カテゴリー: アクション

  • 死んで覚えて強くなる!『Lost Eidolons: Veil of the Witch』。死はただの始まり――魔女との契約で挑む、記憶喪失の島脱出サバイバル

    死んで覚えて強くなる!『Lost Eidolons: Veil of the Witch』。死はただの始まり――魔女との契約で挑む、記憶喪失の島脱出サバイバル

    待ってました、タクティカルRPG×ローグライト……!

    PC(Steam)向けに2025年10月9日に正式リリースされた『Lost Eidolons: Veil of the Witch』。開発元のOcean Drive Studioは、2022年に『Lost Eidolons』という本格派タクティカルRPGを手掛けたスタジオで、今回はそのスピンオフとして”ローグライト”要素を組み込んだ意欲作だ。

    正直、ストアページを最初に見たとき「タクティカルRPGにローグライト? 本当に合うの?」という疑問が頭をよぎった。だが、プレイしてみると――この組み合わせ、めちゃくちゃアリだった。

    Steam評価は**78%の「非常に好評」**を獲得し、早期アクセス段階から高い評価を受けてきた本作。メタスコアでも80点前後と高評価で、タクティカルRPGファンからも「これは新しい」と話題を呼んでいる。

    前作『Lost Eidolons』は「戦闘が長すぎる」「もっと戦闘重視の展開が欲しい」といったフィードバックを受けていたらしい。そこで開発者は思い切って方向転換。ローグライト要素を取り入れ、カジュアルに何度でも挑戦できる作品へとリデザインしたという。

    そんな挑戦的な試みが詰まった本作を、実際にプレイしてみた感想をお届けしたい。

    記憶も命も失った主人公――魔女との契約が冒険の幕開け

    ゲームは主人公が島に漂着するところから始まる。記憶喪失で、しかも「死んでいる」という最悪のスタート。そこに現れたのは、謎めいた魔女・セーブル。彼女から提示された契約は「私の敵を倒せ。そうすれば、もう一度生きるチャンスをやろう」というもの。

    まるで『Hades』を思い起こさせる導入だ。主人公は何度も死に、その度に記憶の断片を取り戻していく。死ぬことで物語が進むという構造は、ローグライトゲームとしては王道だが、タクティカルRPGというジャンルでここまで自然に組み込まれている作品は珍しい。

    最初はキャラクタークリエイトで性別や外見を決めるだけのシンプルな設定だが、ゲームが進むにつれて主人公・アッシュの過去が徐々に明らかになっていく。声優陣の演技も素晴らしく、物語への没入感を高めてくれる。

    ファイアーエムブレム×XCOMのような、硬派なグリッド戦闘

    本作の戦闘は、マス目状のグリッドで展開されるターン制戦略バトル。ファイアーエムブレムやXCOMをプレイしたことがある人なら、すぐに馴染めるだろう。

    基本的な操作は移動、攻撃、スキル発動、アイテム使用――とシンプル。だが、甘く見てはいけない。最初のステージから容赦なく死ぬ

    「なんだ、タクティカルRPGでしょ?余裕余裕」なんて思って挑んだ筆者は、開始10分で全滅した。敵はガンガン攻めてくるし、回復手段は限られているし、位置取りを少しでもミスればあっという間に囲まれて終わる。

    特に厄介なのがバランスという概念だ。敵には体勢を崩すバランスゲージが存在し、これを削り切ると大ダメージチャンス&行動停止のボーナスタイムが発動する。逆に、こちらもバランスを崩されるとピンチに陥る。

    さらに、属性効果が戦略の幅を広げてくれる。水たまりに雷撃を放って敵を感電させたり、燃える地形に敵を誘い込んで追加ダメージを与えたり。ただ殴るだけではなく、環境を利用した戦い方が求められる。

    「これ、囲まれたらもう終わりじゃん……」と思ったが、**3回まで行動を戻せる「アンドゥ機能」**が搭載されているのがありがたい。ミスしても即リセットではなく、試行錯誤しながら最適解を見つけられる親切設計だ。

    死んでも無駄にならない――メタ進行で確実に強くなる

    ローグライトの醍醐味は「死んでも次に繋がる」ことだ。本作では、ステージクリアや敵撃破で得られるエンバールーン断片を使って、街でキャラクターの永続的な強化が可能。

    新しいスキルのアンロック、ステータスの底上げ、仲間キャラクターの解放――死ぬたびに選択肢が増え、確実に強くなっていく実感がある。「さっきは勝てなかったボスに、今度こそリベンジできるかも!」という希望が持てるのが素晴らしい。

    しかも、9人のキャラクターから5人を選んでパーティを編成できるため、戦略の幅が膨大だ。近接特化、魔法特化、バランス型――毎回違う編成で挑むことで、プレイ体験がガラリと変わる。

    「またこのステージかよ……」と思うかもしれないが、ルートは毎回ランダムで変化。分岐する道、ランダムなイベント、強力なボスとの遭遇――同じ展開は二度とないため、飽きずに何度でも挑める。

    ちなみに筆者は50時間以上プレイしているが、まだ新しい発見がある。それくらい、リプレイ性が高い。

    ダークな世界観と美しいビジュアル

    本作の世界観は、前作『Lost Eidolons』よりもさらにダークな雰囲気だ。霧に覆われた森、呪われた遺跡、燃え盛る祭壇――どこを切り取っても「ここは危険だ」と感じさせる空気感が漂う。

    グラフィックは最先端とは言えないかもしれないが、アートディレクションが素晴らしい。キャラクターモデルは早期アクセス時よりも洗練され、攻撃アニメーションも滑らかになった。特にレジェンダリースキル発動時のカットイン演出は、「おお!」と思わず声が出るほどカッコいい。

    BGMもまた素晴らしい。不気味で幻想的なメロディが冒険の緊張感を高め、ボス戦では壮大な音楽が流れて盛り上がる。ヘッドホンでプレイすると、さらに没入感が増すのでオススメだ。

    何度も死にながら成長していく――これぞローグライトの真髄

    『Lost Eidolons: Veil of the Witch』は、タクティカルRPGとローグライトを見事に融合させた傑作だ。

    難易度は高いが、理不尽ではない。試行錯誤を重ねることで確実に上達し、戦略の幅が広がっていく。そして何より、死んでも次に繋がるという安心感が、挑戦し続けるモチベーションを支えてくれる。

    「タクティカルRPGが好きだけど、1周100時間はキツイ」という人にこそオススメしたい。本作は1回の挑戦が数時間で完結するため、隙間時間でサクッと遊べるのも魅力だ。

    何度も死にながら、少しずつ強くなり、ついにボスを倒したときの達成感――。この快感は、ローグライトゲームならではのものだ。

    基本情報

    タイトル: Lost Eidolons: Veil of the Witch
    開発: Ocean Drive Studio
    販売: Kakao Games
    配信日: 2025年10月9日(正式版)
    価格: 2,800円(Steam)※20%オフセール中
    日本語:
    プラットフォーム: Steam, PlayStation 5, Xbox Series X|S, Nintendo Switch

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  • 『Absolum(アブソラム)』は、なぜこんなにも ”止められない ”のか? 格闘ゲーム級のベルトスクロールとローグライトが融合した傑作を語りたい

    『Absolum(アブソラム)』は、なぜこんなにも ”止められない ”のか? 格闘ゲーム級のベルトスクロールとローグライトが融合した傑作を語りたい

    『Hades』のビルド構築の楽しさと、『ストリートファイター』のような格闘ゲームの奥深さが、一つのゲームで完結してしまったら?

    2025年10月にリリースされた『Absolum(アブソラム)』は、まさにそんな「わがままな願い」を叶えてしまった傑作です。Steam評価90%超え、メタスコア85点という数字は伊達ではありません。

    筆者は数々のベルトスクロールアクション(ベルスク)を遊んできましたが、正直に言いましょう。「ベルスクは単調で飽きやすい」という定説は、このゲームが過去のものにしました。

    格闘ゲームのような奥深い戦闘──ただのボタン連打じゃ勝てない

    ベルトスクロールアクションといえば、攻撃ボタンを連打して敵をなぎ倒す爽快感が真骨頂だ。しかし『Absolum』は、その常識を良い意味で裏切ってくる。

    本作の戦闘システムは驚くほど奥深い。基本攻撃、強攻撃、投げ、ダッシュ攻撃といったオーソドックスなアクションに加え、パリィ(カウンター)クラッシュ(重攻撃同士のぶつかり合い)テクニカル攻撃プレッシャーメーターなど、格闘ゲームさながらの要素が詰め込まれている。

    特に驚いたのが回避カウンターの爽快感だ。敵の攻撃を絶妙なタイミングで回避すると、時間がスローになって反撃のチャンスが生まれる。これが決まったときの快感たるや……! 『ベア・ナックル4』でも回避は重要だったが、『Absolum』では回避そのものが攻撃手段として機能するため、より戦略的なプレイが求められる。

    また、敵を地面にバウンドさせて空中コンボを繋ぐ「ジャグル」システムも秀逸だ。画面端まで敵を吹き飛ばし、跳ね返ってきたところをさらに攻撃──この連続コンボが決まると、まるで格闘ゲームのようなテクニカルな快感が味わえる。ただし、無限コンボを防ぐために一定時間でコンボが途切れる仕組みも用意されており、ゲームバランスも絶妙だ。

    4人の個性的なキャラクター──どれを選んでも楽しい

    『Absolum』には4人のプレイアブルキャラクターが登場する。それぞれが全く異なる戦闘スタイルを持っており、選ぶキャラによってプレイ感覚がガラリと変わるのが面白い。

    まずはガランドラ。エルフの剣士で、大剣を振り回すパワフルなファイター。リーチが長く、範囲攻撃が得意なため、囲まれたときに頼もしい。筆者は最初のプレイでガランドラを選んだが、豪快な一撃が気持ちよく、まさに「王道の主人公」という感じだった。

    次にカール。ドワーフの格闘家で、銃(ブランダバス)と拳を使い分ける近接戦のスペシャリスト。リーチは短いが火力が高く、敵を殴り飛ばす豪快なアクションが魅力だ。

    そしてサイダー。彼女の最大の特徴は、伸縮自在の義手アームだ。遠くの敵を引き寄せたり、空中の敵を掴んで地面に叩きつけたりと、まるで『モータルコンバット』のスコーピオンのような戦い方ができる。「Get over here!(こっちに来い!)」と叫びたくなる瞬間が何度もあった。

    最後はブローム。カエルの魔法使いで、杖を使った遠距離攻撃が得意。杖にまたがってサーフボードのように滑走したり、魔法弾を連射したりと、他のキャラとは一線を画すプレイ感覚が楽しめる。筆者は2周目でブロームを選んだが、遠距離から敵を一掃する快感にすっかりハマってしまった。

    ローグライト要素がもたらす「もう一回」の魔力

    『Absolum』の最大の特徴は、ベルトスクロールアクションにローグライト要素を融合させた点だ。これが驚くほど相性が良い。

    各ランでは、敵を倒すごとにランダムなアップグレードが手に入る。属性魔法(アルカナ)パッシブボーナス(トリンケット)新しい必殺技(儀式)など、その種類は膨大だ。火・水・風・死霊術といった属性を組み合わせ、自分だけのビルドを作り上げる楽しさがある。

    筆者が特に気に入っているのが死霊術ビルドだ。敵を倒すたびにスケルトンを召喚し、画面を骸骨の大群で埋め尽くす──このカオスな光景がたまらなく楽しい。一方で、火属性に特化して画面全体を炎で覆う「焼き尽くしビルド」も試したが、こちらも爽快感抜群だった。

    また、ステージ間で分岐ルートを選べるのも面白い。「橋を渡るか、橋の下をくぐるか」「森を抜けるか、城壁を登るか」──選択によって訪れるエリアが変わり、毎回新鮮な体験ができる。さらに、特定のルートを選ぶことでサイドクエストが発生し、新しいキャラクターやショートカットがアンロックされることもある。

    ボス戦は歯ごたえ抜群──死んでも「もう一回」と思える絶妙な難易度

    『Absolum』のボス戦は一筋縄ではいかない。それぞれが独特な攻撃パターンを持ち、パリィやカウンターを駆使しなければ勝てない強敵ばかりだ。

    筆者が最初に苦戦したのは、鉱山エリアのボス。画面全体を揺らす攻撃や、天井から巨大な岩を落としてくるギミックに翻弄された。何度も死んだが、そのたびに「次はこう戦おう」と戦略を練り直し、ついに倒したときの達成感は格別だった。

    また、ボス戦中にはヘビーメタルなBGMが流れる演出も熱い。作曲は『エルデンリング』や『SEKIRO』で知られる北村友香(Yuka Kitamura)氏が担当しており、中世ファンタジーの雰囲気と激しいロックが融合した楽曲が戦闘を盛り上げる。

    協力プレイで味わう「もう一つの楽しさ」

    『Absolum』は最大2人での協力プレイに対応している。オンライン・ローカルどちらでも遊べるが、特に素晴らしいのが進行システムだ。

    多くの協力ゲームでは「ホストのセーブデータしか進まない」という問題があるが、『Absolum』では両プレイヤーの進行状況を分析し、両者が報酬を得られる最適なポイントからスタートできる。つまり、どちらのプレイヤーもソロでプレイしているかのように実績をアンロックし、報酬を獲得できるのだ。この配慮は素晴らしい。

    筆者は友人と2人でプレイしたが、属性魔法を組み合わせた連携攻撃がとにかく楽しかった。相手が火炎を放っている間に自分が風魔法で威力を増幅したり、水魔法で敵を凍らせてから電撃で感電させたり──シナジー効果を意識したプレイは、ソロとはまた違う戦略性がある。

    手描きアートが織りなす美麗な世界観

    本作のビジュアルは、Supamonksが手掛けた手描きのコミックアートが特徴だ。色鮮やかな森、陰鬱な鉱山、荘厳な城──どのエリアも絵本のように美しく、スクリーンショットを撮りたくなる瞬間が何度もあった。

    キャラクターのアニメーションも非常に滑らかで、攻撃のたびに「重さ」や「衝撃」が伝わってくる。特にガランドラの大剣攻撃や、カールの拳が敵に命中する瞬間のヒットストップ演出は、格闘ゲームのような気持ちよさがある。

    シンプルだが深い──「もう一回」が止まらないゲームデザイン

    『Absolum』の魅力を一言で表すなら、それは「もう一回」が止まらないことだ。

    死んでも装備やスキルはそのまま残るため、ローグライクにありがちな「全てを失う虚無感」が少ない。むしろ「次はもっと強いビルドを試そう」「あのルートを選んでみよう」という前向きな気持ちになれる。

    また、ゲーム全体の設計が「6分間の試合」を繰り返すような構造になっており、1ランが短時間で完結するのも魅力だ。仕事の合間や寝る前のちょっとした時間にサクッと遊べるが、気が付けば何時間も遊んでしまっている──そんな中毒性がある。 『Absolum』は、ベルトスクロールの新たな地平を切り開く

    『ベア・ナックル4』や『TMNT: Shredder’s Revenge』が好きだった人にも、『Hades』のようなローグライトが好きな人にも、そして格闘ゲームのような技術的なプレイが好きな人にも──『Absolum』は全てに応えてくれる傑作だ。

    筆者はすでに30時間以上プレイしているが、まだまだ遊び足りない。新しいビルドを試すたび、新しいルートを選ぶたびに、まだ見ぬ発見がある。これこそが『Absolum』が持つ魔力だ。

    もし「ベルトスクロールは好きだけど、すぐ飽きちゃうんだよね」と思っている人がいたら、ぜひ『Absolum』を試してほしい。このゲームは、あなたが思い描く「ベルトスクロールアクションの理想形」を超えてくるはずだ。

    基本情報

    • タイトル: Absolum(アブソラム)
    • 開発: Guard Crush Games, Supamonks, Dotemu
    • 販売: Dotemu, Gamirror Games(日本はアークシステムワークス)
    • プラットフォーム: Steam, PlayStation 5, PlayStation 4, Nintendo Switch
    • 発売日: 2025年10月9日(ダウンロード版)、2025年11月6日(パッケージ版)
    • 価格: ダウンロード版 2,970円(税込)、パッケージ版 3,960円(税込)
    • プレイ人数: 1-2人(オンライン・ローカル協力プレイ対応)
    • 難易度: 初心者~上級者向け(3段階の難易度設定)
    • プレイ時間: 1周 8-12時間、完全クリア 30時間以上
    • Steam評価: 非常に好評(90%)
    • 日本語: 完全対応

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  • 1分間の色彩バトルが熱すぎる!『QUADRICOLOR: Ultra Sentai Color Ranger』は戦隊モノ×アリーナシューターの革命作

    1分間の色彩バトルが熱すぎる!『QUADRICOLOR: Ultra Sentai Color Ranger』は戦隊モノ×アリーナシューターの革命作

    「戦隊モノゲーム」、いいかも…!

    Steamで100%という驚異的な高評価を誇る『QUADRICOLOR: Ultra Sentai Color Ranger』。カラフルな戦隊ヒーローたちが色を塗り合う2Dアリーナシューターという、一見すると子ども向けのような設定に最初は半信半疑だった。しかしプレイしてみると、その奥深さと中毒性に完全にハマってしまった。

    1分間のラウンド制、最大4人対戦、そして「色」を武器にした独特なゲームシステム。正直なところ、こんなにも熱くなれる対戦ゲームに出会えるとは思っていなかった。

    本作は、フランスの開発スタジオQuadri Teamが手掛ける早期アクセスタイトルで、2024年10月に配信開始。現在もアップデートが継続中で、毎月新しいトーナメントやコンテンツが追加されている。Steam Deckでの動作も確認されており、いつでもどこでも熱いバトルが楽しめるのも魅力だ。

    「色」を塗り合う…それだけなのに止まらない!

    『QUADRICOLOR』の基本ルールは実にシンプル。プレイヤーは赤・青・黄・緑のいずれかのカラーレンジャーとなり、フィールド上の「Qi-Cell(気セル)」に自分の色を塗っていく。制限時間1分が終了した時点で、もっとも多くのセルを自分の色で染めたプレイヤー(またはチーム)が勝利するというものだ。

    「なんだ、陣取りゲームか」と思うなかれ。この単純なルールが、恐ろしいまでの駆け引きと戦略性を生み出している。

    まず武器となるのが「Qi-Bullet(気弾)」。これを撃つことで、セルに色を塗ることができる。しかし弾には限りがあり、撃ち尽くすとリロードが必要になる。このリロード中が最大の隙となるため、いつ攻めていつ守るかの判断が勝敗を分ける。

    さらに「Qi-Shield(気シールド)」というガード機能があり、これを使えば相手の気弾を跳ね返すことができる。タイミングよく跳ね返せば、相手の攻撃をそのまま反撃に転じることも可能だ。格闘ゲームの読み合いにも似た緊張感が、たった1分間に凝縮されている。

    ジャンプとダッシュを使いこなせ!立ち回りがすべて

    本作の操作系は、移動、ジャンプ、ダッシュ、気弾、シールドというシンプルな構成。しかしこのシンプルさこそが、プレイヤースキルの差を如実に反映させる要因となっている。

    特に重要なのがジャンプとダッシュの使い分けだ。フィールドには高低差があり、高い位置から攻撃すれば有利に戦える。ダッシュは素早い移動に使えるが、使用後は一瞬の硬直が発生するため、タイミングを誤ると逆に狙われてしまう。

    プレイ当初は、ただ闇雲に気弾を撃ちまくっていた。しかし何度も負けるうちに、「攻めるべき瞬間」と「引くべき瞬間」が見えてくるようになった。相手のリロードタイミングを読み、一気に畳みかける。逆に自分がリロード中なら、ダッシュで距離を取りつつシールドで時間を稼ぐ。

    こうした立ち回りが身についてくると、1分間という短い時間が驚くほど濃密に感じられるようになる。1試合が終わるたびに「もう1回!」とつい連戦してしまうのは、この中毒性ゆえだろう。

    パワーアップが戦況を一変させる!

    フィールド上には定期的にパワーアップアイテムが出現する。爆発を起こすもの、相手を凍結させるもの、広範囲に一気に色を塗れるものなど、その種類は多彩だ。

    これらのパワーアップを取得できれば一気に形勢逆転も可能だが、当然ながら相手も同じことを考えている。パワーアップの出現位置を巡る争奪戦は、まさに1分間のドラマそのもの。劣勢から一発逆転を狙うスリル、圧倒的優勢から油断して逆転されてしまう悔しさ。短時間ながら、感情の起伏が激しすぎて心臓に悪い。

    さらに36種類ものアリーナが用意されており、それぞれに異なるギミックが配置されている。バンパーで跳ね飛ばされたり、テレポーターでワープしたり、障害物に阻まれたり。同じルールでも、アリーナが変わればまったく違う戦略が求められるのだ。

    ストーリーモードで練習、オンラインで本番!

    本作には複数のゲームモードが用意されている。まず初心者にオススメなのが「戦隊スクール」。基本操作を学べるチュートリアルで、ここで気弾の撃ち方、シールドの使い方、ジャンプやダッシュのコツを一通り習得できる。

    次に挑戦したいのが「ストーリーモード」。地球の色彩バランスを崩そうとする悪の組織グレイアスとその部下たちを倒す、完全オリジナルストーリーが展開される。ローカル2人協力プレイにも対応しているので、友達や家族と一緒に楽しめるのも嬉しい。

    そして本作の真髄といえるのが「オンライン対戦」だ。カジュアルマッチで気軽に楽しむもよし、ランクマッチでガチンコ勝負に挑むもよし。自分のスキルに応じて「Color-Qiレベル」が上がっていき、最終的には「ウルトラカラーレンジャー級」を目指すことになる。

    特に注目なのが月次開催の「タイムアタックトーナメント」。毎月4つの専用ステージが用意され、いかに速くゴールに到達できるかを競う。他プレイヤーのリプレイを見て研究し、自分のテクニックを磨いていく。この競技性の高さは、まさにeスポーツそのものだ。

    90年代アニメ風のビジュアルが最高にクール

    本作のもう一つの魅力が、手描き風のビジュアルだ。90年代の日本アニメを彷彿とさせるキャラクターデザインは、どこか懐かしくも新鮮。カラフルな色使いと相まって、プレイしているだけで気分が高揚してくる。

    戦隊モノ特有の「名乗り」演出もしっかり再現されており、バトル開始時には各レンジャーがポーズを決める。こうした細かい演出が、戦隊ヒーローとしての没入感を高めてくれる。

    さらにリプレイ機能も充実しており、自分のベストプレイを何度でも見返すことができる。ライバルのプレイを研究したり、自分のミスを振り返ったり。上達への道のりをサポートしてくれる機能が揃っているのだ。

    短時間で遊べる、でも止められない

    『QUADRICOLOR』最大の美点は、1試合がたった1分間という手軽さだ。ちょっとした空き時間にサッと1試合、気分転換に数試合連続で…といった遊び方ができる。それでいて、プレイヤースキルの向上を実感できる深さも兼ね備えている。

    最初は「なんだこの子ども向けっぽいゲーム」と侮っていた。しかし気がつけば、毎日のようにランクマッチに挑み、月次トーナメントのランキングを気にするようになっていた。シンプルなルールだからこそ、プレイヤー同士の実力差がはっきり出る。そして上達を実感できるからこそ、もっと強くなりたいと思わせてくれる。

    対戦ゲームが好きな方、戦隊モノに懐かしさを感じる方、そして何より「短時間で熱くなれるゲーム」を探している方にオススメしたい。カウチ協力プレイで友達とワイワイ楽しむもよし、オンラインでガチ勝負するもよし。『QUADRICOLOR: Ultra Sentai Color Ranger』は、あなたを1分間の色彩バトルの虜にすること間違いなしだ。

    基本情報

    ゲーム名: QUADRICOLOR: Ultra Sentai Color Ranger
    開発: Quadri Team
    パブリッシャー: Quadri Team
    プラットフォーム: PC (Steam)
    プレイ時間: 1試合1分間(プレイスタイルによって総プレイ時間は大きく変動)
    難易度: 初心者〜上級者(スキルベースのバランス設計)
    Steam評価: 非常に好評 (100%)
    リリース日: 2024年10月22日(早期アクセス版) / 2025年10月9日(正式版)
    価格: 通常価格 920円(※セール時は割引あり)
    日本語対応: あり

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  • ペンギンを極地の彼方へ打ち飛ばせ!『Bouncemasters』で味わう爽快な物理演算アクション

    ペンギンを極地の彼方へ打ち飛ばせ!『Bouncemasters』で味わう爽快な物理演算アクション

    ペンギンを打ち飛ばせ!… (?)

    Steamで92%という驚異的な高評価を誇る『Bouncemasters』。「ペンギンを打ち飛ばすゲーム」という説明を見た瞬間は「また単純なモバイルゲームの移植かな?」程度に思っていたのだが、実際にプレイしてみると、その奥深い物理演算システムと爽快感に完全に虜になってしまった。無料で遊べるカジュアルゲームの域を完全に超えている。

    YetiSportsの系譜を受け継ぐ正当進化

    『Bouncemasters』は、2000年代に一世を風靡したフラッシュゲーム『YetiSports』の現代版とも言える作品だ。基本的なゲーム性は極めてシンプル。恋に落ちたペンギンが、愛する相手のもとへたどり着くため、親友のシロクマにバットで思い切り打ち飛ばしてもらう。ただそれだけ。

    しかし、この「ただそれだけ」が異常に面白い。タイミングよくクリックしてペンギンを落下させ、再びクリックでバットスイング。空中では急降下を使って動物たちの上を跳ね回り、距離を稼いでいく。シンプルすぎる操作なのに、なぜかやめられない中毒性がある。

    物理演算が織りなす無限の可能性

    最初にプレイしたとき、筆者は「まあ、せいぜい数百メートル飛べばいいところだろう」と高を括っていた。ところがアップグレードを繰り返し、コツを掴んでくると、ペンギンは数千、数万、そして数十万メートルもの距離を飛んでいく。この驚異的な数値の変化が、プレイヤーの達成感を刺激してやまない。

    特に印象的なのは、動物たちとの連続バウンスだ。アザラシ、セイウチ、巨大なキノコ、クジラなど、さまざまなオブジェクトに当たるたびにペンギンは加速し、まるで弾丸のように空を駆け抜ける。うまく連続でヒットできたときの爽快感は格別で、思わず「やったー!」と声に出してしまうほどだ。

    意外と戦略性の高いアップグレード要素

    「カジュアルゲーム」と侮ってはいけない。本作には意外なほど深いアップグレード要素が存在する。バットの種類は豊富で、それぞれに異なる特性がある。普通の野球バットから始まり、ロケット推進式のフライパン、果てはインフィニティ・ガントレットまで登場する(なんでそんなものが!?)。

    さらに、ペンギン自身の能力値も強化できる。初期速度、バウンス力、空気抵抗など、細かなパラメータを調整することで飛距離が劇的に変わる。どこにコインを投資するかによって戦略が大きく変わるため、単純な連打ゲームを超えた奥深さがある。

    失敗すら楽しいコメディ要素

    本作の魅力の一つは、失敗したときでさえ楽しめるコメディ要素だ。ペンギンはその旅路でさまざまな災難に見舞われる。ピラニアに食べられる、ヘラジカの角に刺さる、松の木に引っかかる、謎の緑色の宇宙人にさらわれる…… どれも想像の斜め上を行く展開で、失敗したときですら思わず笑ってしまう。

    ゲームの説明文にも「You. Will. Always. Fail. Hilariously.(必ず失敗する。しかも面白おかしく)」とあるように、失敗を前提とした設計になっている。これが逆に、「次こそは!」という気持ちを掻き立て、リプレイ性を高めている。

    モバイル版からの完璧な移植

    『Bouncemasters』は元々モバイル向けタイトルだが、Steam版では広告なしで純粋にゲームを楽しめる。モバイル版では度々ゲームが中断されるが、広告表示も一切なく、集中してプレイに没頭できるのは大きなメリットだ。

    グラフィックも鮮やかで、カラフルなカートーン調のアートスタイルが目を楽しませてくれる。ペンギンの表情やアニメーションも豊かで、見ているだけで和やかな気持ちになる。BGMも耳に残るキャッチーなメロディで、長時間プレイしていても飽きることがない。

    競争要素がモチベーションを加速

    本作にはリーダーボード機能があり、世界中のプレイヤーと飛距離を競い合える。自分の記録が徐々に上がっていく過程も楽しいが、他のプレイヤーの記録を見て「こんなに飛ぶのか!」と驚かされることも多い。

    筆者がプレイを始めて数時間経った頃、ランキング上位の数億メートル級の記録を見て唖然とした。「いったいどうやったらそんなに飛ぶんだ?」という疑問が新たなモチベーションとなり、さらなるアップグレードとチャレンジへと駆り立てられる。

    隙間時間にも本格プレイにも対応

    1ラウンドは数分で終わるため、ちょっとした休憩時間にも気軽に楽しめる。しかし、いざ本気になると何時間でも没頭してしまう魔力がある。この「カジュアルかつハードコア」なバランスが、多様なプレイヤーに愛される理由だろう。

    通勤電車で軽く遊んでも良し、休日にじっくり記録更新を狙っても良し。プレイヤーのライフスタイルに合わせて楽しめる懐の深さがある。

    基本情報

    タイトル:Bouncemasters

    プラットフォーム: Steam(PC)、iOS、Android
    価格: 無料
    言語: 日本語対応
    プレイ時間: 無制限(エンドレス)
    ジャンル: アーケード、カジュアル、物理演算

    Steam: Bouncemasters

  • 謎の群島で生き抜け!サバイバルと抽出シューターが融合した『Lost Rift』早期アクセス開始。People Can Flyが挑む新境地とは?

    謎の群島で生き抜け!サバイバルと抽出シューターが融合した『Lost Rift』早期アクセス開始。People Can Flyが挑む新境地とは?

    無人島サバイバル……だけじゃない?

    『Bulletstorm』や『Painkiller』で知られるPeople Can Flyが新たに手掛ける『Lost Rift』が、2025年9月25日にSteamで早期アクセスを開始した。一見すると南国の美しい群島を舞台にしたサバイバルゲームに見えるが、実はそれだけじゃない。本作の本当の面白さは、安全なPvE拠点とスリリングな抽出シューターを組み合わせた革新的なゲーム設計にあった。

    「なるほど、また無人島サバイバルね」と思ってプレイを始めた筆者だったが、ゲームが本格的に動き出すと、その予想は完全に裏切られることになった。

    二つの島、二つの顔

    『Lost Rift』の舞台となるのは、謎に満ちた群島の中でも特に重要な2つの島だ。まずプレイヤーが流れ着くのは「パイオニア・ランディング」という約1平方キロメートルの島。ここは完全にプライベートエリアとなっており、最大5人の仲間と一緒に自由にベースを建設できる安息の地だ。

    従来のサバイバルゲームならこれで完結するところだが、『Lost Rift』はここからが本番。ゲームを進めると、より高品質な素材や装備を求めて「ウエスタン・アイランド」と呼ばれる抽出シューター島への遠征が必要になる。こちらは最大15人のプレイヤーが同時に存在し、40分の制限時間内にできるだけ多くのアイテムを回収して脱出しなければならない、まさに命がけのミッション島だ。

    この二重構造が絶妙で、安全な拠点でじっくりと準備を整えてから、リスクの高い抽出ミッションに挑むというメリハリのあるゲームプレイを実現している。まさに『Escape from Tarkov』のスリルと『The Forest』の安心感を同時に味わえるハイブリッド体験だ。

    ソロプレイヤーには厳しい現実

    しかし、本作には見過ごせない問題もある。特にソロプレイヤーにとって、ウエスタン・アイランドでの生存は非常に困難だ。筆者もソロで挑戦してみたが、ハイエナの群れに囲まれて瞬殺されることが多々あった。なにせハイエナ1匹倒すのに斧で3回殴る必要があるのに、プレイヤーは3回攻撃されると死んでしまうというバランス設定だ。

    ゲーム内でも「ソロでの遠征は推奨しません」と警告が表示されるが、実際のところストーリー進行にはウエスタン・アイランドでの素材収集が必須となる。つまりソロプレイヤーでも最終的には他プレイヤーとの戦闘を避けて通れない設計になっている。

    幸い、開発チームはこの問題を認識しており、最新アップデートではソロプレイヤー同士のマッチングシステムを導入。ソロプレイヤーがグループと遭遇する確率を大幅に削減したという。とはいえ、根本的には協力プレイを前提とした難易度設定であることは変わりない。

    動的天候システムが作り出すドラマ

    本作の魅力の一つが、UE5で実現された美麗なグラフィックと動的天候システムだ。ハリケーンが襲来すれば風と雨でベースが脅かされ、霧が発生すれば視界不良で探索が困難になる。落雷による火災リスクもあり、単なる背景演出ではなく実際のゲームプレイに影響を与える要素として機能している。

    特に抽出ミッション中の天候変化は戦術的な要素となる。霧に隠れて敵プレイヤーから逃れたり、嵐の音で足音をカモフラージュしたりと、環境を活かした駆け引きが楽しめる。100近くのクエストが用意されており、それぞれ20-30時間のプレイ時間が見込まれているため、長期間にわたって楽しめるコンテンツボリュームも確保されている。

    現在の評価と今後の展望

    Steam レビューでは70%の好評価を獲得しているものの、「賛否両論」の評価に留まっている。主な批判点は前述のソロプレイヤーへの配慮不足と、世界の生物多様性の乏しさ(ドードー、ハイエナ、カニ程度しかいない)、そして一部のグレーボックス(開発中の仮素材)が残っている点だ。

    しかし、People Can Flyは2年以上の開発期間を経てこのプロジェクトを進めており、早期アクセス期間中にコミュニティからのフィードバックを積極的に取り入れる姿勢を見せている。実際、ソロプレイヤー問題への対応も素早く、今後の改善に期待が持てる。

    協力プレイヤーにとっては、仲間と一緒にベースを築き上げ、危険な遠征に挑む体験は非常に魅力的だ。特に最大5人での協力プレイでは、役割分担や戦術的な連携が重要になり、チームワークの醍醐味を十分に味わうことができる。

    『Lost Rift』は、サバイバルゲームと抽出シューターという二つのジャンルを組み合わせた意欲的な作品だ。現状では荒削りな部分もあるが、People Can Flyの豊富な開発経験とコミュニティとの協働により、唯一無二のゲーム体験に成長していく可能性を秘めている。

    協力プレイを楽しみたいプレイヤーや、新しいサバイバル体験を求める方にはぜひオススメしたい。12ヶ月の早期アクセス期間を通じて、どのような進化を遂げるのか今から楽しみだ。

    基本情報

    ゲーム名: Lost Rift
    開発: People Can Fly
    パブリッシャー: People Can Fly
    プラットフォーム: PC (Steam)
    早期アクセス開始日: 2025年9月25日
    価格:通常価格 2,995円(20%オフ現在2,396円、10月10日まで)
    プレイ人数: 1-5人(協力プレイ)
    対応言語: 日本語対応済み
    ジャンル: サバイバル・抽出シューター・ベースビルディング
    プレイ時間: 20-30時間以上(クエストのみ)

    Steam: https://store.steampowered.com/app/3494520/Lost_Rift/
    公式サイト: https://lostrift.com
    公式Discord: http://lostrift.com/discord

  • 12ゲージショットガンで挑む地獄のギャンブル『Buckshot Roulette』。命を賭けたロシアンルーレットが恐ろしくも中毒的

    12ゲージショットガンで挑む地獄のギャンブル『Buckshot Roulette』。命を賭けたロシアンルーレットが恐ろしくも中毒的

    ショットガンでロシアンルーレット!正気じゃないぞ。

    地下ナイトクラブの奥で行われる命懸けのギャンブル。相手は正体不明の「ディーラー」で、武器は12ゲージのショットガン。PC(Steam)向けゲーム『Buckshot Roulette』は、従来のロシアンルーレットを革命的に再構築した心理戦ホラーだ。

    Steamストアページで初めて見たときは「またバイオレンス系のゲームか」と思っていた。しかし実際にプレイしてみると、これはただのホラーゲームではない。運と戦略が絶妙に絡み合う、極限の心理戦が待っていた。

    なにこれ、心臓がもたない……

    ゲームが始まると、薄暗い地下クラブの一室で巨大な口を持つ不気味なディーラーと対峙することになる。ルールは単純だ。ショットガンには実弾と空弾がランダムに装填され、自分か相手のどちらかを撃つ。空弾で自分を撃てばもう1ターン、実弾なら相手のターンに移る。3ラウンド制で、相手のライフをゼロにすれば勝利だ。

    「なんだ簡単じゃん」と思ったのも束の間。実際にプレイしてみると、この単純なルールの奥深さに驚愕した。

    最初のラウンドこそ運任せだが、2ラウンド目からは様々なアイテムが配布される。虫眼鏡で次の弾を確認できたり、のこぎりでダメージを倍増できたり、ビール缶で弾を排出できたりと、戦略の幅が一気に広がる。

    特に興味深いのが「携帯電話」というアイテム。使用すると、ショットガン内のランダムな弾の種類と位置を教えてくれる。「4番目の弾は実弾」という情報を元に、相手の行動を予測し、自分の戦略を立てる必要がある。

    ディーラーのAIが恐ろしく賢い(そして時々バカ)

    このゲームで最も印象的なのは、ディーラーのAIだ。基本的にはかなり賢く、確実に勝てる状況では容赦なく攻撃してくる。虫眼鏡で弾を確認してから確実に実弾で撃ってきたり、のこぎりでダメージを倍増してから攻撃してきたりと、油断していると一瞬で形勢が逆転する。

    しかし面白いことに、このAIは完全に確率計算をしているわけではない。実弾が3発、空弾が2発残っていても、平気で自分に向けて撃つことがある。この「人間らしい不完璧さ」が、逆にゲームを面白くしている。完璧すぎるAIだと勝ち目がなくなるが、時々のミスがプレイヤーに希望を与えてくれる。

    緊張感がハンパじゃない

    最も印象的だったのは、最終ラウンドの「サドンデス」モード。通常は除細動器でライフを回復できるのだが、最終ラウンドでは一度死んだら本当にゲームオーバーだ。手錠でディーラーの行動を封じたり、アドレナリンで相手のアイテムを奪ったりと、あらゆる手段を駆使して勝利を目指す。

    実弾が1発しか残っていない状況で、ディーラーがのこぎりを使ってダメージを倍増させた瞬間の絶望感は筆舌に尽くしがたい。しかも相手は虫眼鏡も持っている。「詰んだ……」と思った瞬間、ディーラーが何を思ったか自分に向けて撃ち、空弾だった時の安堵感ときたら……。

    短時間で濃密な体験

    1プレイは15~20分程度と短いが、その短時間に凝縮された緊張感は他のゲームでは味わえない。クリア後に解放される「ダブル・オア・ナッシング」モードでは、連勝すればするほど賞金が倍増していくが、一度でも負ければすべてを失う。まさにギャンブルの醍醐味だ。

    また、最大4人でプレイできるマルチプレイヤーモードも実装されており、友人同士での心理戦を楽しめる。フレンドと一緒にプレイすれば、きっと友情に亀裂が入ること間違いなしだ(いい意味で)。

    工業的な雰囲気が恐怖を演出

    ビジュアル面では、暗い地下クラブの工業的な雰囲気が印象的だ。錆びた金属、薄暗い照明、そして絶え間なく鳴り響くテクノミュージック。これらすべてが、命を賭けたギャンブルという異常な状況を演出している。

    開発者のMike Klubnika氏が作曲したサウントラックも秀逸で、緊張感を高めるインダストリアルなビートが、プレイヤーの心拍数を確実に上げてくる。

    Steam Deckでも快適プレイ

    Steam Deckでのプレイも問題なく、通勤中や寝る前の短時間プレイに最適だ。バッテリー消費は若干多めだが、1プレイが短いため実用上は問題ない。

    操作はD-padでの選択が基本となるため、Steam Deckのコントロールとも相性が良い。ただし、慣れるまではジョイスティックを使いたくなってしまうかもしれない。

    400万本売れた理由がわかる

    『Buckshot Roulette』は、2023年12月のitch.io版リリース以来、TwitchやTikTokで爆発的な人気を博し、Steam版は発売2週間で100万本を突破。現在までに400万本以上を売り上げている。

    この成功の理由は明確だ。シンプルなルール、短時間プレイ、そして極限の緊張感。さらに配信映えする要素も多く、視聴者と一緒に楽しめる作りになっている。

    Steam評価も96%と圧倒的に好評で、「中毒性がやばい」「友達と一緒にプレイしたら修羅場になった」といったレビューが並んでいる。

    基本情報

    タイトル: Buckshot Roulette
    開発: Mike Klubnika
    パブリッシャー: CRITICAL REFLEX
    配信日: 2024年4月4日(Steam版)
    定価: 350円(Steam)
    プラットフォーム: PC(Steam)、itch.io
    プレイ人数: 1人(シングルプレイ)、最大4人(マルチプレイ)
    プレイ時間: 15-20分/1プレイ
    日本語: 対応
    Steam評価: 圧倒的に好評(96%)

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  • 悪名高きコンビが作った血みどろホテル『HOTEL BARCELONA』。SUDA51×SWERYの夢の共演は、期待通りジャンクでカオスだった

    悪名高きコンビが作った血みどろホテル『HOTEL BARCELONA』。SUDA51×SWERYの夢の共演は、期待通りジャンクでカオスだった

    まさかこの2人がタッグを組むとは……!

    Steamのストアページで初めて見たときは、その開発者の名前に驚いた。SUDA51とSWERY──この2つの名前が並んでいるのを見た瞬間、筆者の頭には「面白そう!」よりも「大丈夫なの?」という不安の方が強かった。

    カルトクラシック『デッドリープレモニション』で知られるSWERYと、『ノーモア★ヒーローズ』シリーズで一世を風靡したSUDA51。どちらも独特すぎるセンスで熱狂的なファンを持つ一方、「完成度よりもアイデアと勢いで押し切る」タイプの開発者として知られている。そんな2人がコラボして作ったローグライク・アクション『HOTEL BARCELONA』は、果たしてどんな仕上がりなのか……?

    そんな疑問と期待を胸に、筆者は呪われたホテルの扉を叩くことにした。

    設定だけで既にヤバい匂いが……

    『HOTEL BARCELONA』の舞台は、ペンシルベニア州とウェストバージニア州の州境にある謎のホテル。プレイヤーは連邦保安官のジャスティン・ベルンシュタインとなって、このホテルに巣食う連続殺人犯たちを殲滅する……のだが、話はそう単純ではない。

    ジャスティンの心の中には、もう1人の人格「Dr.カーニバル」という狂気の殺人鬼が宿っているのだ。復讐に燃える正義の保安官と、血に飢えた狂人──相反する2つの人格が1つの身体を共有しながら戦うという、まさにSUDA51とSWERY的な設定である。

    しかも舞台となるホテルは、『シャイニング』のオーバールックホテルを思わせる不気味な雰囲気。バーテンダーはもはやロイド・ザ・バーテンダーの親戚としか思えない見た目で、館内の各エリアは80年代ホラー映画の様々なサブジャンルをオマージュしている。「お前ら絶対ホラー映画好きだろ」と言わんばかりの露骨な映画愛が炸裂しまくっている。

    2.5Dアクションは想像以上にジャンク

    いざプレイしてみると、ゲーム性は2.5D見下ろし型のローグライクアクション。各ステージは複数の部屋で構成されており、扉を選んで進みながら最終的にボスを倒すというシンプルな構成だ。

    が、操作してみて即座に感じたのは、「あ、これは例のアレだ」という既視感。SUDA51とSWERYのゲームではおなじみの、「アイデアは最高だけど操作感がちょっと……」というアレである。

    ジャスティンの動きは全体的にもっさりしており、攻撃のタイミングも独特。コンボの入力受付がやけにシビアで、ちょっとでもタイミングがずれると入力を食われてしまう。「ローグライクは軽快さが命」という常識を真正面から無視したかのような重厚感(?)に、最初は戸惑いを隠せなかった。

    しかし、これはバグではない。仕様である。

    実際、筆者も最初の数時間は「なんだこの操作性……」とイライラしていたのだが、不思議なことに慣れてくると妙にクセになってくる。スキルツリーで移動速度やコンボ性能を上げていけば、徐々に快適になっていくのだ。

    特に面白いのが「スラッシャー・ファントム」システム。死ぬたびに過去の自分の「幻影」が生まれ、次の周回では最大4体まで一緒に戦ってくれるのだ。この幻影は前回の動きを完全にトレースするため、戦略的に動けばボス戦で強力な支援になる。逆に適当に動いていると、幻影も適当に動いて全然役に立たない。

    血みどろゲージが戦況を左右

    もう1つユニークなのが「血飛沫ゲージ」システム。敵を倒すたびにジャスティンの身体に血が付着し、ゲージが溜まっていく。満タンになると「カーニバル・アウェイクニング」という必殺技が発動できるようになり、画面内の敵を一掃できる。

    この必殺技発動時の演出が、またいかにもSUDA51らしい派手でバイオレンスなものになっている。ジャスティンの中に眠るDr.カーニバルが覚醒し、一時的に制御不能の殺戮マシーンと化すのだ。演出も相まって、プレイしていて「うわ、やべぇモノが目覚めた……」という背徳感を味わえる。

    ただし、このシステムにも癖がある。血飛沫ゲージは死んでもリセットされないのだが、次の周回で同じ必殺技を使うタイミングがなかなか合わないのだ。「前回この場所で使ったから、今回も……」と思っても、敵の配置が微妙に変わっているため、結局温存したまま死んでしまうことがしばしば。

    協力プレイで狂気は倍増する

    『HOTEL BARCELONA』には最大3人までの協力プレイモードも用意されている。友達と一緒にホテルの悪夢を体験できるのは良いのだが……正直、ソロでも十分カオスなこのゲームを複数人でプレイすると、もはや何が起こっているのかわからなくなる。

    画面内にスラッシャー・ファントムが大量発生し、血飛沫が飛び交い、プレイヤー同士で連携しようにも操作性の問題で思うように動けない。結果として生まれるのは、「計画された混沌」ではなく「偶然の混沌」である。でも、それがまた妙に楽しい。

    PvPモードでは他のプレイヤーのゲームに「侵入」して邪魔することもできる。侵入者を倒せば「ブラッディ・マーシャル・バッジ」という称号がもらえるのだが、そもそも通常プレイでも死にまくるゲームなのに、人間のプレイヤーに襲われたらもう手がつけられない。

    ストーリーは薄味だが、キャラは濃い

    正直に言うと、ストーリー面では物足りなさを感じる。SWERYの代名詞とも言える濃密なキャラクター描写や、SUDA51お得意の映画的な演出は、本作では控えめだ。

    カットシーンも必要最小限で、ジャスティンとDr.カーニバルの内なる対話も思っていたより少ない。ローグライクという性質上、繰り返しプレイが前提なので、毎回長いストーリーシーンがあると邪魔になるからだろうが、この2人の才能をもう少し活かしてほしかったというのが本音だ。

    ただし、ホテルの住人たちは相変わらず個性的。クローゼットに住む怪物のティムや、耳をコレクションしているバーテンダーなど、短い登場シーンながらも印象に残るキャラクターが多い。特にティムとの会話は、SWERYらしいシュールなユーモアが炸裂していて思わずニヤリとしてしまう。

    それでも、これは「らしい」作品だ

    『HOTEL BARCELONA』は決して完璧なゲームではない。操作性は癖が強く、フレームレートの問題もある。ストーリーは期待していたほど深くなく、全体的にB級感が漂っている。

    しかし、だからこそ「SUDA51とSWERYらしい」作品になっているとも言える。完成度よりもアイデアと勢いで突っ走る姿勢、ジャンルの境界線を平気で踏み越える大胆さ、そして何より「他では絶対に体験できない」独特の世界観──これらはまさに2人の真骨頂だ。

    プレイしていて「なんじゃこりゃ」と思う場面が山ほどあるが、同時に「こんなゲーム他にないよな……」とも思う。良くも悪くも、唯一無二の体験を提供してくれる作品だ。

    6-7時間で完走できるが、繰り返しが前提

    本作は普通にプレイすれば6-7時間程度でクリアできる。ローグライクとしてはボリューム不足に感じるかもしれないが、スラッシャー・ファントムシステムを活用した戦略的なプレイや、様々なビルド構成の実験など、繰り返しプレイすることで真価を発揮するデザインになっている。

    価格も約4,000円と手頃で、現在Steamでは20%オフのセールも実施中だ。SUDA51やSWERYの過去作が好きな人、B級ホラーやカルト映画が好きな人、そして何より「変なゲーム」を求めている人には、ぜひ一度体験してほしい。

    完璧を求める人には勧められないが、「ジャンクでカオスで、それでいて愛らしい」ゲームを求めているなら、このホテルの扉を叩いてみる価値は十分にある。

    チェックアウトはいつでもできるが、きっとまた戻ってきたくなるはずだ。

    基本情報

    タイトル: HOTEL BARCELONA
    開発: White Owls Inc.
    パブリッシャー: Cult Games
    プラットフォーム: Steam (PC), PlayStation 5, Xbox Series X/S
    リリース日: 2025年9月26日
    プレイ人数: 1-3人 (協力プレイ), 1-4人 (PvP)
    プレイ時間: 6-7時間 (メインストーリー)
    難易度: 初心者~上級者 (難易度設定あり)
    Steam評価: やや好評 (83%)
    価格: 3,990円 (Steam) ※セール時20%オフ
    日本語: 対応 (字幕・UI)

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  • 前作から戦士→魔女へ大変身!神話級の続編『Hades II』が見せる完璧な進化とは?

    前作から戦士→魔女へ大変身!神話級の続編『Hades II』が見せる完璧な進化とは?

    これぞ「続編の理想形」だ!!

    前作『Hades』で世界中を魅了したSupergiant Gamesが、遂に初の続編を投下。しかも、「続編はこう作るべき」という教科書のような完成度で登場したのが本作だ。Steam評価97%という圧倒的な数字が、その品質の高さを物語っている。

    主人公交代で生まれた新鮮味

    前作の主人公ザグレウスから、今度は妹のメリノエが主人公に。この主人公交代が、シリーズに絶妙な新鮮さをもたらしている。

    ザグレウスが「戦士」タイプの肉弾戦キャラだったのに対し、メリノエは「魔女」として黒魔術を駆使する。といってもアクションの爽快感は前作から継承しており、むしろ戦略性が大幅にアップしているのが嬉しい誤算だ。

    新システムの「魔陣」がその象徴で、設置型の足止め攻撃により敵の動きを制御できる。前作の「突っ込んで叩く」スタイルから、「罠を張って制圧する」戦術的なプレイが可能になった。このシステム変更により、前作経験者でも新鮮な気持ちでプレイできる。

    さらに「Ω技」というチャージ攻撃システムが追加され、マナを消費して強力な技を放てるように。通常攻撃、特殊攻撃、魔陣、Ω技の4つを使い分ける戦闘は、前作以上に戦略的で中毒性が高い。

    冥界奪還という逆転の発想

    前作は「冥界からの脱出」がテーマだったが、今作は「冥界の奪還」という正反対の設定。時の巨神クロノスに乗っ取られた冥界を取り戻すため、メリノエが立ち上がるのだ。

    この設定変更が絶妙で、前作をプレイした人ほど「あのハデス一家が囚われた!?」という衝撃を味わえる。使命感を背負ったメリノエの真面目な性格も、反抗期全開だったザグレウスとは対照的で、同じ世界でありながら全く異なる物語体験を楽しめる。

    ストーリーは前作よりもシリアスだが、決して重すぎない絶妙なバランス。オリュンポスの神々も健在で、アポロやアフロディーテといった新たな神々も参戦している。彼らから受け取る「功徳(Boons)」システムも健在で、毎回異なるビルドを試すことができる。

    6種類の武器が織りなす無限の可能性

    武器は杖、姉妹刃、斧、松明など6種類が用意されており、それぞれが前作の武器の良いところを継承しつつ進化している。特に初期武器の「杖」は、近距離・遠距離両方に対応できる万能武器として設計されており、魔女らしい戦い方を堪能できる。

    各武器には複数の「アスペクト」(強化形態)が存在し、同じ武器でも全く異なるプレイフィールを楽しめる。前作同様、武器やアスペクト、功徳の組み合わせで数百通りのビルドが可能で、リプレイ性は無限大だ。

    Steam Deckでの快適プレイも魅力

    Steam Deck Verifiedにも対応しており、携帯機でのローグライクプレイが最高に気持ちいい。通勤や休憩時間にサクッと1ラン楽しめる手軽さも、本作の大きな魅力のひとつだ。

    前作ファンも新規プレイヤーも大満足

    前作をプレイした人は懐かしのキャラクターとの再会を、新規プレイヤーは最高品質のローグライクアクションを楽しめる。どちらの立場でも120%満足できる、まさに理想的な続編だ。

    騙されたと思って、遊んでみてほしい!!ローグライク好きなら絶対にハマる、2025年を代表する傑作がここにある。

    基本情報

    開発・販売: Supergiant Games
    プラットフォーム: Steam, Nintendo Switch
    リリース日: 2025年9月25日(正式版)
    アーリーアクセス開始: 2024年5月6日
    価格: 3,400円
    日本語: 対応済み
    プレイ時間: 20-100時間以上
    Steam評価: 圧倒的に好評 (97%)

    購入リンク

    公式サイト・SNS

  • ビリヤードとローグライクが融合した新感覚『Flick Shot Rogues』。おはじきゲームを舐めていた筆者が89%の高評価に納得した理由

    ビリヤードとローグライクが融合した新感覚『Flick Shot Rogues』。おはじきゲームを舐めていた筆者が89%の高評価に納得した理由

    あ、これヤバい。完全にハマった……

    Steam Next Festでデモをプレイした際、正直に言うと「おはじきゲーム? なんか地味そう」という第一印象だった。しかし実際にプレイしてみると、そんな先入観は開始数分で粉砕された。『Flick Shot Rogues』は、まさに「見た目で判断してはいけない」ゲームの典型例だ。

    ドイツの3人組スタジオButter By The Fishが開発した本作は、ビリヤードのような物理演算とローグライクの戦略性を見事に融合させた、まったく新しいジャンルのゲームである。9月17日にリリースされたばかりだが、すでにSteamレビューで89%という驚異的な高評価を獲得している。

    「ただのおはじき」から「戦略的物理パズル」への衝撃的転換

    最初は「キャラクターをマウスで弾いて敵に当てる」というシンプルなシステムを見て、子供向けのカジュアルゲームだと思い込んでいた。しかし、実際に手を動かしてみると、この認識がいかに浅はかだったかを思い知らされる。

    本作の核心は「角度計算」にある。壁での跳ね返り、敵の配置、キャラクターごとの特殊能力を全て考慮した上で、一撃で複数の敵を倒すトリックショットを狙う。これが予想以上に奥深く、まるで3Dビリヤードをプレイしているかのような戦略性を要求される。

    特に感動したのは「Froggomancer(カエル術師)」というキャラクターの存在だ。このキャラクターは移動しながらカエルを収集し、それらを敵に向けて発射するという独特な能力を持つ。最初は「なんだこの変なキャラは」と思ったが、使いこなすと信じられないほどの連鎖攻撃が可能になる。

    Steam Deckで完璧、物理演算の爽快感が手のひらに

    本作の魅力の一つは、Steam Deck Verifiedに対応していることだ。実際にSteam Deckでプレイしてみると、携帯機での物理演算ゲームとしては理想的な仕上がりになっている。

    ディスクが敵に衝突する瞬間のインパクト音、画面を揺らすスクリーンシェイク、そして爆発エフェクトが組み合わさった時の爽快感は、まさに「触感的満足感」という表現がぴったりだ。Engadgetのレビューでも「キャラクターのディスクを敵に叩きつけて連鎖反応を起こす触感が、他のターン制ゲームよりもアクティブで魅力的に感じられる」と評価されている。

    毎回異なるビルド構築、呪いシステムが生む究極の選択

    ローグライクとしての本作の真価は、豊富なアイテムとタレントシステムにある。各ランでは2体のキャラクターを選択し、それぞれに1つずつトリンケット(装身具)を装備できる。

    特に印象的だったのは「フルシールド時に攻撃力50%増加」のトリンケットを3つ重ね掛けした時の破壊力だ。初回攻撃が150%のダメージボーナスを得るため、開幕の一撃がゲームの流れを決定づける。この瞬間、「おはじきゲーム」は完全に「戦略的コンバット」へと変貌する。

    さらに興味深いのは「呪い」システムだ。強力な効果と引き換えに何らかのデメリットを受け入れるこのシステムは、リスクとリターンのバランスを絶妙に調整している。ガラスキャノン型のビルドを組む時の緊張感は、他のローグライクでは味わえない独特なものだ。

    唯一の不満点は「敵の行動予測」の不透明さ

    89%の高評価を得ている本作だが、完璧ではない。最も気になるのは、敵の次の行動が読みづらい点だ。特に黄色いディスクのボスが突然テレポートする場面では、事前の予測が困難で戦略的な判断を阻害することがある。

    この問題について、複数のレビューで「敵のターン順序や攻撃パターンの情報が不足している」との指摘があり、開発側もアップデートで改善を図っているようだ。

    海賊テーマの世界観、日本のユーザーにも高評価

    本作の舞台は海賊をテーマにしたトロピカルな島々で、カニ、サル、イカなどの海洋生物が敵として登場する。日本のユーザーからも「モンスト風おはじきローグライクゲーム」として親しまれており、特にTwitterでは「ぶつかった時の演出がめっちゃ気持ち良い!」との感想が多数見られる。

    4Gamerの紹介でも「考え、狙い、撃つ!テーブル上でキャラクターをはじく爽快感と、ターン制ローグライクの戦略的な奥深さを融合したゲーム」として紹介されており、日本のゲーマーにも確実に浸透している。

    結論:物理演算ローグライクの新たな可能性

    『Flick Shot Rogues』は、一見シンプルな物理演算ゲームでありながら、その奥に驚くべき戦略性を秘めている。Roguelikerの評価にもある通り「物理ベースのゲームでコンボを決めたい人には、とっておきの技がある」作品だ。

    各ランは約1時間程度で完結するため、忙しい日常の隙間時間にも最適。「あと1回だけ」の中毒性も十分に備えている。現在Steam で10%オフセール中(1,700円→1,530円)なので、物理演算ゲームやローグライクに興味のある方は、ぜひこの機会に体験してほしい。

    おはじきゲームを侮っていた筆者が、完全にその魅力に屈服した稀有な作品。89%の高評価は決して偶然ではない。


    基本情報

    タイトル: Flick Shot Rogues
    開発: Butter By The Fish
    パブリッシャー: Noodlecake
    リリース日: 2025年9月17日
    プラットフォーム: PC (Steam)
    価格: 1,700円(現在10%オフで1,530円)
    日本語対応: あり
    Steam評価: 非常に好評(89%)
    プレイ時間: 1ラン約1時間

    購入リンク:

  • 傘で悪魔を叩き潰す!レインコートを着た猫の地獄行アクション『Hellbrella』。「一体なぜ傘で戦うんだ?」という疑問は秒で解決する

    傘で悪魔を叩き潰す!レインコートを着た猫の地獄行アクション『Hellbrella』。「一体なぜ傘で戦うんだ?」という疑問は秒で解決する

    なぜ猫が……なぜ傘で……なぜ地獄に……??

    Steamのストアページで『Hellbrella』を初めて見た瞬間、筆者の頭には「?」がいくつも浮かんだ。レインコートを着た猫の主人公、武器として使われる傘、そして舞台は地獄。どの要素を取っても一見すると何かおかしい組み合わせだ。

    「雨降ってないのになぜレインコート?」「敵は悪魔なのになぜ傘で太刀打ちできるの?」「そもそも猫は水が嫌いなのに……」という疑問が次々と頭に浮かんだが、実際にプレイしてみるとそんなツッコミはどうでもよくなってしまった。

    なぜなら、これが想像以上にクセになる高速アクションだったからだ。

    空中戦こそがすべて!

    『Hellbrella』のゲーム性は、一言で表すなら「空中ハック&スラッシュ」だ。レインコートを着た猫の主人公が、5種類の個性的な傘を使い分けながら、地獄に湧き出る悪魔の大群を空中でバッタバッタと薙ぎ倒していく。

    最初に手に入るのは「Boombrella(ブームブレラ)」と「Gunbrella(ガンブレラ)」の2種類。前者は接近戦特化で敵を吹き飛ばし、後者は遠距離攻撃が得意という明確な違いがある。実際に使ってみると、この2つだけでも全く違うプレイ感覚を味わえる。

    重要なのは、このゲームが「エアリアル(空中戦)」に特化していること。地上でちまちま戦うのではなく、常にダッシュとジャンプを駆使して空中に舞い上がり、敵の頭上から傘で叩きつけるのが基本戦術だ。

    猫だって濡れたくない……でも戦わなきゃ

    操作は意外とシンプル。移動、ジャンプ、空中ダッシュ、そして傘による攻撃。これだけなのに、敵との距離感やタイミングの読み合いが絶妙で、気づけば夢中になっている。

    特に気持ちいいのが空中コンボ。敵の群れに向かって空中ダッシュで突っ込み、傘でなぎ払い、着地前に再び空中ダッシュで次の敵へ……という一連の流れが決まると、「俺、めちゃくちゃうまくね?」という全能感に包まれる。

    一方で、地上に降りて敵に囲まれると途端にピンチになる。敵の攻撃は結構痛く、油断するとあっという間に体力を削られてしまう。まさに「飛んでなんぼ」のゲームバランスになっている。

    60種類のアップグレードで化ける傘

    本作の醍醐味は、豊富なアップグレードシステム。60種類以上の「壊滅的なアップグレード」(公式の表現がなぜか物騒)が用意されており、これらの組み合わせ次第で全く違うプレイスタイルを楽しめる。

    敵を倒すと「瞳(Pupils)」という通貨と「血のしずく(Blood Drops)」というアイテムがもらえる。瞳で永続的なアップグレードを購入し、血のしずくで一時的だが強力な効果を得られる仕組みだ。

    筆者が特に気に入ったのは、傘の攻撃範囲が広がるアップグレード。これを取ると、一振りで複数の敵を巻き込めるようになり、爽快感が格段にアップする。さらに攻撃力アップと組み合わせれば、もはや敵など恐れるに足らず。

    「整え」ならぬ「倒しまくり」でフィーバータイム

    ローグライトらしく、死ねば最初からやり直し……なのだが、このゲームには独特の「フィーバータイム」システムがある。敵を立て続けに倒していると画面下のゲージが上昇し、MAXになると一定時間無敵&攻撃力アップの特殊状態に入る。

    このフィーバー中は、まさに無双状態。普段なら苦戦する敵の大群も、傘一振りでまとめて吹き飛ばせる。「うおおおお!」と叫びながら敵をなぎ倒していく爽快感は、一度味わったら病みつきになること間違いなし。

    ちなみに、敵の種類は「デーモンの目」が基本だが、ステージが進むにつれて様々なバリエーションが登場。動きの速い小型種から、でかくてタフな重装型まで、それぞれに対応した戦法を考える必要がある。

    88%の高評価は伊達じゃない

    現時点でSteam評価88%という高スコアを記録している本作。短時間で遊べるセッション性の高さと、「もう一回だけ」と思わせる中毒性が評価されているようだ。

    1プレイは10~20分程度で終わるので、ちょっとした息抜きにもピッタリ。かといって浅いゲームではなく、アップグレードの組み合わせやプレイスタイルの追求など、やり込み要素もしっかり用意されている。

    唯一の不満点は、現状では日本語対応が不完全なこと。ゲーム自体はUI中心で進められるので言語の壁はさほど高くないが、ストーリーやアップグレードの詳細説明は英語表記となっている。

    結論:濡れるのは嫌だけど、戦うのは楽しい

    最初は「なんで猫が傘で戦うんだよ」とツッコんでいたが、プレイしていくうちにそんなことはどうでもよくなった。大事なのは、このゲームが単純に面白いということだ。

    特に、短時間で爽快感を得られるアクションゲームを求めている人には強くオススメしたい。通勤通学の合間、仕事の休憩時間、寝る前のひととき……どんな隙間時間でも気軽に地獄へダイブできる。

    それに、レインコートを着た猫が傘で悪魔を倒すという設定、よく考えたらめちゃくちゃシュールで笑えるじゃないか。真面目に分析するより、このバカバカしさを楽しんだ方が絶対に得である。

    猫だって濡れたくない。でも、戦わなきゃいけない時は戦うんだ。そんなメッセージが込められている……のかもしれない。

    基本情報

    タイトル: Hellbrella
    開発: Icy Mountain Studios
    販売: GoGo Games Interactive
    プレイ人数: 1人
    対応プラットフォーム: Steam、PlayStation 5
    価格: 920円(リリースセール20%割引中)
    日本語対応: 一部対応
    Steam評価: 非常に好評(88%)

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