最大の魅力は、単なる推理パズルにとどまらない感動的なヒューマンドラマにある。リナとセバスチャンの複雑な恋愛関係が記憶の修復と共に明らかになっていくのだが、その描写が本当に丁寧で心に響く。

    特に印象的だったのは、2人の出会いから交際、そして破局に至るまでの過程を追体験する場面だ。最初は幸せそうに見えた関係にも実は深い影があり、互いの価値観の違いや相手への期待と現実のギャップが浮き彫りになっていく。開発者の実体験に基づいているだけあって、恋愛の光と影を描く筆致には重みがある。

    プライベートな会話や心の内を覗き見しながら進める推理は、まるで本当に誰かの記憶を覗いているような罪悪感も感じさせる。それでも真実を知りたいという気持ちが勝ってしまうのは、登場人物への感情移入がしっかりとできているからだろう。

    『Return of the Obra Dinn』の開発者ルーカス・ポープ氏も「アートスタイルとビジュアルが圧倒的で、ゲームシステムもしっかりと設計されており、謎解きも非常に魅力的。『マインドダイバー』は間違いなく人を惹きつける作品です」と絶賛コメントを寄せている。

    短いけれど密度の濃い6時間の記憶探索

    プレイ時間は公式発表で約 6 時間とやや短めだが、その分内容の密度は非常に高い。冗長な部分がなく、最初から最後まで緊張感を保ったまま物語が進行していく。

    謎解きの難易度もちょうどよく調整されており、論理的思考力は求められるものの理不尽に難しいということはない。記憶の断片から正解を導き出せたときの達成感は格別で、「自分は思ったより賢い!」と感じさせてくれる絶妙なバランスが保たれている。

    一方で、ストーリー重視の作品なのでアクション要素やボリュームを求める人には物足りないかもしれない。しかし、質の高いミステリー体験と感動的な物語を求める人にとっては、間違いなく満足のいく作品だ。

    実際のプレイヤーレビューでも「2時間で泣かせるゲーム体験をありがとう。忘れられない作品になった」「ゲームが持つ独特な表現力を活かした素晴らしいストーリーテリング」「このゲームで改めてゲームの素晴らしさを思い出した」など、高評価のコメントが数多く寄せられている。

    基本情報

    Mind Diver / マインドダイバー

    • 開発: Indoor Sunglasses
    • 販売: PLAYISM
    • リリース日: 2025年9月28日
    • プラットフォーム: Steam
    • 価格: 1,840円(税込)※リリース記念セール中は15%オフの1,564円
    • 言語: 日本語対応(音声:英語、字幕:日本語他11言語)
    • プレイ時間: 約6時間
    • 難易度: 初心者向け~中級者向け
    • Steam評価: 非常に好評(98%)
    • ジャンル: ミステリーアドベンチャー
    • 特徴: 一人称視点、推理パズル、記憶修復、3Dスキャン技術使用

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  • 建物の破壊がこんなにも奥深いとは…『Deconstruction Simulator』でハマった解体業者の世界

    建物の破壊がこんなにも奥深いとは…『Deconstruction Simulator』でハマった解体業者の世界

    解体ってただ壊すだけじゃないの?

    『Deconstruction Simulator』というタイトルを初めて見た時、正直「建物をハンマーでガンガン叩いて破壊するだけの単純なゲームだろう」と軽く考えていた。しかし、実際にプレイしてみると……これが想像以上に奥が深い!単純な破壊ゲームかと思いきや、戦略性とビジネス要素が絶妙に絡み合った、まさに大人のシミュレーションゲームだったのだ。

    Steam評価77%という高評価の理由が、プレイしてみて痛いほど理解できた。これは間違いなく、隠れた名作だ。

    解体にも戦略あり!慎重派か豪快派かはアナタ次第

    ゲームが始まると、まずは小さな解体契約から挑戦することになる。最初は「壁を一枚だけ取り除く」といった簡単な作業だが、ここで早くも『Deconstruction Simulator』の魅力に気づかされる。

    というのも、ただがむしゃらに壊せばいいというわけではないのだ。なぜなら、解体した物品をリサイクルして売れるから。レンガや木材を丁寧に取り外せば高値で売れるが、ハンマーで豪快に叩き割ればただのガレキになってしまう。

    この「丁寧に稼ぐか、豪快に時短するか」の選択が、プレイヤーを大いに悩ませる。

    慎重に作業すれば一つ一つのアイテムを無傷で回収でき、リサイクル業者に高く買い取ってもらえる。しかし、時間がかかりすぎて効率が悪い。一方、ハンマーで豪快に破壊すれば作業は早いが、すべてがガレキになって買い取り価格が下がってしまう。

    この絶妙なバランスが、プレイヤーの戦略性を刺激するのだ。

    物理演算の爽快感が病みつきになる

    『Deconstruction Simulator』の最大の魅力は、なんといってもリアルな物理演算だ。壁をハンマーで叩けば、石膏ボードが崩れ、内部の木材が露出する様子が非常にリアル。建物全体を解体用ボールで破壊する時の崩壊シーンは、思わず「おおお…」と声が出てしまうほど壮観だ。

    特に印象的だったのは、古い家屋を丸ごと解体した時のこと。慎重に支柱を取り除いていくと、建物がまるで積み木のように美しく崩れていく。この瞬間の爽快感と達成感は、他のゲームではなかなか味わえない。

    ただし、物理演算がリアルすぎて、時には予想外の事故も起きる。支柱を一本取り除いただけで建物全体が崩壊し、せっかく丁寧に取り外した貴重品が下敷きになってしまうことも…。そんな時は思わず「あちゃ〜」となるが、それもまた現実の解体業者の苦労を体験している気分になって面白い。

    ビジネス経営要素が想像以上に本格的

    単純な破壊作業だけでなく、解体業者としてのビジネス経営も『Deconstruction Simulator』の重要な要素だ。契約を選び、適切な機材をレンタルし、効率よく作業して利益を上げる。この経営シミュレーション部分が、ゲームに深い戦略性を与えている。

    序盤は小さなハンマーと軽トラックでこじんまりとした作業をこなしていたが、利益を重ねることで倉庫を拡張し、大型車両を購入し、解体用ボールまでレンタルできるように。この成長実感がたまらなく気持ちいい。

    しかし、経営は甘くない。解体用ボールのレンタル料が600ドルなのに、契約料が350ドルという赤字案件に遭遇した時は頭を抱えた。「なぜこんな契約を受けたんだ…」と後悔しつつも、リサイクル収入で何とか黒字に持ち込む必要がある。このリアルな経営の厳しさも、ゲームをより面白くしている要素の一つだ。

    課題もあるが、それを補って余りある魅力

    正直に言えば、『Deconstruction Simulator』には改善点もある。トラックへの積み込みが思うようにいかなかったり、アイテムの当たり判定が厳しすぎて効率的に積めなかったりと、操作面でのストレスを感じる場面もある。

    また、契約地点が遠すぎて移動時間と燃料費が利益を圧迫することも。「こんな遠くの仕事を受ける意味があるのか?」と思わずにはいられない。

    それでも、これらの課題を補って余りある魅力がこのゲームにはある。建物を解体する爽快感、戦略を練る楽しさ、ビジネスを拡大する達成感。これらすべてが絶妙に組み合わさって、独特のゲーム体験を生み出している。

    Steam Deck対応で場所を選ばず解体三昧

    嬉しいことに、『Deconstruction Simulator』はSteam Deckでもプレイ可能だ。感度の調整に多少課題はあるものの、文字の読みやすさに問題はなく、携帯モードでも十分楽しめる。電車の中で解体業者になるという、なんとも不思議な体験ができるのも面白い。

    タッチスクリーンでの操作も必要な場面があるが、全体的には快適にプレイできる。「ちょっとした空き時間に建物を一軒解体しよう」なんて気軽に楽しめるのが素晴らしい。

    解体業者体験の決定版

    『Deconstruction Simulator』は、単純な破壊ゲームを期待していた私を良い意味で裏切ってくれた。戦略性、爽快感、経営要素がバランス良く組み合わさり、解体業者という職業の奥深さを疑似体験させてくれる。

    77%という高評価も納得の出来栄えで、シミュレーションゲーム好きなら間違いなく楽しめる一作だ。建物を破壊することがこんなにも奥が深いとは…。ぜひ一度、解体業者の世界に足を踏み入れてみてほしい。

    基本情報

    タイトル: Deconstruction Simulator
    開発: Hypnotic Ants
    パブリッシャー: Games Incubator, PlayWay S.A.
    プラットフォーム: PC (Steam)
    リリース日: 2025年9月23日
    価格: 通常価格1,700円(Steam)
    プレイ時間: 20-50時間以上
    難易度: 初心者向け〜中級者向け
    Steam評価: やや好評 (77%)
    日本語対応: あり

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  • 憧れの政府機関オペレーターになれる『The Operator』。現場じゃなくて”椅子に座る男”こそが主役だ

    憧れの政府機関オペレーターになれる『The Operator』。現場じゃなくて”椅子に座る男”こそが主役だ

    映画でよく観る「あのシーン」をついに体験できるぞ!

    Steamで90%という高評価を獲得している『The Operator』。最初に見たときは「政府機関のオペレーター? 地味そうだな」と正直思った。アクション映画では華々しい銃撃戦を繰り広げる現場エージェントばかりが注目され、後方で支援する”椅子に座る男”なんて脇役でしかない。

    しかし、実際にプレイしてみると、その考えは完全に間違いだった。『The Operator』は、オペレーターこそが主役であることを証明する傑作だったのだ。

    二日酔いの新人オペレーター、事件に巻き込まれる

    舞台は架空の政府機関「FDI(Federal Department of Intelligence)」。プレイヤーは新人オペレーターのイーヴァン・タナーとなって、現場のエージェントをサポートする役割を担う。

    ゲーム開始時、主人公は二日酔いで朦朧とした状態。「気持ちを新たにして、二日酔いを乗り越えて初日を迎えろ」という上司の声とともに、慌ただしい一日が始まる。

    最初の印象は「なんだかリアルだな」だった。実際の政府機関のコンピューターシステムのような、無骨で機能的なインターフェース。映画のようなカッコよさはないが、その分だけ本物感が漂っている。

    映像解析から爆弾解除まで、オペレーターの仕事は多岐にわたる

    『The Operator』の魅力は、オペレーターの業務がとにかく多彩なこと。単調な作業ではなく、毎回異なる種類の事件に対応していく。

    監視映像の解析では、ぼやけた映像を「エンハンス」機能で鮮明にして容疑者を特定する。まさに映画で見る「画像を拡大してくれ!」のシーンを自分で体験できるのだ。データベース検索でナンバープレートから車の所有者を割り出したり、化学物質の成分分析を行って証拠を掴んだり。

    特に印象的だったのが爆弾解除のサポート。現場のエージェントから「赤い線と青い線、どっちを切ればいい?」と緊迫した声で連絡が入る。手元の爆弾解除マニュアルと爆弾の写真を見比べて、一刻を争う状況で正しい指示を出さなければならない。

    手が震えそうになるほど緊張した。現場にいないのに、この臨場感はすごい。

    「信用するな」の警告が示す深い陰謀

    ゲームが進むにつれ、単なる犯罪捜査ゲームではないことが明らかになってくる。ストアページにすら「だれも信用するな」という不穏なメッセージが表示されており、これが伏線になっているのだ。

    最初は殺人事件や行方不明者の捜索といった一般的な事件を扱っていたのに、だんだんと政府内部の陰謀に巻き込まれていく。上司からの指示にも疑問を抱くようになり、真実を見極めることが困難になってくる。

    特に中盤以降は、「この情報は本当に正しいのか?」「自分が調べている事件は本当に事件なのか?」と常に疑いながらプレイすることになる。オペレーターとしての判断力が試される場面が増え、緊張感が途切れることがない。

    リアルな技術とインターフェースが没入感を高める

    『The Operator』が他のゲームと一線を画すのは、その技術的なリアリティだ。登場するソフトウェアやデータベースは、実在の政府機関が使用していそうなレベルで作り込まれている。

    顔認識システム、音声分析ツール、GPS追跡システム、化学分析装置など、現代の捜査機関が実際に使用している技術がゲーム内に再現されている。これらのツールを使いこなしていく過程で、本物の政府オペレーターになったような錯覚を覚える。

    また、声優の演技も秀逸だ。現場エージェントとの無線通話は、まさにテレビの犯罪ドラマを見ているかのよう。緊迫した状況での指示や報告のやり取りが、ゲームの臨場感を大幅に向上させている。

    約4時間の濃密な体験、しかし結末は……

    プレイ時間は約4時間と短めだが、その分だけ内容が凝縮されている。ダラダラとした展開は一切なく、最初から最後まで緊張感を保ったまま進行する。

    ただし、エンディングはかなり衝撃的なクリフハンガー。多くのプレイヤーが「続きが気になって仕方ない!」と感じるであろう終わり方をしている。これは賛否両論で、「短すぎる」「結末が不完全」という意見もある一方、「続編への期待が高まる」という声も多い。

    個人的には、このクリフハンガーエンディングも含めて『The Operator』の魅力だと思う。現実の政府機関で働くオペレーターも、日々継続する事件や陰謀に対処しているはず。一つの事件が解決しても、新たな謎が生まれる。そんなリアルな政府機関の日常を体験させてくれる作品だ。

    アルフレッドの方がバットマンより興奮する

    『The Operator』をプレイしていて強く感じたのは、「アルフレッドの方がバットマンより興奮する」ということ。現場で銃を撃ったり格闘したりするよりも、後方で情報を分析し、的確な指示を出すことの方がスリリングだった。

    現場のエージェントが危機に陥ったとき、手元のデータベースから救いの情報を見つけ出せたときの達成感は格別だ。「君のおかげで助かった!」という感謝の言葉を聞くたびに、オペレーターとしての誇りを感じる。

    政府機関で働くことを夢見たことがある人、捜査ドラマが好きな人、パズル的な謎解きが好きな人には特におすすめしたい。Bureau 81が開発した本作は、「椅子に座る男」の魅力を最大限に引き出した傑作だ。

    基本情報

    タイトル: The Operator
    開発: Bureau 81
    パブリッシャー: Bureau 81, indienova
    プラットフォーム: Steam, Epic Games Store
    リリース日: 2024年7月22日
    プレイ時間: 約4時間
    日本語: 非対応
    Steam評価: 非常に好評(90%)
    価格: 1,600円

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  • 謎の群島で生き抜け!サバイバルと抽出シューターが融合した『Lost Rift』早期アクセス開始。People Can Flyが挑む新境地とは?

    謎の群島で生き抜け!サバイバルと抽出シューターが融合した『Lost Rift』早期アクセス開始。People Can Flyが挑む新境地とは?

    無人島サバイバル……だけじゃない?

    『Bulletstorm』や『Painkiller』で知られるPeople Can Flyが新たに手掛ける『Lost Rift』が、2025年9月25日にSteamで早期アクセスを開始した。一見すると南国の美しい群島を舞台にしたサバイバルゲームに見えるが、実はそれだけじゃない。本作の本当の面白さは、安全なPvE拠点とスリリングな抽出シューターを組み合わせた革新的なゲーム設計にあった。

    「なるほど、また無人島サバイバルね」と思ってプレイを始めた筆者だったが、ゲームが本格的に動き出すと、その予想は完全に裏切られることになった。

    二つの島、二つの顔

    『Lost Rift』の舞台となるのは、謎に満ちた群島の中でも特に重要な2つの島だ。まずプレイヤーが流れ着くのは「パイオニア・ランディング」という約1平方キロメートルの島。ここは完全にプライベートエリアとなっており、最大5人の仲間と一緒に自由にベースを建設できる安息の地だ。

    従来のサバイバルゲームならこれで完結するところだが、『Lost Rift』はここからが本番。ゲームを進めると、より高品質な素材や装備を求めて「ウエスタン・アイランド」と呼ばれる抽出シューター島への遠征が必要になる。こちらは最大15人のプレイヤーが同時に存在し、40分の制限時間内にできるだけ多くのアイテムを回収して脱出しなければならない、まさに命がけのミッション島だ。

    この二重構造が絶妙で、安全な拠点でじっくりと準備を整えてから、リスクの高い抽出ミッションに挑むというメリハリのあるゲームプレイを実現している。まさに『Escape from Tarkov』のスリルと『The Forest』の安心感を同時に味わえるハイブリッド体験だ。

    ソロプレイヤーには厳しい現実

    しかし、本作には見過ごせない問題もある。特にソロプレイヤーにとって、ウエスタン・アイランドでの生存は非常に困難だ。筆者もソロで挑戦してみたが、ハイエナの群れに囲まれて瞬殺されることが多々あった。なにせハイエナ1匹倒すのに斧で3回殴る必要があるのに、プレイヤーは3回攻撃されると死んでしまうというバランス設定だ。

    ゲーム内でも「ソロでの遠征は推奨しません」と警告が表示されるが、実際のところストーリー進行にはウエスタン・アイランドでの素材収集が必須となる。つまりソロプレイヤーでも最終的には他プレイヤーとの戦闘を避けて通れない設計になっている。

    幸い、開発チームはこの問題を認識しており、最新アップデートではソロプレイヤー同士のマッチングシステムを導入。ソロプレイヤーがグループと遭遇する確率を大幅に削減したという。とはいえ、根本的には協力プレイを前提とした難易度設定であることは変わりない。

    動的天候システムが作り出すドラマ

    本作の魅力の一つが、UE5で実現された美麗なグラフィックと動的天候システムだ。ハリケーンが襲来すれば風と雨でベースが脅かされ、霧が発生すれば視界不良で探索が困難になる。落雷による火災リスクもあり、単なる背景演出ではなく実際のゲームプレイに影響を与える要素として機能している。

    特に抽出ミッション中の天候変化は戦術的な要素となる。霧に隠れて敵プレイヤーから逃れたり、嵐の音で足音をカモフラージュしたりと、環境を活かした駆け引きが楽しめる。100近くのクエストが用意されており、それぞれ20-30時間のプレイ時間が見込まれているため、長期間にわたって楽しめるコンテンツボリュームも確保されている。

    現在の評価と今後の展望

    Steam レビューでは70%の好評価を獲得しているものの、「賛否両論」の評価に留まっている。主な批判点は前述のソロプレイヤーへの配慮不足と、世界の生物多様性の乏しさ(ドードー、ハイエナ、カニ程度しかいない)、そして一部のグレーボックス(開発中の仮素材)が残っている点だ。

    しかし、People Can Flyは2年以上の開発期間を経てこのプロジェクトを進めており、早期アクセス期間中にコミュニティからのフィードバックを積極的に取り入れる姿勢を見せている。実際、ソロプレイヤー問題への対応も素早く、今後の改善に期待が持てる。

    協力プレイヤーにとっては、仲間と一緒にベースを築き上げ、危険な遠征に挑む体験は非常に魅力的だ。特に最大5人での協力プレイでは、役割分担や戦術的な連携が重要になり、チームワークの醍醐味を十分に味わうことができる。

    『Lost Rift』は、サバイバルゲームと抽出シューターという二つのジャンルを組み合わせた意欲的な作品だ。現状では荒削りな部分もあるが、People Can Flyの豊富な開発経験とコミュニティとの協働により、唯一無二のゲーム体験に成長していく可能性を秘めている。

    協力プレイを楽しみたいプレイヤーや、新しいサバイバル体験を求める方にはぜひオススメしたい。12ヶ月の早期アクセス期間を通じて、どのような進化を遂げるのか今から楽しみだ。

    基本情報

    ゲーム名: Lost Rift
    開発: People Can Fly
    パブリッシャー: People Can Fly
    プラットフォーム: PC (Steam)
    早期アクセス開始日: 2025年9月25日
    価格:通常価格 2,995円(20%オフ現在2,396円、10月10日まで)
    プレイ人数: 1-5人(協力プレイ)
    対応言語: 日本語対応済み
    ジャンル: サバイバル・抽出シューター・ベースビルディング
    プレイ時間: 20-30時間以上(クエストのみ)

    Steam: https://store.steampowered.com/app/3494520/Lost_Rift/
    公式サイト: https://lostrift.com
    公式Discord: http://lostrift.com/discord

  • 神秘的な古物店でオカルト探偵に挑む!『Strange Antiquities』で味わう謎解きの至福

    神秘的な古物店でオカルト探偵に挑む!『Strange Antiquities』で味わう謎解きの至福

    ..店主が不在の間、一人で古物店を切り盛りすることになったが…?

    「またオカルト系のゲームかぁ……」と、最初はそれほど期待していなかった。正直なところ、謎めいた世界観や暗い雰囲気のゲームは「苦手ではないけれど特別好きでもない」という程度の印象だったのだ。ところが『Strange Antiquities』をプレイしてみると、そんな先入観は一気に吹き飛んだ。これは単なるオカルトゲームではなく、推理と発見の楽しさが詰まった、とてつもない中毒性を持つパズルアドベンチャーだった。

    アンダーメアの町で古物店の見習いに

    本作の舞台は、『Strange Horticulture』の世界から数年後のアンダーメア。プレイヤーは魔術師イーライ・ホワイトが営む古物店「Strange Antiquities」で、見習い奇術師として働くことになる。店主が重要な用事で不在になった際、一人で店を切り盛りする羽目になったのだ。

    「大丈夫、簡単な仕事よ」なんて軽く考えていたのが大間違い。やってくるお客さんたちの相談内容が、どれもこれも奇怪で複雑なのである。「悪夢を払いたい」「旅の安全を祈願したい」「盗まれた宝石を取り戻したい」など、まさにオカルト古物店ならではの依頼ばかり。それぞれの悩みに合った遺物を見つけ出すのが、プレイヤーの仕事というわけだ。

    これぞ真の”探偵ゲーム”! 遺物鑑定の醍醐味

    『Strange Antiquities』の最大の魅力は、何と言っても遺物の鑑定システムだ。店内にはカウンターを取り囲むように、大量の神秘的なアイテムが陳列されている。光る髪の毛が封じ込められたガラス瓶、血のような赤い筋が走る黒い宝石を握った鉄の爪、緑色の眼球がこちらの動きを追ってくる銀のペンダント……見ているだけで背筋がゾクリとするような品物ばかりだ。

    お客さんが店に入ってくると、まずは彼らの話に耳を傾ける。「こんな効果のあるものが欲しい」「このような見た目のアイテムを探している」といった情報を整理し、手元にある複数の参考書と照らし合わせながら、該当する遺物を特定していく。

    最初こそ「なんとなくこれかな?」という感覚で選んでいたのだが、ゲームを進めるにつれて、より詳細な手がかりが必要になってくる。シンボルの意味、材質の違い、歴史的背景……あらゆる情報を総合して、正しい遺物を見つけ出したときの達成感は格別だ。

    特に印象的だったのは、ある遺物の「触り心地」に注目する必要があったケース。同じ素材で作られているはずなのに、角と胴体で明らかに感触が違う……そんな微細な違いに気づいたときは、まさに名探偵になった気分を味わえた。

    町の探索が謎解きをさらに深める

    今作では店内での鑑定作業に加えて、アンダーメアの町を歩き回る探索要素も大幅に強化されている。お客さんから渡される手描きの地図を頼りに、町の各所に隠された場所を見つけ出すのだ。

    この地図パズルが実に巧妙で、曖昧に描かれた目印から実際の場所を推測する必要がある。時には複数の候補地があり、間違った場所を訪れてしまうこともあるのだが、それもまた冒険の一部として楽しめる。『Strange Cartography』(仮)なんてスピンオフがあったら絶対プレイしたいほど、地図を読み解く楽しさにハマってしまった。

    選択が重要! 複数エンディングへの道

    『Strange Antiquities』では、どの遺物をお客さんに渡すかによって、物語の展開が大きく変わる。同じ悩みを抱えた人に対しても、「助ける」「呪いをかける」「何もしない」といった選択肢が用意されており、プレイヤーの判断が直接的に結末に影響する。

    実際、一度目のプレイでは「困っている人は全員助けよう」という善人ルートで進めたのだが、二度目は少し意地悪な選択も試してみたくなった。すると、町の人々の反応や店への評判が明らかに変化し、全く異なるストーリー体験を楽しめたのだ。

    ジュピターとの癒しタイム

    オカルト要素満載の緊張感ある謎解きの合間に、ほっと一息つかせてくれるのが店の看板猫ジュピター。この子を撫でている時間が、プレイ中の至福のひとときだった。来客でベルが鳴ると驚いて飛び跳ねる仕草も愛らしく、殺伐とした古物店に温かみを与えてくれる重要な存在だ。

    「撫でられる動物がいるゲームは良いゲーム」という持論があるのだが、『Strange Antiquities』は間違いなくその法則に当てはまる優秀作品である。

    Steam評価96%の圧倒的品質

    発売からわずかな期間で、Steamレビュー数は944件を突破し、そのうち96%が「好評」という驚異的な数字を記録している。「Overwhelmingly Positive(圧倒的に好評)」の評価は伊達ではない。

    プレイヤーたちからは「パズルの難易度が絶妙」「雰囲気が最高」「『Strange Horticulture』よりもさらに洗練されている」といった声が相次いでおり、前作ファンも新規プレイヤーも等しく楽しめる内容に仕上がっている。

    基本情報

    ゲーム名: Strange Antiquities
    開発者: Bad Viking
    パブリッシャー: Iceberg Interactive
    プラットフォーム: Steam (Windows)、Nintendo Switch
    プレイ時間: 約12時間
    難易度: 初心者向け~中級者向け(ヒント機能あり)
    Steam評価: 非常に好評 (96%)
    リリース日: 2025年9月17日
    価格: 2,000円(Steam)
    日本語: 完全対応

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  • 12ゲージショットガンで挑む地獄のギャンブル『Buckshot Roulette』。命を賭けたロシアンルーレットが恐ろしくも中毒的

    12ゲージショットガンで挑む地獄のギャンブル『Buckshot Roulette』。命を賭けたロシアンルーレットが恐ろしくも中毒的

    ショットガンでロシアンルーレット!正気じゃないぞ。

    地下ナイトクラブの奥で行われる命懸けのギャンブル。相手は正体不明の「ディーラー」で、武器は12ゲージのショットガン。PC(Steam)向けゲーム『Buckshot Roulette』は、従来のロシアンルーレットを革命的に再構築した心理戦ホラーだ。

    Steamストアページで初めて見たときは「またバイオレンス系のゲームか」と思っていた。しかし実際にプレイしてみると、これはただのホラーゲームではない。運と戦略が絶妙に絡み合う、極限の心理戦が待っていた。

    なにこれ、心臓がもたない……

    ゲームが始まると、薄暗い地下クラブの一室で巨大な口を持つ不気味なディーラーと対峙することになる。ルールは単純だ。ショットガンには実弾と空弾がランダムに装填され、自分か相手のどちらかを撃つ。空弾で自分を撃てばもう1ターン、実弾なら相手のターンに移る。3ラウンド制で、相手のライフをゼロにすれば勝利だ。

    「なんだ簡単じゃん」と思ったのも束の間。実際にプレイしてみると、この単純なルールの奥深さに驚愕した。

    最初のラウンドこそ運任せだが、2ラウンド目からは様々なアイテムが配布される。虫眼鏡で次の弾を確認できたり、のこぎりでダメージを倍増できたり、ビール缶で弾を排出できたりと、戦略の幅が一気に広がる。

    特に興味深いのが「携帯電話」というアイテム。使用すると、ショットガン内のランダムな弾の種類と位置を教えてくれる。「4番目の弾は実弾」という情報を元に、相手の行動を予測し、自分の戦略を立てる必要がある。

    ディーラーのAIが恐ろしく賢い(そして時々バカ)

    このゲームで最も印象的なのは、ディーラーのAIだ。基本的にはかなり賢く、確実に勝てる状況では容赦なく攻撃してくる。虫眼鏡で弾を確認してから確実に実弾で撃ってきたり、のこぎりでダメージを倍増してから攻撃してきたりと、油断していると一瞬で形勢が逆転する。

    しかし面白いことに、このAIは完全に確率計算をしているわけではない。実弾が3発、空弾が2発残っていても、平気で自分に向けて撃つことがある。この「人間らしい不完璧さ」が、逆にゲームを面白くしている。完璧すぎるAIだと勝ち目がなくなるが、時々のミスがプレイヤーに希望を与えてくれる。

    緊張感がハンパじゃない

    最も印象的だったのは、最終ラウンドの「サドンデス」モード。通常は除細動器でライフを回復できるのだが、最終ラウンドでは一度死んだら本当にゲームオーバーだ。手錠でディーラーの行動を封じたり、アドレナリンで相手のアイテムを奪ったりと、あらゆる手段を駆使して勝利を目指す。

    実弾が1発しか残っていない状況で、ディーラーがのこぎりを使ってダメージを倍増させた瞬間の絶望感は筆舌に尽くしがたい。しかも相手は虫眼鏡も持っている。「詰んだ……」と思った瞬間、ディーラーが何を思ったか自分に向けて撃ち、空弾だった時の安堵感ときたら……。

    短時間で濃密な体験

    1プレイは15~20分程度と短いが、その短時間に凝縮された緊張感は他のゲームでは味わえない。クリア後に解放される「ダブル・オア・ナッシング」モードでは、連勝すればするほど賞金が倍増していくが、一度でも負ければすべてを失う。まさにギャンブルの醍醐味だ。

    また、最大4人でプレイできるマルチプレイヤーモードも実装されており、友人同士での心理戦を楽しめる。フレンドと一緒にプレイすれば、きっと友情に亀裂が入ること間違いなしだ(いい意味で)。

    工業的な雰囲気が恐怖を演出

    ビジュアル面では、暗い地下クラブの工業的な雰囲気が印象的だ。錆びた金属、薄暗い照明、そして絶え間なく鳴り響くテクノミュージック。これらすべてが、命を賭けたギャンブルという異常な状況を演出している。

    開発者のMike Klubnika氏が作曲したサウントラックも秀逸で、緊張感を高めるインダストリアルなビートが、プレイヤーの心拍数を確実に上げてくる。

    Steam Deckでも快適プレイ

    Steam Deckでのプレイも問題なく、通勤中や寝る前の短時間プレイに最適だ。バッテリー消費は若干多めだが、1プレイが短いため実用上は問題ない。

    操作はD-padでの選択が基本となるため、Steam Deckのコントロールとも相性が良い。ただし、慣れるまではジョイスティックを使いたくなってしまうかもしれない。

    400万本売れた理由がわかる

    『Buckshot Roulette』は、2023年12月のitch.io版リリース以来、TwitchやTikTokで爆発的な人気を博し、Steam版は発売2週間で100万本を突破。現在までに400万本以上を売り上げている。

    この成功の理由は明確だ。シンプルなルール、短時間プレイ、そして極限の緊張感。さらに配信映えする要素も多く、視聴者と一緒に楽しめる作りになっている。

    Steam評価も96%と圧倒的に好評で、「中毒性がやばい」「友達と一緒にプレイしたら修羅場になった」といったレビューが並んでいる。

    基本情報

    タイトル: Buckshot Roulette
    開発: Mike Klubnika
    パブリッシャー: CRITICAL REFLEX
    配信日: 2024年4月4日(Steam版)
    定価: 350円(Steam)
    プラットフォーム: PC(Steam)、itch.io
    プレイ人数: 1人(シングルプレイ)、最大4人(マルチプレイ)
    プレイ時間: 15-20分/1プレイ
    日本語: 対応
    Steam評価: 圧倒的に好評(96%)

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  • まさか火星でこんなにハマるとは……『Mars First Logistics』で発見した物理エンジンローバー建造の奥深い世界

    まさか火星でこんなにハマるとは……『Mars First Logistics』で発見した物理エンジンローバー建造の奥深い世界

    正直に言おう。最初に見たときは超困惑した。

    「火星で配達?ローバー建造?しかもLEGO風?」Steam のストアページで『Mars First Logistics』を見つけたとき、筆者の頭には疑問符が踊っていた。一見すると子ども向けの組み立てゲームのような印象で、Steam評価96%という数字がどうにも信じられなかった。

    だが、実際にプレイしてみると……この判断がいかに浅はかだったかを思い知らされることになる。

    「ただの配達ゲーム」じゃない、真剣勝負なエンジニアリング体験

    『Mars First Logistics』は Shape Shop が開発し、2023年6月から早期アクセスを開始、2025年9月に正式リリースされた物理シミュレーションゲームだ。プレイヤーは火星のコロニー建設を支援する配達人となり、各地に散らばる奇形な荷物を指定された場所まで運ぶことが目的となる。

    しかし、このゲームの真価は「配達」ではなく「ローバー設計」にある。

    荷物一つとっても、その特性は千差万別だ。重くて崩れやすい建材、風に舞い上がってしまう軽量素材、壊れやすいガラス製品、さらには生きた魚まで——それぞれに最適化されたローバーを一から設計する必要がある。しかも火星の低重力環境と起伏の激しい地形が、プレイヤーの設計力を容赦なく試してくる。

    最初のうちは単純な四輪車から始まるが、すぐにその限界に直面する。坂道でひっくり返る、荷物が転がり落ちる、そもそも重すぎて動かない——そんな失敗の連続に、「もうちょっとだけ改良してみよう」と夢中になってしまうのだ。

    100種類以上のパーツが生み出す無限の可能性

    本作の魅力は、なんといっても豊富なカスタマイズ要素にある。サーボモーター、油圧シリンダー、スプリング、さらにはロケットエンジンまで、100種類を超えるパーツを自由に組み合わせることができる。これらのパーツは単なる装飾ではなく、すべてが物理法則に従って動作する。

    例えば、高い場所に荷物を運ぶ任務では、アーム付きのクレーンローバーを設計する。しかし重いアームを持ち上げるには強力なモーターが必要で、それを支えるためには頑丈な車体が必要で、重い車体を動かすには大きなエンジンが……と、すべてが連鎖的に関係し合っている。この絶妙なバランス感覚こそが、本作最大の醍醐味だ。

    筆者が最も印象に残っているのは、巨大な望遠鏡の鏡を急勾配の山道まで運ぶ任務だった。通常の四輪車では到底不可能なこの配送に、筆者は6輪の低重心ローバーにロケットブースターを取り付けた特殊仕様で挑んだ。しかし登坂中にバランスを崩し、せっかくの鏡が谷底に転がっていく光景は……まさに悪夢そのものだった。

    その後30分かけて設計を見直し、やっとの思いで配送を成功させたときの達成感は、他では得られない特別なものだった。

    協力プレイで広がる創造の輪

    本作は最大4人での協力プレイに対応しており、友人と一緒にプレイするとさらに楽しさが増す。それぞれが異なる役割を担ったローバーを設計し、連携して大型配送に挑むのは格別だ。

    また、Steam Workshop との連携により、世界中のプレイヤーが作成した傑作ローバーをダウンロードして使用することも可能。時には自分では思いつかないような創意工夫に満ちた設計を目にして、「なるほど、そういう発想があったのか!」と感嘆することもしばしばだ。

    正式リリースで完成度がさらに向上

    2025年9月の正式リリースでは、日本語を含む多言語対応、新エリア「フォボス」の追加、10の新契約、そして多数の新パーツが実装された。特にジャイロスコープや自動化回路パーツの追加により、より高度な自動制御システムの構築が可能になっている。

    ゲームの進行に合わせて段階的にパーツがアンロックされる仕組みも秀逸で、常に新しい挑戦が待っている。道路や鉄道といったインフラも建設できるようになり、火星のコロニー発展を実感できるのも嬉しいポイントだ。

    Steam Deck でも快適、どこでもローバー設計

    本作は Steam Deck での動作も良好で、通勤中や移動中にもローバー設計に没頭できる。直感的な操作系統とわかりやすいUI設計のおかげで、コントローラーでも十分に楽しめるのは大きな魅力だ。

    Dan Golding(『Untitled Goose Game』の作曲家)が手掛けたサウンドトラックも素晴らしく、火星の荒野をゆっくりと走行する際の瞑想的な音楽は、思考を整理するのに最適だ。

    エンジニアリングパズルの傑作

    『Mars First Logistics』は、一見すると単純な配達ゲームに見えるが、実際には非常に奥深いエンジニアリングパズルゲームだ。物理法則を理解し、創意工夫で問題を解決する喜びを教えてくれる。

    失敗を重ねながらも少しずつ理想のローバーに近づけていく過程は、まさに現実のエンジニアリングそのもの。「もう一回だけ改良を試してみよう」という気持ちが止まらなくなり、気がつくと数時間が経過している……そんな中毒性を持った作品だ。

    物理エンジンゲームや建造系ゲームが好きな方はもちろん、『Kerbal Space Program』や『Besiege』のようなエンジニアリング要素を楽しめる方には心からオススメしたい。低重力の火星で、あなただけの最強ローバーを設計してみてはいかがだろうか。

    基本情報

    ゲーム名: Mars First Logistics
    開発者: Shape Shop
    パブリッシャー: Shape Shop, Outersloth
    プラットフォーム: Steam(Windows)
    リリース日: 2025年9月25日(正式版)
    価格: 通常価格 ¥2,300(現在40%オフセール中 ¥1,380、10月10日まで)
    プレイ人数: 1-4人(オンライン協力プレイ対応)
    対応言語: 日本語、英語ほか多数言語対応
    Steam評価: 圧倒的に好評(96%、1,280件のレビュー)

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  • 悪名高きコンビが作った血みどろホテル『HOTEL BARCELONA』。SUDA51×SWERYの夢の共演は、期待通りジャンクでカオスだった

    悪名高きコンビが作った血みどろホテル『HOTEL BARCELONA』。SUDA51×SWERYの夢の共演は、期待通りジャンクでカオスだった

    まさかこの2人がタッグを組むとは……!

    Steamのストアページで初めて見たときは、その開発者の名前に驚いた。SUDA51とSWERY──この2つの名前が並んでいるのを見た瞬間、筆者の頭には「面白そう!」よりも「大丈夫なの?」という不安の方が強かった。

    カルトクラシック『デッドリープレモニション』で知られるSWERYと、『ノーモア★ヒーローズ』シリーズで一世を風靡したSUDA51。どちらも独特すぎるセンスで熱狂的なファンを持つ一方、「完成度よりもアイデアと勢いで押し切る」タイプの開発者として知られている。そんな2人がコラボして作ったローグライク・アクション『HOTEL BARCELONA』は、果たしてどんな仕上がりなのか……?

    そんな疑問と期待を胸に、筆者は呪われたホテルの扉を叩くことにした。

    設定だけで既にヤバい匂いが……

    『HOTEL BARCELONA』の舞台は、ペンシルベニア州とウェストバージニア州の州境にある謎のホテル。プレイヤーは連邦保安官のジャスティン・ベルンシュタインとなって、このホテルに巣食う連続殺人犯たちを殲滅する……のだが、話はそう単純ではない。

    ジャスティンの心の中には、もう1人の人格「Dr.カーニバル」という狂気の殺人鬼が宿っているのだ。復讐に燃える正義の保安官と、血に飢えた狂人──相反する2つの人格が1つの身体を共有しながら戦うという、まさにSUDA51とSWERY的な設定である。

    しかも舞台となるホテルは、『シャイニング』のオーバールックホテルを思わせる不気味な雰囲気。バーテンダーはもはやロイド・ザ・バーテンダーの親戚としか思えない見た目で、館内の各エリアは80年代ホラー映画の様々なサブジャンルをオマージュしている。「お前ら絶対ホラー映画好きだろ」と言わんばかりの露骨な映画愛が炸裂しまくっている。

    2.5Dアクションは想像以上にジャンク

    いざプレイしてみると、ゲーム性は2.5D見下ろし型のローグライクアクション。各ステージは複数の部屋で構成されており、扉を選んで進みながら最終的にボスを倒すというシンプルな構成だ。

    が、操作してみて即座に感じたのは、「あ、これは例のアレだ」という既視感。SUDA51とSWERYのゲームではおなじみの、「アイデアは最高だけど操作感がちょっと……」というアレである。

    ジャスティンの動きは全体的にもっさりしており、攻撃のタイミングも独特。コンボの入力受付がやけにシビアで、ちょっとでもタイミングがずれると入力を食われてしまう。「ローグライクは軽快さが命」という常識を真正面から無視したかのような重厚感(?)に、最初は戸惑いを隠せなかった。

    しかし、これはバグではない。仕様である。

    実際、筆者も最初の数時間は「なんだこの操作性……」とイライラしていたのだが、不思議なことに慣れてくると妙にクセになってくる。スキルツリーで移動速度やコンボ性能を上げていけば、徐々に快適になっていくのだ。

    特に面白いのが「スラッシャー・ファントム」システム。死ぬたびに過去の自分の「幻影」が生まれ、次の周回では最大4体まで一緒に戦ってくれるのだ。この幻影は前回の動きを完全にトレースするため、戦略的に動けばボス戦で強力な支援になる。逆に適当に動いていると、幻影も適当に動いて全然役に立たない。

    血みどろゲージが戦況を左右

    もう1つユニークなのが「血飛沫ゲージ」システム。敵を倒すたびにジャスティンの身体に血が付着し、ゲージが溜まっていく。満タンになると「カーニバル・アウェイクニング」という必殺技が発動できるようになり、画面内の敵を一掃できる。

    この必殺技発動時の演出が、またいかにもSUDA51らしい派手でバイオレンスなものになっている。ジャスティンの中に眠るDr.カーニバルが覚醒し、一時的に制御不能の殺戮マシーンと化すのだ。演出も相まって、プレイしていて「うわ、やべぇモノが目覚めた……」という背徳感を味わえる。

    ただし、このシステムにも癖がある。血飛沫ゲージは死んでもリセットされないのだが、次の周回で同じ必殺技を使うタイミングがなかなか合わないのだ。「前回この場所で使ったから、今回も……」と思っても、敵の配置が微妙に変わっているため、結局温存したまま死んでしまうことがしばしば。

    協力プレイで狂気は倍増する

    『HOTEL BARCELONA』には最大3人までの協力プレイモードも用意されている。友達と一緒にホテルの悪夢を体験できるのは良いのだが……正直、ソロでも十分カオスなこのゲームを複数人でプレイすると、もはや何が起こっているのかわからなくなる。

    画面内にスラッシャー・ファントムが大量発生し、血飛沫が飛び交い、プレイヤー同士で連携しようにも操作性の問題で思うように動けない。結果として生まれるのは、「計画された混沌」ではなく「偶然の混沌」である。でも、それがまた妙に楽しい。

    PvPモードでは他のプレイヤーのゲームに「侵入」して邪魔することもできる。侵入者を倒せば「ブラッディ・マーシャル・バッジ」という称号がもらえるのだが、そもそも通常プレイでも死にまくるゲームなのに、人間のプレイヤーに襲われたらもう手がつけられない。

    ストーリーは薄味だが、キャラは濃い

    正直に言うと、ストーリー面では物足りなさを感じる。SWERYの代名詞とも言える濃密なキャラクター描写や、SUDA51お得意の映画的な演出は、本作では控えめだ。

    カットシーンも必要最小限で、ジャスティンとDr.カーニバルの内なる対話も思っていたより少ない。ローグライクという性質上、繰り返しプレイが前提なので、毎回長いストーリーシーンがあると邪魔になるからだろうが、この2人の才能をもう少し活かしてほしかったというのが本音だ。

    ただし、ホテルの住人たちは相変わらず個性的。クローゼットに住む怪物のティムや、耳をコレクションしているバーテンダーなど、短い登場シーンながらも印象に残るキャラクターが多い。特にティムとの会話は、SWERYらしいシュールなユーモアが炸裂していて思わずニヤリとしてしまう。

    それでも、これは「らしい」作品だ

    『HOTEL BARCELONA』は決して完璧なゲームではない。操作性は癖が強く、フレームレートの問題もある。ストーリーは期待していたほど深くなく、全体的にB級感が漂っている。

    しかし、だからこそ「SUDA51とSWERYらしい」作品になっているとも言える。完成度よりもアイデアと勢いで突っ走る姿勢、ジャンルの境界線を平気で踏み越える大胆さ、そして何より「他では絶対に体験できない」独特の世界観──これらはまさに2人の真骨頂だ。

    プレイしていて「なんじゃこりゃ」と思う場面が山ほどあるが、同時に「こんなゲーム他にないよな……」とも思う。良くも悪くも、唯一無二の体験を提供してくれる作品だ。

    6-7時間で完走できるが、繰り返しが前提

    本作は普通にプレイすれば6-7時間程度でクリアできる。ローグライクとしてはボリューム不足に感じるかもしれないが、スラッシャー・ファントムシステムを活用した戦略的なプレイや、様々なビルド構成の実験など、繰り返しプレイすることで真価を発揮するデザインになっている。

    価格も約4,000円と手頃で、現在Steamでは20%オフのセールも実施中だ。SUDA51やSWERYの過去作が好きな人、B級ホラーやカルト映画が好きな人、そして何より「変なゲーム」を求めている人には、ぜひ一度体験してほしい。

    完璧を求める人には勧められないが、「ジャンクでカオスで、それでいて愛らしい」ゲームを求めているなら、このホテルの扉を叩いてみる価値は十分にある。

    チェックアウトはいつでもできるが、きっとまた戻ってきたくなるはずだ。

    基本情報

    タイトル: HOTEL BARCELONA
    開発: White Owls Inc.
    パブリッシャー: Cult Games
    プラットフォーム: Steam (PC), PlayStation 5, Xbox Series X/S
    リリース日: 2025年9月26日
    プレイ人数: 1-3人 (協力プレイ), 1-4人 (PvP)
    プレイ時間: 6-7時間 (メインストーリー)
    難易度: 初心者~上級者 (難易度設定あり)
    Steam評価: やや好評 (83%)
    価格: 3,990円 (Steam) ※セール時20%オフ
    日本語: 対応 (字幕・UI)

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  • 前作から戦士→魔女へ大変身!神話級の続編『Hades II』が見せる完璧な進化とは?

    前作から戦士→魔女へ大変身!神話級の続編『Hades II』が見せる完璧な進化とは?

    これぞ「続編の理想形」だ!!

    前作『Hades』で世界中を魅了したSupergiant Gamesが、遂に初の続編を投下。しかも、「続編はこう作るべき」という教科書のような完成度で登場したのが本作だ。Steam評価97%という圧倒的な数字が、その品質の高さを物語っている。

    主人公交代で生まれた新鮮味

    前作の主人公ザグレウスから、今度は妹のメリノエが主人公に。この主人公交代が、シリーズに絶妙な新鮮さをもたらしている。

    ザグレウスが「戦士」タイプの肉弾戦キャラだったのに対し、メリノエは「魔女」として黒魔術を駆使する。といってもアクションの爽快感は前作から継承しており、むしろ戦略性が大幅にアップしているのが嬉しい誤算だ。

    新システムの「魔陣」がその象徴で、設置型の足止め攻撃により敵の動きを制御できる。前作の「突っ込んで叩く」スタイルから、「罠を張って制圧する」戦術的なプレイが可能になった。このシステム変更により、前作経験者でも新鮮な気持ちでプレイできる。

    さらに「Ω技」というチャージ攻撃システムが追加され、マナを消費して強力な技を放てるように。通常攻撃、特殊攻撃、魔陣、Ω技の4つを使い分ける戦闘は、前作以上に戦略的で中毒性が高い。

    冥界奪還という逆転の発想

    前作は「冥界からの脱出」がテーマだったが、今作は「冥界の奪還」という正反対の設定。時の巨神クロノスに乗っ取られた冥界を取り戻すため、メリノエが立ち上がるのだ。

    この設定変更が絶妙で、前作をプレイした人ほど「あのハデス一家が囚われた!?」という衝撃を味わえる。使命感を背負ったメリノエの真面目な性格も、反抗期全開だったザグレウスとは対照的で、同じ世界でありながら全く異なる物語体験を楽しめる。

    ストーリーは前作よりもシリアスだが、決して重すぎない絶妙なバランス。オリュンポスの神々も健在で、アポロやアフロディーテといった新たな神々も参戦している。彼らから受け取る「功徳(Boons)」システムも健在で、毎回異なるビルドを試すことができる。

    6種類の武器が織りなす無限の可能性

    武器は杖、姉妹刃、斧、松明など6種類が用意されており、それぞれが前作の武器の良いところを継承しつつ進化している。特に初期武器の「杖」は、近距離・遠距離両方に対応できる万能武器として設計されており、魔女らしい戦い方を堪能できる。

    各武器には複数の「アスペクト」(強化形態)が存在し、同じ武器でも全く異なるプレイフィールを楽しめる。前作同様、武器やアスペクト、功徳の組み合わせで数百通りのビルドが可能で、リプレイ性は無限大だ。

    Steam Deckでの快適プレイも魅力

    Steam Deck Verifiedにも対応しており、携帯機でのローグライクプレイが最高に気持ちいい。通勤や休憩時間にサクッと1ラン楽しめる手軽さも、本作の大きな魅力のひとつだ。

    前作ファンも新規プレイヤーも大満足

    前作をプレイした人は懐かしのキャラクターとの再会を、新規プレイヤーは最高品質のローグライクアクションを楽しめる。どちらの立場でも120%満足できる、まさに理想的な続編だ。

    騙されたと思って、遊んでみてほしい!!ローグライク好きなら絶対にハマる、2025年を代表する傑作がここにある。

    基本情報

    開発・販売: Supergiant Games
    プラットフォーム: Steam, Nintendo Switch
    リリース日: 2025年9月25日(正式版)
    アーリーアクセス開始: 2024年5月6日
    価格: 3,400円
    日本語: 対応済み
    プレイ時間: 20-100時間以上
    Steam評価: 圧倒的に好評 (97%)

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